異変と異臭が語る土地の霊障

陰陽師の霊視と除霊2
AさんとBさんとはそのあとにどんなやりとりをなさったんですか?
紅葉さん
Bさんが私の県に仕事でいらっしゃる予定がその後に入ったのでAさんも一緒に来ていただいてお話をすることになったんです。メインで行動するのが多分この三人になるというのもあったのと、Bさんも県外に脱出していますし
ええ
紅葉さん
それで駅近くに宿をとっているという事だったのでその近くにあるお店で顔合わせをすることになりまして
はい
目次

陰陽師が霊視「実家に漂う不気味な違和感」

紅葉さん
三人で対面して、Aさんも概要をBさんに伝えていてくれたので話をするのもスムーズでしたね。BさんもAさんからの話を聞いてから独自に資料を集めてくれていたんですよ
すごくいい感じの連結ができてますね
紅葉さん
ここまでスムーズなのはなかなかないです。でも同じくらいに重く現状を受け止めていてくれてるのも感じましたね。ただ、Bさんも実家の事はおかしいというのを早くから感じていたらしく
ええ
紅葉さん
BさんはAさんよりも霊的な能力が強かったらしく、家の中にやけに虫がいるというのはあったらしいんですよ。お茶とかも自分で作ったものをボトルに入れて飲むことで対策して親にはお茶は好きじゃないから自分で作るといってごまかしてたそうです
実家の食事ってどうやって、かわすかもありますよね。断れない部分とかも多いですし
紅葉さん
ですね。それで部活や塾でコンビニや外食を中心にして、できるだけ外で食べるようにして、進学は絶対に県外にしないと体がもたないという考えに早くからなったみたいですね
あらら
紅葉さん
塾や部活の合宿も積極的にうけてたのも実家にいる時間を減らしたいというのが本音だったらしくその力で推薦をもらうまでなったらしく……Bさんは家にいる時間を減らせて進学もできることが、ありがたいと笑顔で脱出したみたいですよ。新居にも早くなじみたいからと早めに引っ越してしまったそうで
Aさんに近い感じですね
紅葉さん
ですね。新居にこしてから部屋がやけにいい匂いだと感じるようになったのと、自炊することで食事も楽しめるようになったそうで
ご飯がおいしくないと本当につらいですよね
紅葉さん
Kさんは食事をかなり重視しますからね。今もすごくつらいというのがものすごく見えました(笑)
透視できるひとってずるいなあ(笑)
紅葉さん
毎回はっきりじゃないですよ(笑)でも今のは見えました(笑)
Bさんのも見えた感じですか?
紅葉さん
ですね。Bさんはすごく見えやすかったので新居の状態や部屋の中とかも大体が見えました。で、Bさんがそこでキンモクセイのデュフューザーを使っていて、凄く安らぐというのがわかったんですよね
デュフューザーはなんかいいですよね。私みたいなうっかりものだとお香とかは焚いたまま忘れちゃうので最近はさすタイプのスティックのに切り替えました
紅葉さん
香りというのはすごく大事なものでもあって不要なものを落とすのにも使えるんですよ。Kさんはミントとラヴェンダーとレモンですよね。それはKさんの精神を一番落ち着かせることもですけども、実家にもセージとかありますよね?同じように、なれた臭いを求めることもあるんですよ
たしかにミントはペットボトルプラントで購入するくらいには、すきですね。猫がいるのでそこまで頻繁に焚かないですけども。ラヴェンダーも好きなにおいなのでその辺を楽しんでます
紅葉さん
でも、Aさんたちの実家にはキンモクセイはなかったんですよ。だと、どこでキンモクセイのにおいの記憶が生まれたのかになるんです
ああ、そういう所がでてくるんですね!!びっくりしますね
紅葉さん
それでAさんにも実際にキンモクセイの香りをかいでもらって。やはりすごく落ち着くし、初めてかぐけれどもものすごく全身の力が抜けていく、と
リラックスって確かにしますけども、そこまで脱力ってすごいですよね
紅葉さん
そうなんですよ。なので、可能性としてはAさんやBさんに染みついている実家の残滓が落ちている効果というものを考えたんです。もしこの仮説があってるならキンモクセイの香りが関連していることと、その香りを使って事態をいい方向に持ち込める可能性もあったんです
ええ
紅葉さん
でも同時に私たちは最悪の事態も想定する必要があるんです。キンモクセイの香りが虫に関連するものなのかもしれない。どちらも一緒に想定して対策していくことも陰陽師ですから。派手な術式ではなく堅実に攻めていく。それが本来の陰陽師だと私は教えられてきましたので
こちらが常に優位ということはないというのも大事ですよね
紅葉さん
です。なのでAさんとBさんにキンモクセイに関連することが実家に無いかを探していただいて私のほうに送ってもらうことにしたんです
しかし、二人とも脱出できたのはよかったですよね
紅葉さん
ですね。二人とも逃げられる状態だったのは大きいですね。逃げられない環境がご両親と御爺様ですから
ですよね……
紅葉さん
Bさんが私との対面の前に御爺様は一時避難として入院措置を取ってきてくださったので御爺様が媒体になって虫を生んでいるという状態であれば何らかの改善が出てくるという条件は作ってくださいました。ご両親の変化などもあればこちらに連絡をしてもらえることにもなりましたし
ええ
紅葉さん
それでBさんが、実家から離れてからいい匂いという感覚がわかってきたというんですよ。日常的にかぐことで臭いって人はなれてしまいます。それが離れたことで実家の臭いに対しての気付きがあった。臭いの発生源が土地なのか土地に封じてる何かなのか、封じたものが漏れ出てしまったのかという様々な可能性が出てくるんです
そうなりますよね
紅葉さん
私は意識的に臭いの部分を押さえてしまったのでBさんにどんな臭いなのかを聞いていったんですが、生臭い、血の臭いではなく埃っぽい、生ごみの腐った臭いという言葉になったんですね。ということは土地の中に封じてるものかな、と
なんとなく臭いが想像できますね
紅葉さん
血の臭いがないというのは幸いでした。血の臭いの場合には強めの肉食、もしくは御爺様の中を食い始めている、成虫になろうとしている、ということが想定になってしまうので。Bさんもこちらに対しての信頼を持っていてくれたので非常に話もしやすかったのも幸いしましたね
しかし、そんな家の中で暮らせるもんなんですね……
紅葉さん
感じない人って全く感じないんですよ。さらに御爺様が宿主になってるので基本的にはご両親に行く数は減るんです。おそらくは少し弱っていた御爺様が一番狙いやすかったんでしょう。逆に成長期のAさんやBさんに対してはそこまで大きな力を出すことができなかった。その辺も大きな部分ですね
しかし……そういうトラブルの対処とかになると大変ですよね
紅葉さん
根本は土地トラブルですからね。霊障があるという部分が重なってるのでどっちも同時に何とかしなければいけないというか
ですねえ

陰陽師が霊視「家中に現れる虫の不吉な兆候」

Aさんたちとは、その後どうなったんですか?
紅葉さん
除霊実行予定日の前に、一度三人で実家の方に行くことになりました。解散してから数日後にBさんから御爺様の容態が入ったんですけども実家にいた時よりも回復してるらしく食事とかも大分とれるようになったそうです
はい
紅葉さん
それでキンモクセイの枝をもっていってみませんか?とBさんにお願いしてみたんです
ええ
紅葉さん
もしこれで御爺様がキンモクセイに拒否を感じたならば御爺様とキンモクセイの関連を考える必要が出てきます
といいますと
紅葉さん
もしも御爺様に何らかの原因や瑕疵があるならキンモクセイはそれをあぶりだします。逆ならばキンモクセイで中にあるものを吐き出すことにもつながってくれるかと考えました
Bさんは……
紅葉さん
Aさんに連絡をして御爺様のところにキンモクセイをもっていってもらって看護師さんに日々の様子を聞くようにしてくれました。その結果、キンモクセイの香りに対して懐かしいという言葉が出るようになったこと、受け答えがしっかりとしてきたことなどの改善症状がでてきたんですよ。つまり虫はキンモクセイを苦手としているという仮説になったという感じです
本体は虫なんですか?
紅葉さん
そこなんですよね。古地図と間取りのほかに、Aさんの地元の風習や風俗を調べていくと本当に昔……明治と江戸の境あたりとかなんですがAさんの地元ってものすごく厳しい土地だったんですよ。その中で生きていくために養蚕を始める人が出てきてそれで安定した収入に繋がっていった反面、養蚕って確実に虫の命を奪っていく産業なんですよね
昔私も養蚕してるお家を見たことがあるんですけども、目の粗い大きな薄いざるみたいのに繭を載せてて。それだけでも私は無理でした。石ひっくりかえしたときにたまにみつやつのでかいやつにみえちゃって……
紅葉さん
その前段階だと本当に虫ですからね(笑)で、その養蚕してる人たちは虫の死骸を最初は適当に捨ててたんですが数が膨大になってきた。それで一か所に虫塚のように供養塔を作りそこに捨てるようになったんですね。養蚕で蚕が生き残ることはないですからね。畜産なんかもそうですけども命を使う仕事って人の心を削ってしまうんですよ。屠畜ができる人がすごく少ないのもそういう部分が多少はあると思いますよ。命を使う仕事は本当に大変だと思います。私は命の記憶をたどることがあっても直接の命を奪うという仕事ではないので……それでも生前の記憶や生前の恨みとかは触れると具合悪くなりやすいですね。なんというか……それこそ心が削られていく。ある程度の理屈のわかる現代でもそうなんですからその理屈がわからなく本能と見たものだけで判断する平安や鎌倉の陰陽道の先駆者たちはどう感じただろうってたまに思いますね
現代って理屈がわかってるから、いい部分とその理屈を盾にしてくる人、理屈と感情の折り合いのつかない人が多くなってきてますよね
紅葉さん
です。そういう人を相手にしても揺るがないのも大事ですからね
蚕だと虫塚、慰霊塔とかになるんですかね?
紅葉さん
ですね。その慰霊塔があった場所が
Aさんのおうち、ですか……
紅葉さん
です。養蚕業をその地域一帯でやればそれは膨大な数の蚕の死骸を見ることになります。シーズンになれば目を閉じても見えるくらいになる数でしょうね
私には耐えられない空間ですね……
紅葉さん
そういった虫の死骸を慰霊塔、供養塔という場所に捨て集めていく。養蚕は毎年やっていくものだから翌年には大分土に還ってる。それでも数が集まれば虫の中にも強いものはでてくるんです。その強い虫が死の間際に何かを得てしまうということも、膨大な数になれば小数点の確率でもでてきてしまう。そのうちにその虫は他の虫の死骸を食らって育っていく
私のアースジェットの出番かもしれない……
紅葉さん
基本的にはその考えですよ。きちんとした封をしなかったその土地の住人、供養をしなかった住人のつけがAさんたちに来てしまったので。これでだいたいの、流れはわかったんですよ。AさんたちはAさんのご両親たちがあの土地に、家屋つきというかモデルルーム的なところに入ったという感じですね。なのでその土地の人間ではないので影響を受けてしまったのかと、この時点で考えました。地元の人が其処にすまないで売りに出すというのはそれなりに理由があると考えて行くのも大事ですし
たしかにありますね。ただ、私の住んでいる所でも他県から引っ越してくる人用の開拓区域が結構でてるんです
紅葉さん
ですね。Aさんの地元もそうやって県外からの方の誘致をしてました。その中に紛れて忌み地を販売した。地元の人間にしかできない方法ですよね
重たいですね
紅葉さん
これでAさんの実家を正常化する仮説もできたので
Aさんのご両親は何も感じなかったんですかね?
紅葉さん
気のせいで片付けられる体質だったのかもしれませんね。実際にAさんたちと実家に再訪させていただいたときにも驚いてました。当時でもすごく安い金額で売りに出されていて事故物件化と思ったといってましたから。まあ事故物件ですけども
知ってたらあまり入らないですよね
紅葉さん
それで、ご両親とAさんと土地の除霊、地鎮、慰霊を行うという話をできることまで進んだんですね。ご両親も快諾してくれましたね
ええ
紅葉さん
でも、近所の方がAさんの両親からその話を聞いて反対したらしくてね。まあ、自分達に色んなものが返ってくる可能性が出てくるとなればそれは仕方ないでしょう。スペープゴートとしての役目をAさんの家で担ってる状態ですし
わああ
紅葉さん
自分たちだけで利益を独占しちゃいけませんよ。それに私はきちんとした報酬を戴いてAさんの家の霊障を消すための準備をしてましたし。言い換えればAさんの家のことならば話は聞きますが周りがなにを言おうとも私には聞く義務はないので
しったこっちゃないですよね
紅葉さん
です(笑)
言うならばきちんとした報酬と対価が必要ですよ
紅葉さん
なので雑音は気にしないでほしいことを伝えましたね

陰陽師が解説「キンモクセイからみる実家の謎」

キンモクセイはご両親はどうだったんですか?
紅葉さん
引っ越してきたときにはまだ御婆様もご存命で、キンモクセイを植えていたらしんですよね。ですがご近所から苦情というか言いがかりが入って切ることになってしまったらしく。そのあとに御婆様は体調を崩されて亡くなられてしまったとのことでした
ああ……
紅葉さん
Bさんにいただいた家系図とかを見ながら少し透視とかもした所、御婆様の家系が拝みや系でしたね。ですが御婆様の代では、もうそういったことはしなかったことや、一子相伝というか口伝系だったらしく御婆様はまったく教わらなかったみたいですね。でも、御婆様の家の能力というか……スキルブースターみたいなものなんですかね。キンモクセイはそういった役割になっていたので無意識に植えられて異変などを押さえていたんでしょう。でもそうすれば異変は近隣のどこかに出てしまう可能性がある。おそらく出ていたんでしょう。それではあの土地を売った意味がない
あー……
紅葉さん
でもそれも私への依頼内容には入ってませんから。Aさんの実家のことはしっかりと対処しますがその結果近隣になにが起きようとも
しったこっちゃない
紅葉さん
です。慈善事業じゃないですから。古来の陰陽師もしっかりと報酬や給料をもらって活動してますから。同じように他の霊能者なり陰陽師に依頼するしかないですよね。私は先に来た依頼を優先するので
なかなか見つけるのも大変ですよね
紅葉さん
Aさんも大変な思いをして私に依頼をしてくれたんですから。同じように頑張ってもらうか、あきらめてもらうかにしかならないですよね
ですよねえ
紅葉さん
Kさんも私にたどり着くまで色々ありましたからね。同じように必要ならばたどり着けますし、誰かが助けてくれることもあるでしょう。その人にあった霊能者を見つけられるようにするしかないですよ
陰陽師ってなると全国でも結構珍しいんじゃないですか?
紅葉さん
どうなんでしょうねえ。私の師事したかたも兼業陰陽師みたいなものですし。土地関連に強い霊能者でやってることが、ほぼ陰陽師という人もいますからね。私は土地に関するこういうトラブルと対処できる霊障ならば受けますけども、できないものは受けない。それくらいですよ(笑)
紅葉さん、そのへんさらっといいますよね
紅葉さん
土地や方位学を使いながらが基本ですけども、それをタブレットに落とし込んでいるのを私の実家でやってると“時代も変わったものねエ”って言われますよ。方位学や命数とかはぶっちゃけ膨大な数のデータがあるからある程度の精度があるわけですし
データ化してタブレットに入れてるというのはあんまり聞いたことがないですね
紅葉さん
これが安倍晴明の時代であれば書面に落としてるんでしょうけども、同じことをタブレットでやってるだけなんですけどもね。紙とペンを無駄にしなくていいと私は思ってます(笑)
拡大とかも簡単にできますしね
紅葉さん
です。説明するにもファイルわけもできるし、プライベートと分けることもできる。こんなに便利なものはないですよね
ものすごい説得力ですよね
紅葉さん
プライベートはしっかりと確保しないと本当にやっていけないんですよね。なのでAさんもBさんもそのあたりは納得してくださって音声通話アプリとメッセージアプリを、がんがんつかって連絡を取らせてもらいました
まさに進化する現代の陰陽師ですよね。本当に紅葉さんと知り合えてこうしてお話しできるのがうれしいです
紅葉さん
そういってもらえると私も嬉しいです。今後ともよろしくお願いします
こちらこそです。よろしくお願いいたします

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

コメントをする
通知する
guest

0 これまでのコメント
Inline Feedbacks
View all comments
目次