本物の霊能者でもどうにもできなかった除霊の相談

霊能者でも怖い思いするの?2とんでもない除霊
目次

四代続く霊障を除霊してほしいという相談

心霊的なやばいもので話せる範囲のものだとありがたいのですが
恵子さん
そうねえ……どうにもならなかった話でもいい?
できるだけマイルドなものでお願いします
恵子さん
四代目まで霊障がおきていてそれを何とかしてほしいって相談を受けたことがあるのよ。四代目の人から
何で四代も続いてるんですか?
恵子さん
よくある話なんだけども霊的なものと取引をしてその取引を反故にしたのよね。それで四代目までしっかりと呪いを受けてる。厄介なのは一家断絶できるくらいの強さがあるのに一家を生き永らえさせて苦しめているという部分よね。とても狡猾で陰湿な部分が目立つけども同じくらいに実直な部分もある。なんで裏切ったというか反故にしたのかしらね……本来無理なことをやってもらったならその対価はとられるのが常でしょうに
どのような約束をしたんですかそこのお家は
恵子さん
これもよくある話だけども、四代前の方の子供さんが生まれるのも困難かもしれないって状態で、どうにか助けてほしいってのをその当時に海外から渡ってきた本に書いてあった呪法をやったのよね。でも呪法ででてきたのは本に書かれた悪魔ではなかった。その条件で日本にいる悪霊のほうが呼び出されたのよね
その本がどんなものを呼び出せるのかがわかりませんがなんとなく目的は達成できてる気がしますね
恵子さん
まあ、願い事は変わらないからね。それで奥さんと子供が無事に生まれてくることを願ったのよ。で、その悪霊は生まれてくる子供を自分によこせといったの。子供はまた作ればいい。女は無事ならば子供は俺によこせという分かりやすいし今でもよくある条件だと思うわ
ですね。私も恵子さんのお手伝いさせてもらってて聞いた覚えがあるというか
恵子さん
まあ、いざそうなったらひとまずはYESとはいうけども生まれてみれば子供は可愛いから嫌なのはわかるのよね。そうやって悲しい結果になった人は数えきれないほどあるのよ。それと同じようにその人も本来は同じような運命を背負うはずだったんだけども、たまたま通りかかった霊能者が悪霊を遠ざけてくれたのよ。そこで終わればよかったんだけどもその当時は食べるものもなくて、木の根とかを齧ったりもしてたのよ。その家は人里からは離れていた。身重の妻に少しでも栄養のあるものを食べさせたい。そうなると人って残酷になれるのよね
………………………
恵子さん
その後本当に食したかどうかまではわからないわ。もしかしたらそこで踏みとどまった可能性もあるし。霊能者が身に着けていたものを金銭に変えたほうが可能性として高いだろうし。ただ、霊能者はその家から消息を絶った
で、でも……霊能者さんが悪霊は何とかしてくれたんですよね?
恵子さん
悪霊の部類にもよるけども長期戦なんて珍しくないのよ。もしかしたら一時的に抑え込んで調伏して使い魔みたいなものにしようと思っていた可能性もある。私も10年以上対応してる案件もあるわよ。そうやって長期間やりとりをすることでこっちのことを少し理解してくれるし、私が死ぬときには仕方ないって付き合ってくれるって言ってるわね。そういうこともあるのよ。でも、その霊能者を消してしまえばそれもかなわない。時代がわるい、世相が悪いというのはわかる。でもねえ……すべてが善性で出来てるわけじゃないのよ
ですねえ……
恵子さん
それでその霊能者の無念や苦しみを悪霊が吸い込んでしまったのよ。いってしまえば悪霊や人じゃないものにとっての霊能者なんてご馳走みたいなものだからね。昔の妖怪がお坊さんの肉を求めて襲いに来るとかは納得できると思うのよ
お坊さんもわかりやすい霊能者ですよね
恵子さん
霊的な能力がなくても当時の僧侶の多くが霊的な修行は積んでるからね。信仰心というものを持った存在は西洋でも化け物に好まれたもの
うーん……約束を反故にして霊能者さんが……うーん……
恵子さん
飢餓って本当にいろんな後遺症を残してしまうのよね。同じくらいに家族への愛情もある。そのすべてを否定できるかとなると何とも言えないのよね
それで四代にわたって呪われてるんですか?
恵子さん
そうね。悪霊は霊能者を取り込んだことで力を増幅させた。それによって霊能者から受けたダメージは回復できたのよ
なんというか、私が霊能者なら一発は殴りたいですね
恵子さん
それなのよ。それも入ってしまったのよね
それは最悪というかどうしようもないですが分かってしまうというか
恵子さん
悪霊の中身もねえ、没落した貴族だった人間だったらしくてね。もともと悪魔というか人型で人の言葉を解する悪魔を呼び出すものだったみたいだからね。原本がわからなんだけどもメイコさんに聞いたら多分そういうものだって言ってたわね
メイコさんがいうなら間違いないような気がします
恵子さん
そんなわけで二重の恨みを買ってしまったのよね
知ってます自己中ってやつです

恵子さんでも除霊が難しい呪い

恵子さん
前提条件としては、まあこんな感じではあるのよ
なんとなくわかりました
恵子さん
この元凶になった人にまず呪いの影響で右足が動かなくなったのね。それはまあきっとあの悪霊なんだろうって本人は思ったことが書き残されてるの。それで今度はうまれてきた娘さんの顔にあざができていたのよ。しかも人の手形に見える。成長するにしたがってあざはだんだん広がっていって娘さんは気を病んでしまって早世してしまったらしいのよね。その後も子供さんは生まれたんだけども女の子は必ず同じあざができていて初代の元凶もこれはもしやってなったのよね。当時はとにかく子供は多かったし
ですよねえ……そのあとに大きな戦争はやがてやってきますけどもその前も激動の流れですし
恵子さん
そうなのよ。どうやっても子供はいないことには子孫が絶えてしまうから産めよ増やせもあったし。それで何人目かの子供の時に奥さんが”もう生みたくない。今までと違う”って言ったらしいんだけどもそれでも妊娠したからには生むしかない時代でもあった。それで生まれてきた子供はいわゆる単眼症だったのよね
きびしいですね……日本だと無脳症はあっても単眼ってかなり珍しいのでは……
恵子さん
今なら医学でわかるけれども当時は生まれてくるまでどんな子供かわからない。奥さんはその子を産んだ際に亡くなってしまった。生まれてきた子供は辻からすれば鬼の子呼ばれる存在。産婆さんがそっと処理しようとしたんだけどもその生まれたての子供は”何があっても赦さない。この子供はもらっていく”っていって子供さんはいなくなったらしいの。まあ。そこの家からすれれば単眼の子供がないなくなったのは願ったりかなったりでしょうね。それも書かれていたみたいだし
ここまででもうおなかいっぱいです
恵子さん
そうなるわよねえ。でもねえ。なんというか……この家は反映して没落するを繰りかえすのよ。すべてがうまくいっているとなった瞬間に没落していく。これを今日まで繰り返してるのよ。そして生まれてくる子供は基本的に4~5人いる。その中には必ず女の子がいてその女の子はあざがある。早世するが子供を産んだ場合には男女関係なく何らかの障害や分かりやすい欠損をもって生まれてくる。これがもう設定されてるかのようになっていて子供を産まないという選択をしたり、独身で過ごそうとする子供さんもでてきたのよね。それでも直系になると必ず子供が生まれるようになっている。それも大人数の。結婚や就職、出兵とかで国外に行っても生きてる方が辛い状態になって帰国するのよ。簡単に死ぬことは許さないって言わんばかりにね
うわあ……いやまあなんというか私もちょっとしたかけてるからだがありますけども、そういうのはないですし……
恵子さん
本当にねえ……
初代の人はどうなったんですか?
恵子さん
結核で苦しんだんだけども長生きしたのよ
結核って当時短命じゃなかったですか?
恵子さん
ええ
……とてもよくわかりました
恵子さん
わかりやすい呪いではあるのよ。苦しんでも長生きできる。いっそ楽に死にたいわよね。それをさせないのよ
すごく嫌ですね
恵子さん
子孫に対してもそれは全く容赦がないわね。歴代みなさん直系にしても分家にしても霊能者や神職、僧侶に相談しても何も解決しない。呪いは全く薄まることがない
もうこの時点で怖いですね
恵子さん
初代も日記をつけていたんだけども、ものかげから一つ目の何かがじっとみてくる。病に伏しても一つ目が嬉しそうに”安心しろ、長寿をくれてやる”と枕元で笑うとか書かれてるのよ。わたしだったら耐えられないわね
それで耐えれる人っているんですか?
恵子さん
子供さんで跡継ぎではない娘さんが出家して尼僧になったけども、その娘さんが書いた手紙には”ここにいると安らげるけれども買い物で外に出ることがとても怖い。仏さまにすがることしかできない”って書いてあったみたいね。さすがに俗世をすてて御仏にすべてを捧げてる場合には呪いも届かなくなるみたいね。安全だけども人生がもう何もなくなり、神仏のためにいきるしかない。それが果たして幸せなのかとなればね……尼僧になれば生きることができるが人生はもう何も残らない。呪いは結局取れないのよ
きついですね……
恵子さん
これをどうにかできるかってなれば私だって無理ですとしか言えないのよね。私に来るまでにも何人かやってみてダメだったからなのであって。それで私のところにもダメもとで相談に来てくれたのはあるからね……まあ、見るだけ見に行く程度でいいならで請け負ったのよ
恵子さん単独でいかれたんですが?
恵子さん
誰にも頼めないからかね。もし何かあっても私一人で食い止めらえるならそれでいいから
もう嫌な話過ぎますねえ
恵子さん
私に話を持ってきた霊能者にも話を聞いたけども、どうにもできないし救おうとか考えることをやめたって言ってたわね。まあ、どっちにしても相談料は出すって言われたからねえ
相談でも今回は受け取ったんですか?
恵子さん
普段だったら受け取らないわね。ただ、今回は私に対する危険も高い事もあって貰ったのはあるわね
恵子さんは等価でしか、お仕事をしないですもんね
恵子さん
過不足なくが心情だもの。今回は対面だけでもちょっと危険かなって思った部分があるからね
すでに怖いを通り過ぎた何かを感じます
恵子さん
それで対面したんだけども、しっかりと呪いが残ってる状態だったわ
どんな感じでしたか?
恵子さん
直系ではなくて二代目の方の娘さんのほうの血筋なんだけども片目はほとんど見えないって言ってたわね。先天的なものでどうにもならないのと、家系的に欠損や奇形が出やすいって悩んでたわ。今回どうにかしたいと思ったのは結婚してることと子供ができたけども超音波でもう奇形が確認できると言われてどうにかしたいと思ったらしいの
せめて直系から離れた人には優しくしてほしい気はします
恵子さん
そんなことはしないでしょうね。それが悪霊ってものだもの。苦しむ人数が多いほどに力を維持できる。しかも今回は悪霊には非はない。裏切った初代を裏目になってしまうけれどもそれもどうにもできないものだからね
難しい問題ですよね
恵子さん
私はその時にはまだ一つ目の鬼は見れなかったけども、僧侶の人から見てもらった時には”あなたの呪いは地獄から生まれています。どうやっても私には無理です”って言われたらしくてね。それでも読経だけでもしてほしいといったら”気休めにもなりませんよ”って言われたそうなのよ。神主に頼んだ時にも”はっきりと見えるとかではないですが私に請け負えるものでもないですし、祝詞も何の効果もありません。すでにあなた方が来てから庭の雀が数匹死にました。申し訳ないですがお引き降りください”って言われたって。まあ私でも同じこと言うとは思うわよ。それでもそこまでのものならどんなものなのかは一度見ておきたいのもある。こちらが完全に危害を加えない、あくまで話をしてきたというのを強調するために丸腰でいったし
大丈夫だったんですか?
恵子さん
なんとか大丈夫だったわよ。こっちがまずしっかりと向かい合わないと話ができないタイプなら誠意を見せるのは大事だと思ったのもあるわ。もともとはしっかりと礼儀を重んじるならこっちも礼儀を重んじることと、私が向かうことで私に有利な条件での対面ではないっていうのも理解してもらえるんじゃないかってのはあったし
恵子さんクラスでもそこまでしなきゃダメな相手なんですね
恵子さん
私でも除霊はできなかったわよ
えっ
恵子さん
できないものはできないし、私も見ず知らずの人のために命を捨てることはしないわ
私でも同じことを考えますね。それは利己的でもなんでもなく当然の行為というか
恵子さん
ちょっと見ただけでも、もうこれはダメだなっていうのは分かったのよ。四代の長い時間の絶望、枝分かれした分家ですら呪いは薄まらないことでの、絶望で悪霊だったものは地獄に住む何かになっていたわね。それをはっきりと口にするのは自分にとっても危険があったから出さないことを徹底したけれども
そこまでのものってもう悪霊を超えてますよね
恵子さん
当たり障りなく言うならば”化け物”よ。正真正銘の化け物。本当に本当に怖い存在ってこういうものだって思い出させてくれたわね。忌み地で修行した時にも感じたけども本当の化け物って人間程度では勝てないのよ。よくある英雄が化け物を退治する話は英雄はその時点で人間をやめてしまっている。そういうどうやっても勝てない存在を前にすると人間って無力だと思うわね
たしか恵子さんの修行って形容しがたい何かとの闘いをやってましたよね?
恵子さん
そう。成仏とか浄化とかもうできなく、時間をかけて自然に帰っていくのを待つだけしかできない。そのために外部から人が入れないようにしてるし、内部には幾重にも結界が作られている。私たち霊能者が修行にいっても化け物からすればそれは遊びの反中なのよ。でもそれは自然だからまだいつかは消える可能性がある。でもね
はい
恵子さん
地獄ってどうにもならないのよ。もう諦めるしかないの。そういうものからの呪いを解こうなんてとんでもない血筋でしっかりと修行した人じゃないと無理よ
そんな人もいるっていうのが怖いですね……
恵子さん
とりあえず話だけは聞こうっては決めていたから真正面に座らせてもらったのよね。どこまで私が耐えられるかもあったけども
私がちょっと耐えられないのでお茶を戴いてもいいですか?
恵子さん
どうぞ。どうにもならないって話だけども大丈夫?
大丈夫です。よろしくお願いします

一族が続く限り残る呪いの除霊はほぼ不可能

休憩させていただいたので続きをお願いいたします
恵子さん
地獄の何かというものになってしまうと、こちらからは基本的には手出しはしないほうがいいのよ。それを踏まえて話をさせてもらったんだけども
はい
恵子さん
Dさんの方がね、もう誰に助けてもらえるんでしょうねって言うのよ

※ここでは便宜上相談者さんをDさんとさせていただきます。

Dさんの気持ちはすごいわかりますけどもどうにもならないですよね
恵子さん
なのでDさんに、あなたに憑いてるものが何かのかを知ってるのか?って聞いたのよ
ええ
恵子さん
はっきりとは分かりませんがとてもよくないものだとは
すごくこう、ぼかしてるのはわかります
恵子さん
なので、あなたについているものは地獄の存在ですって伝えたわ
その時点で恵子さんは何が見えてましたか?
恵子さん
幸いにして私にはまだ一つ目のものが見えてなかったのよ。さすがに声をあげずにいられる自信がなかったからよかったと思ったわね
私がお手伝いするときじゃなくてよかったです。真剣にそう思います
恵子さん
私もまだその時は今よりも若かったから好奇心があったのよ。でもねえ、本当に怖いものは避けるべきだと改めて思わせられたわね。ごくまれにだけども異国の神様を連れて歩いてる人やそういう霊障を受けてる人はいるけども、地獄の住人からの呪いなんて人間にどうこうできるものでもない。そういうものがあなたに憑いてるって言われて心が保てる人もいないわよね
……………………
恵子さん
翌日もまだ滞在してるのは聞いてたから、その日は一度私も帰らせてもらったのね
滞在するにしてもそういう人って旅行みたいのをしても大丈夫なんですか?
恵子さん
旅行中は大丈夫でしょうね。旅行から帰ろうとしたときに乗る予定だった飛行機が墜落して自分は無事だったとか、通学に使っていた電車に乗り遅れていたら電車が事故を起こしたとかね。助かったというよりも死ぬことを何が何でも回避させてくるって感じにはなってくるでしょうね。そうやっているだけで、その場に存在してるだけで周りを不幸にする。その人が来ると事故やケガがおきてしまう。そうなってしまうと周りも何となく気が付いてくるのよ。もしかして、この人ってそういうものって思い始めるでしょ?
それまで親しかった人が離れていく、じわじわと悲しい気持ちになる。そういうものをつくって喜ぶ存在もいるのよ
誰もいなくなりますよね……
恵子さん
それでもね、どうにか結婚できるように運命をねじ負けるのよ。次の代への呪いを繋げるし、子供が健常で生まれ来る可能性はほぼない。そういう希望を持たせてすべてを打ち砕いていく。そういう環境をずっと作っていく。結婚した後も伴侶に病や災いがふりかかる。自分はぎりぎりの所で無事でいてしまう。これがこの先も一族の血が強いほどに引き継がれるのよ
何代か進んでいって血が薄まったら呪いも薄まるんですかね?
恵子さん
難しい気はするわね。わずかでも血が残っているのが呪いの条件になってる感じもあるのよね。本当に一族が根絶やしになるしかないというか……そのためには出家するか人を寄せ付けない山奥や孤島に住むしないというかね。どうやっても普通の幸せをうばってやろという悪意しかないのよ
色々と無理なものは無理ですよね
恵子さん
それに慣れることができる人間っていないと思うのよ
ですねえ……

除霊できないほどの呪いがなぜ生まれたのか

恵子さん
その夜の事だったんだけどもね
はい
恵子さん
家にもきたのよ
あえて何がとは聞きません
恵子さん
ここは私の方が優位に出れるんだけどもあえて敵陣に来ても負けることがないっていう自信があるんでしょうね。実際に私が勝ち負けでの決着をつけるならばどっちになるか断言できないもの。言えるのは、私はその存在に手出しはしないということくらい
来訪者は何をしに来たんですか?
恵子さん
あえて言うなら私を観察しに来たという感じかしらね。最初からやりあう気はない、それでも顔は見にきた。私が好奇心であちらに向かったようにあちらも好奇心で来訪したというのが正しいかもしれないわね
いやな好奇心ですね
恵子さん
それでも扉一枚隔てての対面なのよ
扉。なんで開けないんですか?
恵子さん
開ければ私がやられるのはあったわね。それでも好奇心で踏み込んでくるか、こちらがこらえて距離をもったままでいるかを試してるのもあったでしょうし
なにか……話したりしたんですか?
恵子さん
すこしね。最初にこっちが払う気はないこと。もう一度対面する予定はあるがこちらに危険が及ぶような事はしたくないこと。今回話をきいたのは純粋な好奇心であり、今同じようにその好奇心に負けたらこんどは私も無事ではないことは理解しているのでとびらを開けるきはないこと。そんなことを伝えたわね
……………………
恵子さん
そうしたらそれは私にいったのよね。どこまで分かっているのか?って。だから答えたわよ”地獄の住人に勝てる人間はいない”って。それに満足したんでしょうね。扉を隔ててそこに入るけどもさっきまでの恐怖心や嫌な汗は出なくなったわ
わあ…………
恵子さん
それはDさんの血が入る者、Dさんに味方するものすべてに害を及ぼすことがすべてでありDさんの一族が絶えないようにしていると言ってきたわ。例外としてDさんの一族のすべてが出家したりすればそれはもうこっちの負けにはなるが人間が無欲に近い生活ができるとは思わない。一人二人出家したところで全体の数に影響はない。今後もこの気持ちが変わることはないって。だから聞いてみたのよ。最初に約束を反故にされなかったらどうしていたのか?と
ええ・・・・・・
恵子さん
答えは”子供を娶るか、餌にするかはしたがそれ以上の干渉はなかった。子供は増やせる”と。だから一つ目の子供はどうなりましたか?ときいたら”地獄においてある”って
もう嫌な話過ぎますねえ…………
恵子さん
私の部屋には八角がおいてあるからにおいの変化とかもあるんだけどもそれをこえて八角が腐るほどだからやりあわないのが正解だったのよね
ええ
恵子さん
今度はあちらから”俺は勝てない相手に意地や美徳で挑むやつが好かない。一線を敷いて弱さを認めるやつには、こちらもそれを認めて対峙する”って言われたわ。私は勝てない勝負はもちろんだけども、命をかけるようなことは家族や恩人以外にはしない。今後もかかわる気はないし、地獄の住人と取引をする気もない。Dさんたちは今後どうなろうとも聞こえなくていい。今回はほんとに頼まれただけであって実力に見合わない相手とやりあうのはないと断言したら、”それでいい。正しい判断だ。俺の中には坊主の恨みもある。坊主をたてるならばお前のような考えの人間には手出しをしない”っていうのもなかなか化け物としては言えないと思うの
なんというか礼儀ただしい非道な感じがしますね
恵子さん
人じゃない存在ってまずは敬意をもって接することで一定のラインを引いてくれるのよね。それは善性悪性関係がなく。Dさんのご先祖は約束を破った。それは敬意をもってないことと、相手の顔に泥を塗るよりもひどいことだったんでしょう
最初に子供を渡していれば何も起きなかったんでしょうね
恵子さん
おそらくはその子供が育った時に富や名声もくれたでしょうね。あの化け物は最初にDさんのご先祖を信用した。それを裏切ったのは紛れもなくDさんのご先祖。今更になってしまうわね
…………
恵子さん
すごく長い時間話したような気もするけどもあとで時計をみたら3分程度だったの。それくらいのプレッシャーがあったのよ。あんなの誰でも断って当然だし霊能者だったら、関わりたくないのも仕方ないわね。去り際にそれは”あいつらにこの話をしてもいい”っていったのよ。伝えるかどうかは私の判断になるけれども
伝えたんですか?
恵子さん
掻い摘んでね。Dさんは他の人にも言われたらしくうなだれてたわ。いつもなら私も榊なり八角なり渡せるんだけどもこの人には渡していけない、縁を持ってはいけないって思ったわ。うちの神様に相談しても同じ答えだったもの
神様なら地獄のなにかでもなんとかなるんじゃないんでしょうか?
恵子さん
フルパワーでいけばなんとかんるでしょうね。でも今度は神様が地獄の何かになってしまう。それはあってはいけないこと。誰が対処しても地獄にいくものが入れ替わる事になってしまう
八方ふさがりですね……
恵子さん
それ以来Dさんとはあってないわね。もともと距離は離れてるから接触とかはないんだけども。その後の話を聞くこともないし
下手な階段よりも嫌な話ですね
恵子さん
そうなのよ。どうにもならない呪いってあるのよ。できない約束はしない踏み込んではいけないところには踏み込まない。どうしてもやってしまった場合にはひたすら謝り倒す謝ったところで何も変わらないって思うかもしれないけども、誠意を見せるのは大事なのよ。誠意はそのまま敬意になる。敬意ってものは本当に大事
ためになりますね。しかし野次馬としてはDさんの今後は気になりますが……
恵子さん
Dさんは今後も周りを不幸にしながら生きていくし、Dさんのお子さんはいい方向にはいかない。あれがこの家から消えてもしばらくは八角を出しても臭いがしないしいつもよりも早く腐ってしまっていた。それだけ残り香でも影響を出せるような存在には触れないほうが良いのよ。あきらめたくはない。でもそれとは別に本物の怖いものをしってしまうとね。私の怖い話っていうとこういうものになるわねえ……消滅できるものやできなくても、まだなんとか対等に渡り合えるものはいい方なのよ。そうではなく地獄という人がもっともいってはいけない場所の住人とは関わってはいけないのよ
……私は怖いところが苦手なので一ミリも近づきたくないですね
恵子さん
もし、Kちゃんが誰か大事な人がいてその人のために自分の子供を対価に渡せといわれたらどうする?子供はまた望めばいいって言われたら
どうしますかね……あきらめるかもしれません。それまでだったと思うかもしれないですし、私が仮に悪魔や悪霊を呼び出してしまったとしてもそれを伝えて牛タン1キロを買ってくるから、そのあたりの生肉で手を打ってもらえないか言うかもしれません。穏便に帰ってもらいたいけども私が呼び出してるならそれくらいはしますかね。がんばってハツとかレバーとかをお肉屋さんにお願いするのでお帰りいただく方向じゃだめですかね?っていうかもしれません
恵子さん
Kちゃんの方法だとおそらくあの化け物も”莫迦な人間だ”っていって全部ではなくても部分的に願いはかなえてくれるでしょうね。そうやってどうにかして穏便に帰ってもらおうとするのも相手に対しての恐怖を持っている、敬意を持ってることの現れだからね
帰ってくれますかね……?
恵子さん
化け物っていうのはね、情があるのよ。その情に対して情や気持ちで答えれば同じようにその対価分の願いはかなえてくれる。顕著なのは神様とかになるわね。寄付金で社が新しくなれば寄付した人に対する対価を神様がくれる。そういうものよ。金銭が難しいなら掃除でもいいだろうし、気が向いたときに参拝することでも立派な対価になるわよ。人ならざる存在というのは基本的にそういうものなのよ。同時に裏切りにはとても厳しいし、威厳を傷つけるものにも厳しい。Dさんのご先祖はそういった部分も壊してしまったのよね
……
いつか解放されないんですかね……
恵子さん
地獄の住人に寿命があればいいんだけれどもね。まったくないわけではね……でも気が遠くなるほどの時間が必要になる。今子孫がどれだけ礼を尽くして詫びても効果は薄いだろうし……いつか、とかの希望を持つことも厳しい
怖い話ですね……
恵子さん
自分が勝てないと思う相手は何回かあったけども、地獄に関連した存在はあれだけだったわね。禁足地のあれはまだ安全度はあった。逃げることもできた。でも地獄のものからは逃げられない
そこそこいるんでしょうかね、Dさんみたいな方
恵子さん
地獄の神様とか異国の神様に愛された人とかはいるわね。でも愛情というものと憎しみや恨みは別物なのよね。あきらめてくれと言われてできるものではないだろうけども、ようやっても救えないってものは確かにあるのよ。ただDさんくらい顕著なのはないわねえ
そこまでというのはなかなかいというのは安心できますけども、地獄に関連する存在って結構まだ今でもバッティングすることってあるんですか?
恵子さん
あるわよ。普通に。でも普通に生きてればそういうものには出会うことはほとんどないのよ。ただ……海外っていうのはこちらの許容行為がNGになったりするし、いきなり一目惚れされて地獄に引き込もうとしてくるとかもあるからね。神様っていうのは神域にいると思われがちだけども自然にもいるし、天国にも地獄にもいるのよ。台湾や東南アジア、中国なんかだと地獄に住む神様なんかも書物に書かれてることは多いわね。日本だとそこまで書かれてることは少ないから苦しむ世界というメージだけども中国とかは幽冥教主とかも浸透してるし
たしかに文化の違いは大きいですね
恵子さん
西洋だと堕天した天使や神が地獄や冥府にいるっていうのは割とメジャーなのよ。神話とかにも展開に住む神と冥府や地獄に住む神とか
日本でもゲームの影響で地獄の女盟主とか冥府の女神とかが浸透しては来てますね
恵子さん
そういったものがなぜ生まれてきたのかを考えればおかしなことはしないと思うのよ。何だってもとになる話があってのことだからね
ですねえ……
恵子さん
お地蔵さまだって神様の区分になるし日本だってどこにでも神様はいる。だからこそ目に余るような行為はしちゃいけないっていうのを”罰が当たる”って言葉で教えられてきたんじゃない?
確かにありましたね、枝とかを傷つけると来年実がならないように、神様がいるから枝を大事にしろとか
恵子さん
子供でも分かる説明になるのよ。神様っていう存在は。それくらい本来日本人は神様が身近な種族なのよ本来。気を付けて生きていくというよりもそれくらい神様が万物にいるのだから危険なことはしない、人の嫌がることはしないというのが大事なのよ
しかし、本当にどうにもできない方の話をきくと何とも言えない気分に
恵子さん
自分がしでかしたことが自分の代で終わるとは限らない。子供に報復する人もいる。人じゃない存在もそういうことがある、むしろ多いと考えておくといいわね
今日は本当にありがとうございました
恵子さん
また長距離移動をおねがいすることになるけどもよろしくね
はい。安全が確保できるなら大丈夫です

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

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