執筆者:ゆい
現役副住職として法事などをこなしている恵美さん。
恵美さんの知る所で、もっとも霊的に強い存在だったのが、亡くなられた恵美さんのおばあさんとのこと。
今回は野生のプロとして活動していたおばあさんの話をお伺いしました。
恵美さんのおばあさんは東日本大震災の際にも「自分たちだからできることがある」と恵美さんを引き連れて現地に向かいボランティアとして葬儀や祈祷などを請け負っていました。
恵美さんが見えることを特化させ、霊視やある程度の厄払い、退魔、除霊などができるようになったのは幼少期におばあさんが霊的なものに関する知識や対応の仕方、霊的な能力を持っているからこそできることを教えてくれたからそうです。
では詳しく見ていきましょう。
恵美さんが見える系というか、そういうことができる系になったのってあのグレートなおばあちゃんの力かね?
恵美さん
力というか、親父が全くそういうのがなくて兄弟の中で私が一番そういうのが強かったからばあちゃんも私を育成したんじゃないのかな。厳密にいえば兄貴も少しは見えるんだけども、鍛えて物になるのが私だったらしい
あのお兄さんはものすごいリアリストだよね
恵美さん
うんむ。寺とか墓地とかでのあれこれはできるけども、それ以外の事はしたいという人でもないからね。なので、私が便宜上副住職になっている。多分そのまま引き継ぐことになるとは思うけど、ここ十数年で随分と坊主の性別も変わってきたし、外国の方とかもいるからねえ。そこまで肩身が狭いとかはないね
私も存命中に何回かあったことがあるけども、本当に野生のプロって感じのおばあちゃんだったよね。山に行ってきた後にきたら“おまえなんかひっつけてきたな”ってもんの前で思いっきり頭はたかれて“でたな。入っていいぞ”って
恵美さん
ばあちゃんは、その辺の加減がなかったからね。兄貴が何かつけてきたときも背負い投げみたいにして門の前で吹っ飛ばしてから“入っていいぞ。おかえり”って結構あったわ
お兄さんよく、いままで生き残れたね……おばあちゃん結構力強かったよ?
恵美さん
うんむ。ばあちゃんは合気道?そういうのとばあちゃんの霊的なものがブレンドされてとんでもない一撃に昇華されているというか
うん。あの小柄なおばちゃんとは思えない力だった
恵美さん
私もよく投げ飛ばされていた。ばあちゃんとはどの家庭もそんなものだと思っていたが違ったらしい
うん、全く違う。恵美さん家のおばあちゃんは特殊だと思う
恵美さん
まあ、ばあちゃんはそんな感じで変な所に行って何かつけてきちゃだめだってことを体験させて覚えさせたんだけども。私も小さいときからばあちゃんに投げられまくってたからばあちゃんの力も少しずつ移動してたのもあると思う。移動というか、ばあちゃんといる時間を長くすることで見えるものをはっきりさせていった感じはある。子供には説明するよりも強制的に能力を引き上げて、一定の所まで出来てから応用というか
気づいたら見えてたんでしょ?
恵美さん
そうなる。家がこうだから、家の中にいろんな人が来るのはわかるんだけども明らかになんとういうか、今だから表現できるといえばこれは大変な亡くなり方をした人とかがそのままの姿で歩いてたりとかね
それを小さな恵美さんは
恵美さん
ばあちゃんにあの人なんか出てる、といったはず。で、それから見えることが分かって兄貴たちとどれが見える見えないをやって私が一番見える、触ろうと思えば全部ではないけども触れる。声も言葉の意味は理解できないけども何かを言ってるのはわかるってなったから、鍛えていくことになったというか
言葉はわからないが何かを話してるだと、相当小さい時だよね
恵美さん
だねえ。幼稚園まえにはもうそうなってたから、人の多い所に行って変なものを持ってこないように、触らないようにで寺で経営してる幼稚園に入ったんだわ。でも、完全に安全でもないから帰ってきて投げ飛ばされるのは定期的にあったね。ただ、幼稚園あたりだと自分ではどうにもできないからばあちゃんつれてくるね、とかは相手に伝えたきはする。兄貴がそう言ってたから多分そうなんだとは思う
恵美さんちはおばあちゃんもだけど、お兄ちゃんたちもなんか個性が強いよね
恵美さん
兄貴は反抗期の時に、なんでかはわからないけども心霊スポット巡りを極める勢いでまわってたから親父よりもばあちゃんに投げられたりばあちゃんにビンタされたりした回数のほうが多いはず。ばあちゃんに“はいっていいぞ”って言われるまでは入れないからね
じゃあ、お兄さんのお友達とかも……
恵美さん
うんむ。よく門の前で投げられてた。おまえらも変な者つけてきよって……って
おばあちゃんから基本的なものは教わった感じ?
恵美さん
うん。その辺はできるできないは別にして兄貴たちも一緒に教わってる。私になにかあったときには手順をしってればなんとかできることもあるからね。兄貴も付き物が落ちたように途中からまともになったし。実際に付き物だったんだけども
その辺は改めてじっくりと聞きたいわ
恵美さん
兄貴は迷惑体質だからな……嫁さんの力がすばらしいから兄貴がノーガードでも嫁さんの徳で守られてるというか。兄貴の結婚の際にもばあちゃんは“なんて良い徳のお嫁さんだ。実にありがたい”って言ってたな。兄貴はなんというか女運がハードだったから、最後にすごい菩薩みたいな人をよく捕まえたなって
恵美さんも、お兄さんの奥さんの徳とかわかるの?
恵美さん
うん。ばあちゃんがその人の徳、今風に言えばオーラとか波動なんだろうけども……どんな人として生きてきたのとかを見ることを教えてくれたからね。Kちゃん(筆者)もすごく変わってはいるけども、基本的に人を信じる方向に寄ってるし、善側だから付き合いやすい。なんじゃこりゃって言われる人ほど徳が高かったり、良い人って言われる人ほど生臭かったりとかあるからそこを判断するのが大事になってくるね。その判断方法を霊能者としてしっかりと修行を積んでいたばあちゃんに、修行とわからないようにしながら鍛えられたんだと思う
修行を修行と思わせないように?
恵美さん
そう。あの人の周りは何色に見える?とか、そういう遊びとか知育に近い感じで霊的な部分、特に私は見ることを最初に鍛えられた。徳を読めるようになったら今度はあそこにある黒い影は何に見える?とか、今の犬の声は聞こえた?とか。そんな感じで見えることを鍛えて、一緒に聞くことも鍛えてもらった。修行なんだろうけども子供だったのもあって面白いほうが強かったかなあ……ばあちゃんは私を鍛えるのか悩んだらしいんだけども、変な方向に行くよりもちゃんと霊的なものと付き合えるようにしたほうがいいってなったらしい
基礎をそうやって積んでいった感じなのね
恵美さん
うん。で、兄貴たちが仏教系に行かないことが決まった時点で私が仏教系に進む事になったからね。家からはだいぶ離れたけども、大学には私みたいな人がそこそこいたからあまり疎外感とかもなかった。実家が寺とか神社とかだと見えたり聞こえたりする体質の人がぽろっとでてくるみたいだね。教授なんかも“私がここに来たときはまったくそういうものはなかったのに、生徒の影響か見えるようになってしまうんだね”とかね
感化されるのかな?
恵美さん
いんや、もともと資質が少しある人が常に霊的な何かに触れている状態だから引き出されちゃうんだよね。特に授業なんかだと、集団だからね。それが毎日数時間になればそうなってしまうというか。でも、教授が言うにはもっとすごい人がいてね
え?どんな人?
恵美さん
事務局の人なんだけど、その中でもすごい人がいたのよ。卒業してからなんというか、亡くなってしまう生徒とかが大学に生きてるふりをしてきちゃうと“ここは死者は入れないから帰るように”ってスパッと切り捨てるのよ。自分が死んでるのはわかっててそういうのはきてるからね。で“私もここで長くいるほうなので、どうしてもとごねるならしかるべき処理を取りますが”っていうとだいたい逃げていくみたいだね。あの人は強かったわ……いろんな逸話も聞いたし
その辺も今度じっくりと聞きたいです
恵美さん
事務局の人は多分そういう引き上げをされた中で一番強かったと思うよ。自分が死んでることを理解できない生徒にはちゃんと説明して納得させてたからね。で、納得してお礼をいってるのも何度見たし。事務局として生きてる人にも生きてない人にもしっかりと対応できててかっこよかったわ。定時でだいたい帰ってたし
そういう大学ってなんか全体的に濃い人が多そう
恵美さん
だねえ。そういう体質やそういう環境になれている人が多いからね
おばあちゃんも見ることが強かったんだよね?
恵美さん
うん。千里眼ってやつだったらしい。今でいうところの霊視、透視、未来視とかだね。追加でばあちゃんはその人の過去も見れたから生粋の見ることのできる人だったんだというもう。霊的なものだけじゃなく、すべてにおいてみることができたというか
だと、恵美さんたちにもみるという部分が継承されてるのも納得できるねえ
恵美さん
一番強い能力を限界値まで引き上げることで他が平均値でも、良いって考えだからね。ただ、見ると聞くはセットな部分があったから私はそんな感じだった。あとは夏休みとかの長期の休暇はばあちゃんと一緒にほかの寺院とかで旅行感覚で修行してた
恵美さんも昔から面白かったよね
恵美さん
塗り絵感覚で写経とか、お札とか書かせるからね
写経ってあれは心を落ち着かせるものなの?
恵美さん
それもあるだろうけど、経文ってそのもので一つの呪法みたいなものなのね。だから写経することで写経してる人に何かついていれば書き終わるまで落ちることも多いし。読経も同じだね。それで落ちないときには次の段階の対策をとるというか。で、修行みたいなことすればいろんなものがついちゃうから写経や読経でそれを落とす。あと、お風呂には必ず入る。水で落とせるのは汚れだけじゃなく澱みとかもあるのよ
お風呂は大事だよね
恵美さん
うん。体とか洗わない人とか風呂入らない人って悪いもの寄せやすくなっちゃうからね。滝行でそぎ落とすイメージがあるとは思うんだけども、一番簡易的にするなら頭からシャワーでもいけることが多いからね。日常にいる小さなものとかはそうやって落としちゃっていいと思う
音は確かににてるよね。滝とかシャワーってマイナスイオンが水流の音ででるっていうし
恵美さん
滝行は大学の時にやってみたけど、寒いとかじゃなくあれは痛いんだ……
痛い
恵美さん
うん。水圧がすごいのとたまになんか混ざって落ちてくるから二重に痛い
滝行のイメージが壊れるな……
恵美さん
無理にやらなくていいと思う。しっかりと体を洗って、しっかりとお湯や水を浴びる。それが一番だよ。ばあちゃんもその部分はすごくいってた。だから小さいころから風呂大好きだったわ
本当に基本的な事を日常に取り入れて身に着けさせたんだね
恵美さん
うん。ばあちゃんじゃなかったらわたしはここまでしっかり霊的なものへの対応はできなかったと思う
聞けば聞くほど教育がしっかりとしてるおばあちゃんだよね
恵美さん
だねえ。中学くらいからはばあちゃんの仕事について行ったりしてた。そうやってステージアップしていった感じ
恵美さんはお兄さんみたいに、心霊スポットとかはいかなかったの?
恵美さん
一回兄貴に無理やり連れて行かれたことがあるんだけど
うん
恵美さん
私がいるとさ、霊的な現象が起こらないんだ
ナチュラルな魔よけ……
恵美さん
兄貴もそれだと面白くないから私は連れて行かれなくなった。当然その日は返ってきてからばあちゃんに投げ飛ばされたわ
まさに野生のプロだわ
恵美さん
今よりもずっと霊能者の存在自体が好かれてなかった時代を生きてきてるからね。どうやったら霊的な能力をもったまま普通の生活や学校にいけるかとかをばあちゃんはすごく大事にしてくれたよ。おかげで私は大学までの時間をかけてかなりのんびりと霊的なものへの対処法をじっくりと身に着けれたと思う。急いでも私はあまり身につかないしね
基礎をじっくりと仕上げたから今の恵美さんになったのね
恵美さん
だねえ。あとは私は無理に見えるものを隠さないようにしてるからKちゃんみたいに見えることに対して嫌悪しない人が友人として残ってくれてる。私はこれでよかったと思うよ。どこ行っても見えちゃうのは仕方ないからね
いいお店とかも恵美さんは見つけるの得意なのにねえ
恵美さん
霊的なものだけじゃなく、そういう部分にも能力って使えるからね。ただ、ギャンブルとかは徳をつぶしていくからギャンブルしたいなら能力は使うなっていうのもばあちゃんにはよく言われてたわ。じいちゃん(先代住職)はばあちゃん連れてパチンコに行くことがあったらしいんだけど、ばあちゃんは音や人の音、徳とかでパチンコ嫌いになったっていってた
おじいさんもそういう体質だったの?
恵美さん
いや、じいちゃんも親父タイプで見えないしわからない。ただ、ばあちゃんを連れて行くとあたりが出やすかったってのは親父から聞いた。で、ばあちゃんとそれで壮絶な夫婦喧嘩をよくやってたらしい
あのおばあちゃんの本気のケンカは怖いわ
恵美さん
うん。怖かったわ。なので、ギャンブルとかはあんまり好きじゃないね。身内で何かこう、お菓子をかけて何かしようくらいならいいんだけどカジノ的なギャンブルとかは私も苦手。競馬とかも場所によってはいろんなものが残ってるからできれば行きたくはないなあ。行っても券を買うとかはなくていい。馬みてかえってくるとかでいいわ。だからそういうのに興味のないKちゃんはすごく付き合いやすい
恵美さんが個性的なのはおばあちゃんの力もしっかりとあったことが分かってなんか納得したというか……おばあちゃんやご家族、大学の話は改めてじっくりと聞かせてもらってもいい?
恵美さん
あんまりおもしろくないとおもうけど、それでいいなら
十分面白いから大丈夫。そもそも恵美さん自体が面白い
恵美さん
そうかなあ
おもしろいわ。なかなかの希少種だと思う
恵美さん
だとしたらまたご飯でも食べながらあれこれ話せるようにしてみるね
今日は本当にありがとうございました
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