奈那先生に取材して鑑定で気を付けていることなどを聞きました

奈那先生は西洋占星術とタロットを得意とし、メール鑑定やイベントを中心に鑑定を行っている占い師です。

このページでは、奈那先生の最近の活動状況や、占いに対する熱い思いをご紹介いたします。

では先生、自己紹介をお願いします。
奈那(なな)と申します。
西洋占星術とタロットを使って鑑定をしています。
以前はチャット占いの会社に所属していました。
今は、メール鑑定とバーなどを間借りしてイベントでの鑑定をしています。

小さい頃は、占いへの興味が強かった方だと思います。
雑誌をあまり買ってもらえない家庭だったので、近所の図書館で占い雑誌『My Birthday』を読んでいました。

しかし、年齢が上がるにつれて次第に興味の対象も変わっていって…。
中高生の時は、本を読んだり絵を描いたりするのが好きでした。
占いからは離れていましたね。
大学卒業後、人材系の会社に営業として入社したのですが、半年ほどで退職しました。

現在は、鑑定の傍らWebライターや編集をやったり、SMバーとSMクラブで女王様をやったりしています。

―― おぉ…女王様ですか、ワタクシも一度、鞭打ってみたいかも

2足のわらじどころか、3足くらいわらじを履いている状態ですが、今の自分にはこれがちょうどいいバランスです。

このお仕事をはじめたきっかけは何ですか?
ある占い師さんとの出会いが、この世界に入ることになったきっかけです。
その方は占いバーを経営していました。
お酒が飲めて、鑑定も受けられるお店ですね。

ある日、私の知人がそのバーでイベントをすることになったんです。
ちょうど新卒で入った会社を辞めて、これからどうしようと悩んでいた時期でした。
占いバーに行ったことはなかったんですが、知り合いもいるし大丈夫だろうと考えて、思い切って行くことにしたんです。

お店の鑑定ブースは盛況で、私も占ってもらうことにしました。
仕事がつらくて会社を辞めたこと、そんな自分は甘えていると感じたこと、今後の身の振り方に迷っていること…
などを話した気がします。

その方は、私の話を聞きながらカードをぱらぱらめくっていきました。
具体的にどんなアドバイスをされたかはもうあまり覚えていないのですが、その方と話しながら、私は泣いてしまったんですよ。
「ああ、この人は私の話をちゃんと聞いて、向き合ってくれているのだな」
という安心感があったからです。
占いは心を癒して前向きにする力があると感じました。

再び占いに興味を持つようになったのはそれからです。
自分で自分のホロスコープを見てみたり、占い好きの友人に教えてもらったりといったところから勉強を始めました。

占いの勉強を始めて1年ほど経った頃、求人サイトでチャット占い師募集のページを見つけたんです。
ダメもとで応募したら受かってびっくりしました(笑)。
それから占いが仕事になりました。

得意な占術を教えてください。
特に得意な占術はタロットです。
絵画や漫画、映画が好きなので、絵を見るとインスピレーションが湧きやすいですね。
鑑定にはトートタロットを使っています。

トートタロットはイギリスのオカルティスト、アレイスター・クロウリーがデザインしたタロットで、よく使用されるウェイト版といわれるカードとは絵柄が違います。

見慣れないデザインに驚かれる方もいますが、個人的にはトートタロットが使っていて一番しっくりきますね。
先ほどお話しした占い師さんが、トートタロットを使っていたことも、何か縁のようなものを感じます。

タロットだけでは対応できないお悩みには、西洋占星術も並行して使います。
反対に、西洋占星術をメインで使用することもありますよ。
この場合は、自分自身について深く知りたい、月単位や年単位で運気の流れを見たいといった方が多いです。

得意な相談内容は何ですか?
得意な相談内容は、恋愛をはじめとする人間関係です。
私がSMのお仕事をしていることもあってか、男女問わず、周囲に言いづらい関係についてのご相談が多いです。
セクシュアリティや性的嗜好に関するご相談もありますよ。
私は大学でジェンダー論を専攻していたので、そういった見地からお話できることもあると思います。

占い師として活動する前は、恋愛についてのご相談が多いのかなと予想していたのですが、始めてみると職場の人間関係についてご相談を受ける機会も多くて驚きました。

職場での人間関係についてご相談をされる方は、若い女性が中心です。
社会人としてのスタートを切ったばかりの方や、転職を考えている方が多いですね。
歳が比較的近いことや私の経歴が特殊なことが、ご依頼が来やすい理由かもしれません。

どのような相談者が多いですか?
私は、イベントでの鑑定とメール鑑定とでは、価格設定や鑑定スタイルを大きく変えています。
そのため、異なるタイプのご相談者様がいらっしゃいます。

イベントでの鑑定は、気軽に占いを体験してみたい人向けです。
値段はワンコインから、時間は10~15分程度で設定することが多いです。
場所にもよりますが、男女比はほぼ半々で、幅広い年代の方がいらっしゃいます。
職種もバラバラですね。

メール鑑定では、金額が高くてもしっかり占ってもらいたい方が中心です。
男性より女性の方が多いです。
ご依頼を頂いてから、一人ひとりに合わせた鑑定書を作成するので、お返事まで少し時間がかかります。
それでも問題ないという方や、じっくり悩みと向き合ってほしい方はメール鑑定を選びますね。
中には、イベントでの鑑定をきっかけに、メール鑑定を申し込んでくださった方もいますよ。

鑑定のときに心がけていることや、気を付けていることはありますか?
基本的なことですが、鑑定の時は優しく穏やかな言葉遣いを心掛けています。
悩みを他人に相談するのは勇気がいることだと思います。
勇気を出して話したのに、怒られたり否定されたりすると悲しいじゃないですか。
私は、ご相談者様の勇気を踏みにじるような態度は取りません。

それから、具体例や例え話を使って、鑑定結果をより分かりやすく伝えるようにしています。
例えば、「あなたは明るい人です」という一言を取っても、お笑い芸人のように周りを笑わせる「明るさ」と、誰に対しても気丈に笑顔で振る舞う「明るさ」では、
ニュアンスが違いますよね。
そういった細かいニュアンスの違いまで伝えるように努めています。

良くない鑑定結果が出た場合、相談者にどのようにお伝えしていますか?
良くない鑑定結果が出た時も、お伝えはするのですが「ズバリ言わない」ように気を付けています。
ご相談者様に否定的な印象を与えたくないので。

具体的には「あなた」を主語にしないことですね。
「あなたは将来こうなります」
と言うのではなく、
「カードでは○○と出ているのですが、心当たりはありますか?」
「ここに△△というカードが出ていて、私はこう解釈したのですが…」
と伝えます。

それから、どうすればポジティブな結果に変えられるかも一緒に考えます。
私が一方的に話すというより、ご相談者様とやり取りしながら策を練るイメージです。
メール鑑定ではどうしても一方通行になりやすいので、鑑定後にご相談者様が質問できるシステムを設けています。

占い師を始める前の自分にアドバイスするとしたら、何を伝えたいですか?
占い師を始める前の自分に言いたいのは、
「占い師になっても勉強は続くよ!」
ってことです(笑)。

ある程度占いを続けてみて分かったんですが、占いには幅広い知識と経験が必要です。
そのためには、占術に関してはもちろん、色々なことを学び続けなければいけません。

「勉強」とまではいかなくても、多方面に興味のアンテナを張り巡らせておくことで、役に立つ時が来ると感じています。
「自分の会社を立ち上げたい」という人から相談を受けた時、占い師が起業について知っている方が、より的確なアドバイスができますよね。

人の悩みが多様である以上、知識や経験の幅が広い方が占い師としては有利だと思います。
あるいは、自分の得意なジャンルを極めるのもありです。
SM関係の方や夜のお仕事をされている方から私にご依頼が来るのは、このパターンですね。

先生もご自身の未来を占うことはありますか?
自分で自分の未来を占うことはあります。

ただ、深刻な悩みは自分では占いません。
どうしても「こうなってほしい」というバイアスがかかってしまって、自分を客観視できなくなる気がしているからです。

そういう時は、占いの結果にも反映されますね。
「そりゃこういう結果になるよね」みたいな答えしか出ないので、自分で抱えきれない悩みは、他の信頼できる占い師さんに相談しています。

休日はどのように過ごされていますか?
休みの日は、本や漫画を読んだりブログを更新したりしています。
あとは、思いっきりだらだらします。
起きるのも遅いですし…(笑)。

インドア派なので、あまり外には出ないです。
でも、まとまった休みが取れたら旅行に行きたいな、とは昔から思っています。

最後に読者にメッセージをお願いします。
古代中国の兵法書『孫子』に、「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」という有名な一節があります。
ざっくり言うと、「敵と味方のことをしっかり把握していれば、どんなに戦っても負けないよ」という意味です。

占いとは、人生を「百戦殆(あや)うからず」に近づけるための道具のひとつだと私は考えています。
逆に、道具に過ぎないという言い方もできるわけですが…。

先ほどの一節になぞらえるなら、「彼」は自分の未来や好意を寄せている相手の気持ちなどが当てはまるでしょう。
「己」は、そのまま自分自身ととらえていいと思います。
「彼」と「己」について知るための道具が占いです。
そこから、「じゃあ、こういう風にやってみよう」という計画が生まれます。
それが行動への第一歩になります。

一方で、計画は必ず上手くいくわけではないことも覚えておいてほしいです。
人生において、一度も間違えないのは不可能ですから。
ただ、私たちは失敗から学ぶこともできます。
占いは、人生という旅をちょっと楽にするツール、くらいに捉えておくといいかもしれません。

つまずいた時、
もう動けないと感じた時、
それでも一歩踏み出したい時、
声を掛けてもらえると嬉しいです。
一緒に未来を戦いましょう。

先生、今日はどうもありがとうございました!

友達にはもちろん、他の占い師には相談しにくかった特殊な性的嗜好に関する相談も、奈那先生なら必ず力になってもらえます。
もちろんそのほかの悩み相談もOK!