執筆者:ゆい
現役副住職として活動する恵美さんは、おばあさまから引き継いだ震災3.11関連供養を行うこともあります。
今回は10年たってからの心霊的なお話をお伺いしてきました。
10年の節目というけれども、恵美さん的にはどうですか?
恵美さん
いやー……いまだにご家族や本人からお礼が来るからそこまで昔とも
ご家族はともかく本人から?
恵美さん
うん。あの時はお世話になりました~的な感じで来るよ。多分、ご家族に会いにいかれてその帰りとかなんじゃないかなあ。うちだけに来てるってわけじゃないと思う
やっぱり、10年たってもその辺はあるものなの?
恵美さん
義理堅い人なんだと思う。挨拶はしっかりめにとか親戚づきあいをしっかりしてる人とかはなくなられてもそういう気質は変わらないからね。季節の挨拶的に来てくださる方もいるから、ありがたいよねえ
いつも思うけども恵美さんは霊的な人と存命の人の区別というかそういう隔てが少ないよね
恵美さん
基本的にはどちらも人だからね。そこで区別することはあまりないかなあ。ただ、あちらは生のない存在、こちらは生のある存在という線引きはしてる。そこはあいまいにしちゃいけないし、あちらからの希望は供養的なもの以外は私は聞かないよ
そのへんもはっきりとしてるよね
恵美さん
うん。ここをあいまいにすると本当にダメなんだわ。なので、あいさつやお礼に来てくれる方に対しても同じ考えかな。ただ、もう10年ですから大丈夫ですよ。お気持ちだけで、と伝えても“顔を出したくなるんです”といってもらえるとね。だから庭とかも常にきれいにしておかなきゃいけないし、最近は高枝切りばさみを使うのもだいぶ上手になったはず
恵美さんが手入れしてたのか……あのお庭
恵美さん
うん。檀家さんの庭師の方がいたんだけどもなくなられてね。そのあとに少し教えていただいて、こちらに来た際にチェックや指導されてる感じ。だいぶ形にはなってるはず
本当に隔てないよね
恵美さん
すべてのことは学ぶことから始まり、皆師匠なんだよ
でも、K市やI市からここまでだと距離はあるよね
恵美さん
距離とかがあまり関係ないからね霊的な存在になると。なので帰り道にふらっと寄ってくださってる。花がきれいですねとか少し会話して“また来ますね”てみなさん帰って行かれるね。当時にできた傷とかもだいぶ消えてる人が多いから、10年という時間でご家族や本人の傷が少しでも和らいでいるといいんだけれども
傷とかはやっぱり残ってしまってるものなの?
恵美さん
残ってる時も多いよ。自分が納得できる理由を見付けると消える人もいるけども、怨恨の強いのを抱いてなくなった人がそのままの姿でそこに残ってしまっているのも納得できるんじゃないかなあ
すごくわかりやすい
恵美さん
今回のは自然災害ではあるけども、納得できるものではない人が多いよね。一瞬だったでしょって思う人もいるかもしれないけども、一瞬だった人もいればそうじゃない人も多かった。無念の方が多かったのは事実だからねえ
10年でだいぶそういうのも減ってきたものなのかな……
恵美さん
私やばあちゃんも向こうに行くたびにできる部分はご家族に伝えるようにしてたよ。それも一つのご供養だと思ってるし。私にではなくばあちゃんの代替わりで私にといった感じかなあ
人以外との接触をもったことがないからなあ。恵美さんと出かけるとそこそこに不思議なことが多くて驚くけど
恵美さん
Kちゃんはそういう部分があってもそんなもんだって受け止めてくれるからね。まあ、あの震災以降は霊的な能力者や僧侶とかも少し立ち位置が変わってきたというか。信仰とか大きな枠にはなるけども目に見えないものを少し信じてもいい、そこに存在すると思ってもいいと感じてる人が増えた気はするよ
人の力や気持ちは大きなものだったって思うし、実際に私も九州のお友達とかからの支援の声とかもあったから人の意外な面を見ることができたと思う。変わらない人もいればすごく変わった人もいる。内面が出るよね
恵美さん
うん。仏さまになるとそれがより顕著になるよ。本当に素体になるから最終的には人の根っこは悪いものはないって考え方になるのもわかるんだよね。でもまあ、稀にそうじゃない人もいるわけで。すべての罪が浄化されるわけではなくなぜ地獄があるのかとかを考えるきっかけにはなるよね
すごく僧侶っぽい!!
恵美さん
僧侶です(笑)まあね、そういう感じで10年たってより強い仏になられてる方もいてね。あの時の無念を今度はほかの子やほかの世代に感じさせてはいけない。風化させてはいけないけれども、もうこれ以上自分を責めないでほしいって人が多いねえ
というと?
恵美さん
どうしても、あの時にこうすれば助けることができたとかそう考えてしまう人っていうのはいるんだ。風化させてはいけないけれども、つらすぎることは忘れてもいいって皆さん言うねえ。それは私も同じ考えだわ。忘れないようにしよう、って芸能人とかは声を上げるけども忘れることでしか前にすすめないこともあるからね。そういう時は忘れてもいいし、少し思い出せる余裕ができた時に思い出せばいい。それを責める仏さんはいないからね。皆さん本当に、御仏になられる
そのあたりは難しい部分になるよね。本当に引きずる人は引きずるし
恵美さん
だねえ。仏さんになるとその辺のしがらみが結構ほどけやすくなる人も多くてね。なので、私みたいな未熟者にも挨拶やお礼の声まで下さる。ありがたい以外の言葉が出ないのよね
10年で人も霊的な存在も、仏さんも変わっていくって考えると大きなものだよねえ
恵美さん
自然災害を的中させるなんてほぼ無理だからねえ。透視や霊視ができるならわかるでしょっていうのは違うんだわ。それは対象が近い人や狭い範囲だからわかるものであって、世界に影響を及ぼすものを予見しろっていうのは法典などにでてくる予言の域だからね。それくらいの徳をつんでる存在でなければできない。一般の私らがどうにかできるものじゃないからね
わかりやすい
恵美さん
この辺の認識はたぶんみんな一緒じゃないかなあ……ばあちゃんも見えないものは見えないってよくいってたし
このページで分かる事
できることをできる分だけやること
10年たち、変わるものや変わらないものがあり震災の話もそこまでは出てこなくなりました。
どこまで触れていいのかは非常に難しいと考える人もおおいのではないでしょうか?
私らもだけども、どこまで震災のことは触れていいのかは悩むところよね
恵美さん
その辺はね、大変でしたね。っていって、そうでしたね。って帰ってきたらそこで終わりにしたらいいんだよ。詳細に聞こうとしなきゃいい。話したいときは相手のほうからいずれ話してくることも多いから。そのあたりで私は判断してるかな。もちろん、仏さんからの伝言とかは伝えるけども、最後に“御仏は皆に平等に思いを注がれますから”ってつけてる。これは事実だし、仏様が見守ってくれてるってだけでも日々のとらえ方は変わるからね
話すことでしか癒されないものもあるだろうし、その部分を聞き出すとかはできないししたくないよね
恵美さん
Kちゃんは文章を書いたりSNSとかでたまに相手が自分で考えられるようなことをいったりもするじゃない?それで各自が考えていくだけで私は十分だと思うよ。それで足りないなら実家のお仏壇に手を合わせたり、近隣にある少し大きなお寺や神社に手を合わせに行くだけで十分だよ。思い出した時にそういうことができるだけの心があればいいよ
10年たって、ご遺族の人とかもこっちにきたりもする?
恵美さん
親類に用があるとかで親類がこっちにいる場合だねえ。私も自主的には来なくていいですって伝えてる。無理はしなくていいと思うし
あの時は人の怖い部分も進学とかで結構見たって年代問わずに聞いたなあ。震災すらも自己利益のために利用する人がいるとか怖いなあって
恵美さん
そういう人にはつけが回ってくるからねえ。悪いことはできないし、しちゃいけないよね
恵美さん自体は10年で何か変わったことはあります?
恵美さん
うーん……ずいぶんと霊障とかそういうものが増えてきたなあとは。特に、こういう巣ごもりとかだとネットショッピングとか家の中の整理とかでいろんなものが表に出されちゃってるからね。風化しかけてたものが活性化してしまうというか
活性化?
恵美さん
うん。呪物とかは大体時間制限のある爆弾みたいなものなんだ。だから、ある一定の年数が過ぎれば効果が消えたり薄れたりするものが多いんだよ。その時間経過の際には人の目や手に触れることもないから、静かに忘れられていく感じかな
よく、百年とかで効果が切れるとかいう話は聞くけれども
恵美さん
百年かかるものもあればかからないものもあるけど、基本的には人から忘れられたものや人が触れることがなくなったものになるかな
呪物とかってそんなに一般家庭にあるものになるの?
恵美さん
普通はないねえ。ただ、倉とか持ってる家だとたまにある感じ
結構限られてくるね
恵美さん
あとなんでか古い仏壇にしまってあったりするのもあるから、仏壇の中とかのものは引き取ってくるよ。一応何とかできるからね。そういう呪物が地震以来そこそこ活性化してるというか発掘されてしまってるというか。まあ、それくらいだと案とかなることも多いからいいんだけども
そういうのは持ってかえってるの?
恵美さん
だねえ。で、浄化するまで本堂の隅に置いたりしてるんだけども、まれにあのときに成仏させた方が挨拶にきたついでに引き取ってくれたりもするよ
引き取る
恵美さん
うん。ああ、これは向こうに行くべきですね。ついでに持っていきますから~って。翌朝見ると大体呪物が元に戻ってるね。ありがたいなあって思ってる。あの時は必至だったし、私ってか、ばあちゃんの功績というかね。いまだにそうやって顔を出してもらえたり、ご家族の方から連絡とかも頂けるからねえ
なんというか、霊的な人からのお礼ってすごくレアなのでは
恵美さん
元は人であり、みんな仏さまになられるからね。その辺を考えても、生前と同じようにしてもらえるのはうれしいよね。生前あんまり知らない人が多いけど(笑)
恵美さんはそんな感じで霊的な人の差別とかしないもんねえ
恵美さん
初見で大体話ができるかできないかはわかる感じだからね。話ができるならなんとかなるよ。まだ人の心があるんだから。話ができない存在とかになってしまうと、私ではまだ修行不足にはなってしまうけれどもね。そういう割り切りとかができるくらいにつよい人もまれにいるからねえ
恵美さんところには割と善良な霊的な人が多い気がしますね
恵美さん
人の根っこはきっと善良だと思うよ。でも、なんでもそうだけどもわずかな確率で不良品って出てしまうから、そういうごく少数の特殊な方以外はみんな善良になると思う。だから、仏さんになればその部分が前に出てくるんじゃないかな
災害とかは思い残しが多い気がする
恵美さん
うん。だからこそ時間が必要であり、この10年というのは大事だったんじゃないかなあ。ここで一区切りではなく、ここから改めて、って感じだと思う
今後もまだまだそういう霊的な人は現地で出てくるのかな
恵美さん
ようやく気持ちの整理がついた場合だってあるからね。送れる人がいれば送るし、迷ってるというところまで来たら少しは説得する。でも、無理にではなく自分の気持ちかなあ。出ないといい結果にはならないし
そういう納得した人がそうやって恵美さんのところに挨拶に来るんだねえ
恵美さん
ありがたい以外の言葉がないよね。時代もゆっくりと変わって女性僧侶も増えてきたように、そういう流れを見て自分も変わろうかなって考える人も出てくるから無駄ってものは一つもないと思っている
時代の流れって大きいですよね
恵美さん
うん。霊的な方々もそういうものを見ているからね。毎日それなりに正して生きて行かないと
それなりに(笑)
恵美さん
疲れない程度に(笑)
また、お話を聞かせてください。今日はありがとうございました
恵美さん
はい
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