現代に蘇る陰陽師の仕事とは?

現代の陰陽師とは?

陰陽師というと映画や漫画などで知っている人も多いのではないでしょうか?
ですが実際に陰陽師がどんなことをしているのかを知る人は少ないかもしれません。
イメージが先行してしまうこともあり陰陽師はあまり馴染みがないという人も少なくないかと思います。
今回は現代の陰陽師として活動している紅葉さん(仮名)とコンタクトをとることに成功しインタビューをお願いすることができました。

目次

陰陽師の活動範囲は広い?その意外な仕事内容とは?

今回は陰陽師がどのようなものかをまずお伺いしたいのですが
紅葉さん
そうですね、自分の場合は主に土地の問題や方角でよくないことなどが起こる原因を見つけて解決につなげていくことなどが多いですね。あとはコロナ禍でのトラブルや癇癪もちのお子さんなどの癇癪を抑えてほしいなどもすごく増えてますね
意外と幅広い感じなんですね
紅葉さん
子供さんの癇癪に色んなものが関連していることがあって、いわゆる“疳の虫(かんのむし)”とよばれるものであることも増えてきてますね
疳の虫は言葉としては聞いたことがあるんですが実際にはどんなものなんですか?
紅葉さん
疳の虫は今でいうところのASDなどを持っている子供さんなどに原因がわからない、ASDやADHDに対しての効果や養育、療育などが中心だったと考えられてますね。今まではいうことを聞かなかったけども疳の虫が消えたことで療育に近い行動をとりやすくなるというのもあります
一種の暗示的なものもありますか?
紅葉さん
ですね。今度はちゃんと話が通じると思うことで養育などを放棄しない、一般的な常識を身につけさせる。少し落ち着きがない、多動の症例があっても子供さん本人も疳の虫が無くなったから我慢できると思えるようになる事で、今で言う所の治療に近いものはあったと思いますよ。実際に近年までそういった病名がなかっただけで症例を持った人はいましたからね
確かに。目に見えないものであり身体的なものでもないとなると霊的なものと考える人もでてきますよね。むしろその方がメインだったような感じもしますが……
紅葉さん
ですね。霊的なものがついているからこの子は行動がコントロールできないとなればでてくるのは私たちのような霊的なものをどうにかすることを生業にしている人間になりますからね。疳の虫というのは、どちらかというと軽度の症状になるので。もっと重篤であれば蛇や狐といったものになっていきます。ただ、すべてがそのような疾患だったわけではなく中には霊障を受けていたというのもあるんですよね

土地や家屋にまつわる陰陽師のスキル

ですよねえ……私も実際にどうこうというのはあまり詳しくはないんですけども狐憑きの能力で霊的なお仕事をしてる方も知ってますし、そういったことがないとは思えないので
紅葉さん
実際に自分もですけれども今でも疳の虫がいるようなんですと頼られるのは一種の親御さんが自分に対しての療育の気持ちを持ち直す行為だと思ってます。霊障の場合にはそれがなくなることで、通常の生活に戻れますし、疳の虫というのは民間の中で上手に育ってきた霊的行為だと思うんですよ
さまざまな言い方ややり方もありますよね
紅葉さん
ですね。最も身近な霊的行為の一つじゃないかと思います。陰陽師っていうと悪霊払いのイメージが強いですけども土着関連のほうが多いんですよね。その土地に根差した活動が多いので。地鎮祭や慰霊祭などもそれに入りますね。名づけの近いものなんかもたまにありますね。いわゆる二つ名というか影名というか
と、いいますと?
紅葉さん
私もなんですが紅葉はもちろん本名ではありません。これもスタンダードに読めば“もみじ”になりますが実際の私の読み方は“くれば”なんですよ。有名どころだと安倍晴明なんかも“はれあきら”“はるのあきら”というのが正式という話もあります。これは名前というものは非常に大事であり、相手に知られることで霊的なものや恨みなどを受けやすくなってしまう。なので簡単に読めないような名前にするんですよ
史とかいて“ちか”みたいな感じですか?
紅葉さん
ですね。全く関係のない言葉ではだめなので関連した言葉で読めないものを作るというものも依頼にはありますよ。慣例や習慣としてやってるというお家もこちらでは多いですからね。なのでそのような名前のお仕事なんかも陰陽師の仕事としてはあります。これは結構古くからあるので武士の幼名の名残とか神職の方の幼名などもあるのかもしれませんね
名前って大事なものだってよく聞きますね。あと、誕生日とか
紅葉さん
ですね。私もプロフォールなどには記載してないです。記載できない理由も書いているのでその辺に対しての不信がある人はふるい落とされるというか(笑)
(笑)
なぜ陰陽師をやろうと思われたんですか?
紅葉さん
実家がそういう存在を定期的に排出する家系なんですよね。それで家族とも話し合って、本業ではないですがやってみようということになったんです。さすがにこれだけで何とかしようとか自分も思ってないというか
今はいろんなジャンルで兼業の方が多いですからね
紅葉さん
ですねえ。なので兼業ですって最初に伝えちゃいますね
対面のほうが多いですか?遠隔というか電話やビデオ通話などを使ったほうが多いですか?
紅葉さん
どっちも同じくらいですね。対面しないと無理なものもありますし、そうじゃないものや遠方の方でしたら遠隔での対応の方が心身の負担が少ないなどもありますから
陰陽師の修行とかってどんなものなんですか?
紅葉さん
イメージとしては神職の方と霊能者の方の両方をやっていると思ってもらうといいかもしれません。お札などを書くことも多いのでそれらの勉強とかもありましたね。あとはわりと実戦が多いところに私は入門してしまったので
実践
紅葉さん
です。知識をある程度もったら実際の悪霊払いとかで自分の力がどこまであるのかなどの確認や、まだまだ勝てないランクがあること、実際に負けた際に自分にどのような霊障が起きるかなどを体験していく感じですね
怪我とかする奴ですよね
紅葉さん
怪我もしますけども原因不明の失神とか腕のしびれ、立てないとかそういうのも多いんですよ。実際のところ体に来るダメージの方が治癒とかもふくめて楽なんですよね。単純な痛みとか、腕が折れるとかそういった感じの。眠らせない、幻聴が取れないとかは本当に困りますね
スパルタですね……ミスした時の状態を先に体験するとそこに行かないようにするというか……
紅葉さん
ですね。あとは実際に自分がダメージを受けることで霊障を受けている方の状態を多少なりとも体験できるので早めの対処を考えられるようになりますね。時間がどれくらい必要なのか、依頼者がどれくらい耐えられるのかなどの計算もできるようになるので。体に毒を入れて体制をつける感じが近いかもしれませんね
実際に霊障を体験すると確かに相手の状態とかをより詳細に理解できるのはわかりますがハードですよね
紅葉さん
ですねえ。霊障で治った後は、更にその上の所に連れていかれるんですよ(笑)
毒のグレードアップ(笑)
紅葉さん
本当にそれなんですよね(笑)一気に強いものをあたってもわたしが壊されちゃうので師匠の配分はすごく的確だったと思いますよ(笑)後で本人からは“まだ生きてるな、大丈夫だ”って考えてたと言われましたが(笑)
(笑)
紅葉さん
そうやって鍛えてもらったので何とか形になった感じですね

陰陽師になるための修行と現代の仕事

お師匠さんも陰陽師なんですか?
紅葉さん
いえ、神職の方ですね。ただ、もともとすごく霊的な力の強い方なので地元では〇○様みたいな感じで呼ばれてはいました。神職よりも除霊的なものの方が多いとは言ってましたね。私も親戚から紹介されて3年ほど通わせていただきました
紅葉さんの自宅の近くだった感じですか?
紅葉さん
近くはないですが車で行けなくはないくらいですかね。毎日修行するというわけでもなかったので週末やまとまった休みの時などにお伺いしていく感じでした
なるほど
紅葉さん
ただ、陰陽師というものを育成したことはないので、できる範囲での修行しかできないけれども、という条件でしたけどもしっかりと教えてもらえたと思います。陰陽師という名前にはなりますけれども霊能者であることには間違いないですからね。あえて名乗らなくてもいいかもしれないんですけれども、差別化として陰陽師にしてる部分はあります。特殊に何かをやるかというものはないかと思ってます
いえいえ、陰陽師としての名乗りがあったから私もこうして紅葉さんとお話しできるのですごくありがたいです
紅葉さん
私も人づてでKさんのことを聞いて、お話したいと思っていたので。あまり回りに霊的なことのルポライターさんはいないというか
私も周りに同じようなジャンルで書いてる人っていないです(笑)
紅葉さん
ライターさん自体がいない事のほうが多いと思います(笑)
陰陽師としては現在でどれくらいの年数の活動になりますか?
紅葉さん
十年強なのでまだまだ若輩者です
十年でもそうなるんですか?
紅葉さん
長い人は本当に長いですから。そういった先輩方の経験とか対策を教えてもらう立場ですし。実際にそういった知識がないと私たちの世代では経験が足りな過ぎて何もできなくなってしまうのはありますからね
確かにそれは大きな感じはしますね
紅葉さん
実際に体験してみるとこんなに大変なのかと思う事のほうが多いんですよね。家系的なものでまったく知識がないとかではなかったんですが、こんなにハードなのかって思う事ばかりですね。いまでもまだわからない部分は師匠に相談しながら行動することもあります。専門学校とかがあるわけではないので……あったとしてもなれるかどうかは本当に資質よりも忍耐になってしまうので
忍耐はなんとなくわかります
紅葉さん
実際にたまに”自分も霊感があるので陰陽師になれますよね“とか言われることはあるんですよ。私なんかは普通の格好で除霊とか退魔にいくので簡単に見えやすいっていうのはあるんですが
動きやすい格好って大事ですよね
紅葉さん
そうなんですよね。どんなものが出てくるかは予想はしてるんですが、それ以上のものとかが出てくるときは、動きやすいが一番大事になりますから。唐衣に烏帽子のイメージが強すぎるらしく、ふらっとした感じでいくとがっかりされることも多いですね。もっとも、地鎮祭や慰霊祭の時は正装で行きますけれどもそれ以外だと動きやすさを重視します。特に子供さん関連の場合には警戒されないように普段着に近い状態でお邪魔しますし
お坊さんとかも普段は作務衣的な感じですしね
紅葉さん
ですねえ。それに近いです
映画や漫画のイメージはやっぱり強いですよね(笑)
紅葉さん
あとは霊能者ではなく陰陽師という響きからなんかいろいろと想像する人も多いですね。がっかりされることもあります(笑)
がっかりされる(笑)
紅葉さん
です(笑)こう……すごい美形とかそういったものを想像する方が多いのもありますね(笑)
実際に陰陽師という人とお話をするのは私も初めてです
紅葉さん
霊能者の方だと縁切りや縁結びなども入ってくるとは思うんですが私はそれらは取り扱ってないですね。土地や家屋の地鎮、慰霊などのほうに力を入れてます。土地などは吉凶があるんですが土地の吉凶のほかに家族の人との吉凶があるのでその二つをすり合わせていって凶を固定させそれに対する対策などを提案、実行になりますね。また家屋や土地などは三年ごとに凶を固定させる大将軍などもあるので、大将軍が南にいて玄関を南にしたい場合には本来ならば三年待たなければいけないというものがあるんですよ
大将軍は気になる人は本当にきになりますからね
紅葉さん
です。でも実際に三年待てる人っていうのはいないので大将軍を動かしてしまうか、玄関を一度東に作り、そののちに塞いで南に作り直すなどになるんですが大体は羽後確報を選ばれますね
ですよねえ
紅葉さん
大将軍もですけど八将神の遊行方位ってあるんですよ。その数日間は大将軍が仮に南にいるとしてもいなくなる期間になり、遊行方位が南東ならそこが大将軍のいる位置になります。その期間に水回りや玄関に当たる位置の工事を開始してしまえばいざ大将軍が本来の位置に戻っても不在期間にあったことなので手出しができないんですよ。この八将神は基本的に凶神なのでもっとも効力を受けたくない存在を避けるというのが大事になってきます。主だったところだと大将軍や金神(こんじん)などになりますね。太歳神などもありますがメジャーなところは大将軍ですね
移動させちゃうのはなかなかすごいですよね
紅葉さん
施工開始から一番近い遊行機関があればいいんですがない場合には人工的にその遊行機関を作ってしまうことで工事をはじめ、戻ってきた時にはその期間いなかったのでというものになりますね。お酒やらなんやらの供物は必要になりますが期間を待たなくていいのと、心理面の瑕疵がなくなりますからね。その移動の仕方とかは方位学とかをしっかりとやらせてもらってる分、陰陽師の得意分野だと思っています。この依頼は本当に多いので越境したりもありますし
年配の方のいるお家だとかなり気にする方は多いですよね
紅葉さん
ええ。その部分は陰陽師ですというと災害や大祭に関するものとして、すんなり受け入れてもらえるのはありがたいですね
移動は一回で終わる感じですか?
紅葉さん
一度おうちや土地を見させていただいて正確な方向を出し、設計図に照らし合わせることから私は始めることが多いですね。それで直近の遊行期間をだしていきます。地鎮祭も一緒に頼まれることが多いのでその打ち合わせなども含めて大将軍をどうするかも決めることが多いです。そういったところからほかのお宅でもという感じの紹介もありますね
地鎮祭から大将軍までどうにかしてもらえるというのは非常にありがたいですよね
紅葉さん
そういってもらえるとありがたいですね。方位学や易学などをメインにしていくので霊能者と名乗るにもちょっと違う感じではありますし。そういった土地に関することや土地神、土着神との吉凶の関係なども大体はなんとかできるので。その分恋愛事などは私の分野外になってしまうというのはありますが
差別化でいいとおもいます
紅葉さん
できないことはできないと伝えますし、未来視とかよりも天候の変化のほうなどが私は得意ですね。なので霊能者のイメージとは少し離れてしまう感じというか
ですねえ、こうやってお話を伺うと陰陽師としての区別になってると思います。私は霊能者の方や霊的な除霊などをする方のインタビューも多いんですが紅葉さんの場合は本当に“陰陽師”という存在だなって思います。こんな短時間でもそう思えるのですから其れはやっぱりすごいことだと思うんですが
紅葉さん
ありがとうございます(笑)今回も陰陽師という存在はそこまで特殊なものではなく、現代でもまだ存在していると思ってもらえればとも思ったのがきっかけでして
私もまさか陰陽師のかたにインタビューができるとは思ってもみなかったので本当にありがたいです。今後も定期的にお話をお伺いさせていただきたいです
紅葉さん
ぜひぜひ。本当にこういったことは縁ですし、タイミングいとか勢いもすごく大事なのでこちらからお声がけさせていただいたというか
陰陽師ってどんなものなんだろう?で私が最初に思い浮かんだのも映画や小説でしたので、実際にこうしてお話を聞いて驚くことがすごく多いです
紅葉さん
霊能者の活動を中心として陰陽師としている人もいます。どれが本当というわけではないんですが私のような陰陽師もいるので、全員が霊能者と同じ活動をしているわけではないと考えてもらえると嬉しいですね
土地ってどんなことをするんだろうと思ってたんですが大将軍関連というのはすごいなあと思います。私もあまりその辺は詳しくはないのですが太歳神とかは中国伝来みたいな感じではありますよね
紅葉さん
ですね。それが土地に根差すことで独自の変化をもたらしていき八将神という感じに仕上がっていったというか。一方では凶神や禍神とされる存在や忌まれる土地神などが追われていった土地で神として信仰を受けることで神格が上がっていくなどもありますし。それに伴って凶的なものではなく吉的なものに変わっていくなどもあるのでその環境での変化って大事なんですよね。それは今でも変わらないものだと思うので、大将軍などの扱いもきちんとすることで災厄や凶事だけではなく家自体に対する御加護を受けることにもつながりますからね。私にできることをできる範囲でやらせていただく、無理はしない、できることはしっかりと提示するということを意識してます。依頼をいただくのもご縁ですから
ぜひ今後もよろしくお願いいたします
紅葉さん
こちらこそよろしくお願いします

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

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