冥婚というと最初に思いつくのが台湾という人は少なくないのではないでしょうか?
多くのメディアで紹介され、映画などにもなった「赤い封筒」などは日本人でも知ってる人がいるかと思います。
赤い封筒は形式的なものとして一定時間をおいて回収されることも多いですが好奇心のある旅行者を狙うために置いているなどもないとは言えません。
また、台湾は古くから占いなどが日常的なこともあり霊的なものなどへのハードルが低いことから冥婚トラブルなども一定数存在しています。
今回はそのあたりを台湾在住の千鶴さんにインタビューさせていただきました。
こんにちは~冥婚の話をちょっとお伺いしたいんですけども
千鶴さん
どうも~。最近だと人間側から冥婚を持ち掛けて大やけどっていうのがありましたね
子供の口約束的なものです?
千鶴さん
いや、あほな大学生が好奇心で心霊スポットで”俺はお前と冥婚しに来た!!“て叫んでその声に対して”そうか。ならばそれを受けよう“って聞こえてその場で成立してしまって
すさまじいバカですね
千鶴さん
すさまじいバカですよ
どうなったんですか?
千鶴さん
まだ揉めてますねえ。相手からすれば向こうが言ってきたことなのにっていうのが本音ですし
ですねえ
千鶴さん
そもそもが、そんな心霊スポットにいるものに対して何をやってるんだって話になっちゃいますね。そこでやらかしてしまってこっちに何とかしてくれとか言われてもどうにもならないというか
ですねえ……自業自得というか
千鶴さん
そういったものの除霊とかは誰も受けないんですよね。なのでネットとかで助けてほしいみたいな書き込みとかもありますけどもあまり応じる人はいないですね。こっちもユーチューバーとかがそういった所でバカなことをしたりもあるんですが日本よりも霊的なものに対して身近であるぶん、粗雑に扱るとどうしてもあたりもきつくなりますね。特に冥婚文化があるぶんだけそういったことをいたずらに行うのはよくないというのはありますね
でもそうやってしまった場合にはどうしてるんですか?
千鶴さん
あきらめる人もいますけども、寺院とかで冥婚の解呪ができるまで修行させてもらったり守ってもらったりも多いですね。その場合は僧侶としての扱いになるので頭も丸めますし。坊主にすることと冥婚するのとどっちがいいってなればみんなあきらめて坊主にしますけどもね。冥婚関連は国内外合わせて年に数件話が来ますね
そちらだとやっぱり対応もシビアですよね
千鶴さん
文化の中に根差してるぶん根深いものがありますね。ただ小さい子をだまして冥婚させる親類とかもいるので、そういったものの時は霊能者が出ていく言ことが基本になりますね
どこでもそういった存在はいますよね
千鶴さん
心霊スポットでのそういうものって、はがそうとしてもはがせないんですよね。通常だと亡くなった側や亡くなった方のご家族が冥婚の準備をするんですが生きてる側からの求婚になってくると非があるのは生きてる側になってしまうので
ですねえ
千鶴さん
ただ、そういう状態のを無理やりはがしてしまうとメンタルの方にちょっと問題が起きてしまう人とかが多いというか。今までよりも音に対して敏感になってしまったり、不安や恐怖を感じやすくなってしまうのでそれよりは少し時間をかけても寺院で解呪してもらったほうが生きていくのにいいと思います。ただ……こう、相性って誰にでもあるわけで、ものすごくがっちりと魂レベルで合致してしまう場合もあるんですよ
わあ
千鶴さん
私も一度先生のお使いでその方にお会いしたんですが、その方が冥婚を申し込んだわけではなく、色んな事情でせざるを得なくなってというか。ただ途中からちゃんと向き合うようになり、しっかりとしたご夫婦に見えましたね。奥さんが亡霊の方になるんですがすごく穏やかな方で。旦那さんの方からも改めて奥さんに求婚をしたときに奥さんが生きてるうちにこんな幸せを体験することはなかったといったらしくて
純愛ですね
千鶴さん
そのかたもそういった霊的なことをお仕事にするようになり、奥さんの力も借りてるといってましたね。本当にうまくいく場合だとそんな感じにもなるとは思いますけどもほとんどはそうはならないですし
その場合ってやっぱり寿命とかは短くなるんですか?
千鶴さん
その方はなさそうな感じでしたね。おそらくは奥さんの方がそうならないようにしてるのはあると思います。亡霊や霊的なものではなく一人の女性としてちゃんとエスコートしてくれるとも話してくれましたからね
一人の女性として扱ってもらえるのはいいですよね
千鶴さん
冥婚する人って基本的にものすごく嫉妬深いんですよ。なので冥婚相手にほかの恋人とか異性が近づいてくるとよくないことを呼び寄せて遠ざけたり。
もっと極端だと人間関係すらも認めたくないという形で回りに誰も来れないようにすることもありますよ。そうやって孤立させて霊的な存在だけをよりどころになるようにするというか。その方もそういう経験はなさったそうですけども、その時に奥さんが“嫌になった?”と聞いたら“いやそうでもない”って返してくれたことで、そういったことはやめたらしいですね。ただ異性が近づいてくるとどうしても構えてしまう。私のような見習いとかだと話は別だけれども普通の女性や買い物とかでそうならないようにするのが大変だったみたいですね
もっと極端だと人間関係すらも認めたくないという形で回りに誰も来れないようにすることもありますよ。そうやって孤立させて霊的な存在だけをよりどころになるようにするというか。その方もそういう経験はなさったそうですけども、その時に奥さんが“嫌になった?”と聞いたら“いやそうでもない”って返してくれたことで、そういったことはやめたらしいですね。ただ異性が近づいてくるとどうしても構えてしまう。私のような見習いとかだと話は別だけれども普通の女性や買い物とかでそうならないようにするのが大変だったみたいですね
男性も女性もそうなるっては聞きますね冥婚
千鶴さん
冥婚ではないですけどもうちの先生の神様もそうですね。それこそアイドルとか絶対にどうにもならない相手だと大丈夫ですけども年齢とか関係なく中身を見てる部分が大きいというか。相手が人以外だといろんな要素が恋愛に付加されてる気はしますね。冥婚までは行かなくても霊的なものにものすごく好かれる人もいますし。でもそういう人ほど霊的なものが見えないというか
一方的に好かれている感じなんですかね?
千鶴さん
そうなってしまいますね。その人についてる守護霊的なものが、ものすごく遠ざけようとしたりもしてますし。私らもその辺は振れないで見ない振りしちゃいますね。あまりこっちから霊的なものは干渉しないようにしたほうがいいですし
千鶴さんが冥婚でみたトラブルでこれはひどいってのはありますか?
千鶴さん
封筒ですね。あれはほとんど形式的なものになっていて時間がたったら回収しちゃうんですけども中には本気の人もいますからね。どうにかして拾わせて中身をみさせようとするんですよね。封筒の中を見ることで冥婚の儀式になるので封筒をとっただけだとまだ見てないで逃げ切ることもできますし。ひどいと封筒の付近でわざと転ばせて封筒に手を触れるようにして冥婚を迫るなどもありますね。そういう場合だと冥婚をさせて亡くなった家族を少しでも現世にとどめておきたいという気持ちなんだとは思います
日本でも近年だと台湾からの輸入で冥婚はすごく広まりましたよね。日本の冥婚とは違った形の冥婚というか。それの土台としてシャレにならない怖い話や都市伝説などの5ちゃんねるからのものやホラーテラーなど、スマホをみんな持っているという状態から広がりもすごかったというか
千鶴さん
私もこっちにきてから知ったんですけどもシャレにならない怖い話とかこっちでも翻訳されてまとめられてるんですよ。日本のホラーって視覚的なものじゃなく精神にくるものが多いから台湾のホラーに通じるものがあって共感する部分と異国のホラーの一つなのでエンタメとしても楽しめる部分があるんですよ
そういわれると共通点はすごく多いですよね。台湾の文化や食事とかも日本でブームになりますし
千鶴さん
あとは同じアジア人で容姿も近いので想像した時に差異が少ないんでしょうね
でも日本の冥婚って全然違う感じのものですよね
千鶴さん
ですね。だから死者同士の結婚としての感覚とみてますね。こっちは同年代の死者同士の結婚も少ないのでそれがあるのかもしれません
なのでトラブルも起きる感じですかね
千鶴さん
ですねえ。ただ同じように中国の文化もあるのであちらの大陸から何かを連れてくるとかいう話もすごく多いですね。台湾ってすごくいろんな文化が混ざっているのがいい方向に行くときとそうじゃない時があるんで……まあ、動画サイトの発展で海外の
ユーチューバーとかがその冥婚関連でトラブルも起こしてますし。少し前にもアメリカ人なのかあ……封筒拾っちゃってこれはジョークだとか言ったんですけども置いた家は拾ったんだから冥婚してもらうってなってしまって。さすがにそこに司法を介入させるわけにも行かなくて間に入ったのがまあそういう感じの仕事の方にはなるんですが“拾ってしまったからには結婚しなければいけない。もしかしたらアメリカに連れて帰ったら払われるかもしれないけれども、どうなるかは何とも言えないので自分で責任を取ってほしい”って伝えたんですけども今すぐこの場で何とかしろと大分揉めちゃったんですよね
ユーチューバーとかがその冥婚関連でトラブルも起こしてますし。少し前にもアメリカ人なのかあ……封筒拾っちゃってこれはジョークだとか言ったんですけども置いた家は拾ったんだから冥婚してもらうってなってしまって。さすがにそこに司法を介入させるわけにも行かなくて間に入ったのがまあそういう感じの仕事の方にはなるんですが“拾ってしまったからには結婚しなければいけない。もしかしたらアメリカに連れて帰ったら払われるかもしれないけれども、どうなるかは何とも言えないので自分で責任を取ってほしい”って伝えたんですけども今すぐこの場で何とかしろと大分揉めちゃったんですよね
海外の人ってこう、本当にわからないことをしますよね
千鶴さん
赤い封筒を拾う旅行者で知らないとかならまだしも、撮影しながらだから明らかに分かってはいるんですよね。それがよくないというか……
撮影しながらじゃあ言い逃れできないですよね
千鶴さん
です。それを聞いた時に先生も“責任取るしかねえだろうなあ”って言ってるし神様もうなずいてるんですよ。そういう存在もそういう反応をするので……
ああ…………ですねえ……
千鶴さん
冥婚したままアメリカに帰国したと思うんですけどもその後どうなったとかは私らはわかりませんし、もともと私らも人に聞いた感じですからねえ。そうやって撮影とかしてるというのはよくないというか
怖いですね
千鶴さん
多分他にも色んなものが移ってるだろうとは思います。見える見えないは別ですけども。そういう人ってこっちの心霊スポットも多分回ってるかと思うのでいろんなものを持ち帰ってくれてると思いますね。帰国してからは何かできる距離もでもないので霊障とか出た場合には向こうの霊能者さんに何とかしてもらうしかないですけども
その場合の冥婚の解呪というか離婚とかはできるのかしらねえ……
千鶴さん
からかい半分での冥婚というのがだめですね。しかも、もう台湾から離れているというのはこの相手と冥婚を続けるしかないということでもあるんですよ。なのでああいう赤い封筒ってメジャーになってしまった分だけそういった面倒な人達がやってきて本来の意味で形だけでも冥婚をしようとした。でも相手はいなかったという条件を作ろうとした人の気持ちまでを踏んでいるんですよね
形だけでもやって相手はいなかったけども、っていうのを作るのも優しさですよね
千鶴さん
です。そうやって弔いの気持ち、若くして亡くなった親族への気持ちを動画撮影とか最高のショーを作るんだとか言われたら何が何でも冥婚してもらうってなりますし。まれにですけども亡くなられた方もどんな人が拾うんだろうって見てるときもありますからね。拾わなくても親族に聞こえなくても、気持ちだけで嬉しいから大丈夫だよ。ありがとうって伝えてたり。そういう気持ちを踏みにじる配信者というかユーチューバーっていうか……私は好きになれないですねえ
こっちでも冥婚用の絵馬とかに落書きをした配信者とかいますからね。神社の絵馬に落書きしたり、神社のお賽銭箱に不浄な行為をしたりとか。取れ高取れ高って言いますけどもまったく伸びない人ほどそういうのをするんですよね
千鶴さん
メジャーな心霊スポットじゃなく本当にやばい山とか森に行ってくれたら見直しますね。でもそういうのはしないで見た目だけの廃墟とかばっかりにいって破損とかさせてきますからね。でもそういう人ってすれ違うと色んなもの背負ってますね。色んな国で悪いことしてきたんだなあって感じますもの
悪いものを引き付けてる人っていますよねえやっぱり
千鶴さん
いますねえ。そういうのはどうにもできないです。もう体に染みついてるんですよ
冥婚という名前ですけども、亡くなった後の結婚ですもんね。生きてる者同士でも大変なのによりデリケートな気がします
千鶴さん
ですねえ。こっちでも文化の一つですけども、いまだに消えないっていうのは何でなのかを考えてほしいですよね。こっちの神様とかはそういう自分が悪い系にはものすごく厳しい部分があるので、自分で責任を取らせるというのもあって解呪の間に僧侶として過ごして今度はそんな事を、しないようにというのはありますね。もちろん解呪できなくてそのまま冥婚してしまったという人もいますし。そういう人ってもう半分冥界に足を入れちゃってるんですよね。いたずらってそういう結果になってしまうんですよ。冥婚相手と向き合うこともしない。もしかしたらしっかりと向き合って自分がやったことを真摯に心からお詫びすれば離縁できるかもしれない。でもそれすらしない。向き合おうとしないんですよ。見えないのは仕方なくてもそこにいるかもしれないって考えることはできるのに。どっちにもいい結果にならないんですよ
ですねえ……
千鶴さん
そうやって向き合うことで、もしかしたら冥婚ではあるけれども本当の夫婦になれる人もいるかもしれない。それは相手に対してもすごく失礼なんですよね。実際にうまくいってる夫婦も少ないですがいるわけですから
ある意味、守ってくれる存在にもなるでしょうしね
千鶴さん
しっかりと生きて。こちらに来たら私が面倒みるからって伴侶になってる人はみんな同じ感覚で考えてくださってますね。
何事も向き合うっていうのは大事ですよね
千鶴さん
冥婚させたいと思わせるくらいに大事にされてきたということを忘れがちなんですよね
うまくいく夫婦が増えていくといいですよねえ
千鶴さん
ですね。いっぱい生きて、死んでも不安はないから,私がいるからって常に言ってくれるから、死後の世界も悪いもんじゃないのかもしれませんね、とかお話聞くときはありますよ。そういう夫婦は霊的な仕事に対しても強いですし。そこに行きつくまでは確かに色んなことがあったとは思いますよ。それでもお互いに何度も向き合ってその形を作っていったというのは最終的にたまたまきっかけが冥婚だった、までになりますからね。私もそんなお話を聞くとなんかこう、あったかい気持ちになれるんですよね。先生も神様と結婚してるので
千鶴さんも続こう(笑)
千鶴さん
いや。いいです(笑)