目次
悪霊の中身
休憩させていただいたので続きをお願いいたします
恵子さん
地獄の何かというものになってしまうと、こちらからは基本的には手出しはしないほうがいいのよ。それを踏まえて話をさせてもらったんだけども
はい
恵子さん
相手の方がね、もう誰に助けてもらえるんでしょうねって言うのよ
※ここでは便宜上相談者さんをDさんとさせていただきます。
Dさんの気持ちはすごいわかりますけどもどうにもならないですよね
恵子さん
なのでDさんにあなたに憑いてるものが何かのかを知ってるのか?って聞いたのよ
ええ
恵子さん
はっきりとは分かりませんがとてもよくないものだとは
すごくこう、ぼかしてるのはわかります
恵子さん
なので、あなたについているものは地獄の存在ですって伝えたわ
その時点で恵子さんは何が見えてましたか?
恵子さん
幸いにして私にはまだ一つ目のものが見えてなかったのよ。さすがに声をあげずにいられる自信がなかったからよかったと思ったわね
私がお手伝いするときじゃなくてよかったです。真剣にそう思います
恵子さん
私もまだその時は今よりも若かったから好奇心があったのよ。でもねえ、本当に怖いものて避けるべきだと改めて思わせられたわね。ごくまれにだけども異国の神様を連れて歩いてる人やそういう霊障を受けてる人はいるけども、地獄の住人からの呪いなんて人間にどうこうできるものでもない。そういうものがあなたに憑いてるって言われて心が保てる人もいないわよね
……………………
恵子さん
翌日もまだ滞在してるのは聞いてたから、その日は一度私も帰らせてもらったのね
滞在するにしてもそういう人って旅行みたいのをしても大丈夫なんですか?
恵子さん
旅行中は大丈夫でしょうね。旅行から帰ろうとしたときに乗る予定だった飛行機が墜落して自分は無事だったとか、通学に使っていた電車に乗り遅れていたら電車が事故を起こしたとかね。助かったというよりも死ぬことを何が何でも回避させてくるって感じにはなってくるでしょうね。そうやっているだけで、その場に存在してるだけで周りを不幸にする。その人が来ると事故やケガがおきてしまう。そうなってしまうと周りも何となく気が付いてくるのよ。もしかして、この人ってそういうものって思い始めるでしょ?
それまで親しかった人が離れていく、じわじわと悲しい気持ちになる。そういうものをつくって喜ぶ存在もいるのよ
それまで親しかった人が離れていく、じわじわと悲しい気持ちになる。そういうものをつくって喜ぶ存在もいるのよ
誰もいなくなりますよね……
恵子さん
それでもね、どうにか結婚できるように運命をねじ負けるのよ。次の代への呪いを繋げるし、子供が健常で生まれ来る可能性はほぼない。そういう希望を持たせてすべてを打ち砕いていく。そういう環境をずっと作っていく。結婚した後も伴侶に病や災いがふりかかる。自分はぎりぎりの所で無事でいてしまう。これがこの先も一族の血が強いほどに引き継がれるのよ
何代か進んでいって血が薄まったら呪いも薄まるんですかね?
恵子さん
難しい気はするわね。わずかでも血が残っているのが呪いの条件になってる感じもあるのよね。本当に一族が根絶やしになるしかないというか……そのためには出家するか人を寄せ付けない山奥や孤島に住むしないというかね。どうやっても普通の幸せをうばってやろという悪意しかないのよ
色々と無理なものは無理ですよね
恵子さん
それに慣れることができる人間っていないと思うのよ
ですねえ……
来訪
恵子さん
その夜の事だったんだけどもね
はい
恵子さん
家にもきたのよ
あえて何がとは聞きません
恵子さん
ここは私の方が優位に出れるんだけどもあえて敵陣に来ても負けることがないっていう自信があるんでしょうね。実際に私が勝ち負けでの決着をつけるならばどっちになるか断言できないもの。言えるのは、私はその存在に手出しはしないということくらい
来訪者は何をしに来たんですか?
恵子さん
あえて言うなら私を観察しに来たという感じかしらね。最初からやりあう気はない、それでも顔は見にきた。私が好奇心であちらに向かったようにあちらも好奇心で来訪したというのが正しいかもしれないわね
いやな好奇心ですね
恵子さん
それでも扉一枚隔てての対面なのよ
扉。なんで開けないんですか?
恵子さん
開ければ私がやられるのはあったわね。それでも好奇心で踏み込んでくるか、こちらがこらえて距離をもったままでいるかを試してるのもあったでしょうし
なにか……話したりしたんですか?
恵子さん
すこしね。最初にこっちが払う気はないこと。もう一度対面する予定はあるがこちらに危険が及ぶような事はしたくないこと。今回話をきいたのは純粋な好奇心であり、今同じようにその好奇心に負けたらこんどは私も無事ではないことは理解しているのでとびらを開けるきはないこと。そんなことを伝えたわね
……………………
恵子さん
そうしたらそれは私にいったのよね。どこまで分かっているのか?って。だから答えたわよ”地獄の住人に勝てる人間はいない”って。それに満足したんでしょうね。扉を隔ててそこに入るけどもさっきまでの恐怖心や嫌な汗は出なくなったわ
わあ…………
恵子さん
それはDさんの血が入る者、Dさんに味方するものすべてに害を及ぼすことがすべてでありDさんの一族が絶えないようにしていると言ってきたわ。例外としてDさんの一族のすべてが出家したりすればそれはもうこっちの負けにはなるが人間が無欲に近い生活ができるとは思わない。一人二人出家したところで全体の数に影響はない。今後もこの気持ちが変わることはないって。だから聞いてみたのよ。最初に約束を反故にされなかったらどうしていたのか?と
ええ・・・・・・
恵子さん
答えは”子供を娶るか、餌にするかはしたがそれ以上の干渉はなかった。子供は増やせる”と。だから一つ目の子供はどうなりましたか?ときいたら”地獄においてある”って
もう嫌な話過ぎますねえ…………
恵子さん
私の部屋には八角がおいてあるからにおいの変化とかもあるんだけどもそれをこえて八角が腐るほどだからやりあわないのが正解だったのよね
ええ
恵子さん
今度はあちらから”俺は勝てない相手に意地や美徳で挑むやつが好かない。一線を敷いて弱さを認めるやつには、こちらもそれを認めて対峙する”って言われたわ。私は勝てない勝負はもちろんだけども、命をかけるようなことは家族や恩人以外にはしない。今後もかかわる気はないし、地獄の住人と取引をする気もない。Dさんたちは今後どうなろうとも聞こえなくていい。今回はほんとに頼まれただけであって実力に見合わない相手とやりあうのはないと断言したら、”それでいい。正しい判断だ。俺の中には坊主の恨みもある。坊主をたてるならばお前のような考えの人間には手出しをしない”っていうのもなかなか化け物としては言えないと思うの
なんというか礼儀ただしい非道な感じがしますね
恵子さん
人じゃない存在ってまずは敬意をもって接することで一定のラインを引いてくれるのよね。それは善性悪性関係がなく。Dさんのご先祖は約束を破った。それは敬意をもってないことと、相手の顔に泥を塗るよりもひどいことだったんでしょう
最初に子供を渡していれば何も起きなかったんでしょうね
恵子さん
おそらくはその子供が育った時に富や名声もくれたでしょうね。あの化け物は最初にDさんのご先祖を信用した。それを裏切ったのは紛れもなくDさんのご先祖。今更になってしまうわね
…………
恵子さん
すごく長い時間話したような気もするけどもあとで時計をみたら3分程度だったの。それくらいのプレッシャーがあったのよ。あんなの誰でも断って当然だし霊能者だったら、関わりたくないのも仕方ないわね。去り際にそれは”あいつらにこの話をしてもいい”っていったのよ。伝えるかどうかは私の判断になるけれども
伝えたんですか?
恵子さん
掻い摘んでね。Dさんは他の人にも言われたらしくうなだれてたわ。いつもなら私も榊なり八角なり渡せるんだけどもこの人には渡していけない、縁を持ってはいけないって思ったわ。うちの神様に相談しても同じ答えだったもの
神様なら地獄のなにかでもなんとかなるんじゃないんでしょうか?
恵子さん
フルパワーでいけばなんとかんるでしょうね。でも今度は神様が地獄の何かになってしまう。それはあってはいけないこと。誰が対処しても地獄にいくものが入れ替わる事になってしまう
八方ふさがりですね……
恵子さん
それいらいDさんとはあってないわね。もともと距離は離れてるから接触とかはないんだけども。その後の話を聞くこともないし
下手な階段よりも嫌な話ですね
恵子さん
そうなのよ。どうにもならない呪いってあるのよ。できない約束はしない踏み込んではいけないところには踏み込まない。どうしてもやってしまった場合にはひたすら謝り倒す謝ったところで何も変わらないって思うかもしれないけども、誠意を見せるのは大事なのよ。誠意はそのまま敬意になる。敬意ってものは本当に大事
ためになりますね。しかし野次馬としてはDさんの今後は気になりますが……
恵子さん
Dさんは今後も周りを不幸にしながら生きていくし、Dさんのお子さんはいい方向にはいかない。あれがこの家から消えてもしばらくは八角を出しても臭いがしないしいつもよりも早く腐ってしまっていた。それだけ残り香でも影響を出せるような存在には触れないほうが良いのよ。あきらめたくはない。でもそれとは別に本物の怖いものをしってしまうとね。私の怖い話っていうとこういうものになるわねえ……消滅できるものやできなくても、まだなんとか対等に渡り合えるものはいい方なのよ。そうではなく地獄という人がもっともいってはいけない場所の住人とは関わってはいけないのよ
……私は怖いところが苦手なので一ミリも近づきたくないですね
恵子さん
もし、Kちゃんが誰か大事な人がいてその人のために自分の子供を対価に渡せといわれたらどうする?子供はまた望めばいいって言われたら
どうしますかね……あきらめるかもしれません。それまでだったと思うかもしれないですし、私が仮に悪魔や悪霊を呼び出してしまったとしてもそれを伝えて牛タン1キロを買ってくるから、そのあたりの生肉で手を打ってもらえないか言うかもしれません。穏便に帰ってもらいたいけども私が呼び出してるならそれくらいはしますかね。がんばってハツとかレバーとかをお肉屋さんにお願いするのでお帰りいただく方向じゃだめですかね?っていうかもしれません
恵子さん
Kちゃんの方法だとおそらくあの化け物も”莫迦な人間だ”っていって全部ではなくても部分的に願いはかなえてくれるでしょうね。そうやってどうにかして穏便に帰ってもらおうとするのも相手に対しての恐怖を持っている、敬意を持ってることの現れだからね
帰ってくれますかね……?
恵子さん
化け物っていうのはね、情があるのよ。その情に対して情や気持ちで答えれば同じようにその対価分の願いはかなえてくれる。顕著なのは神様とかになるわね。寄付金で社が新しくなれば寄付した人に対する対価を神様がくれる。そういうものよ。金銭が難しいなら掃除でもいいだろうし、気が向いたときに参拝することでも立派な対価になるわよ。人ならざる存在というのは基本的にそういうものなのよ。同時に裏切りにはとても厳しいし、威厳を傷つけるものにも厳しい。Dさんのご先祖はそういった部分も壊してしまったのよね
……
……
いつか解放されないんですかね……
恵子さん
地獄の住人に寿命があればいいんだけれどもね。まったくないわけではね……でも気が遠くなるほどの時間が必要になる。今子孫がどれだけ礼を尽くして詫びても効果は薄いだろうし……いつか、とかの希望を持つことも厳しい
怖い話ですね……
恵子さん
自分が勝てないと思う相手は何回かあったけども、地獄に関連した存在はあれだけだったわね。禁足地のあれはまだ安全度はあった。逃げることもできた。でも地獄のものからは逃げられない
そこそこいるんでしょうかね、Dさんみたいな方
恵子さん
地獄の神様とか異国の神様に愛された人とかはいるわね。でも愛情というものと憎しみや恨みは別物なのよね。あきらめてくれと言われてできるものではないだろうけども、ようやっても救えないってものは確かにあるのよ。ただDさんくらい顕著なのはないわねえ
そこまでというのはなかなかいというのは安心できますけども、地獄に関連する存在って結構まだ今でもバッティングすることってあるんですか?
恵子さん
あるわよ。普通に。でも普通に生きてればそういうものには出会うことはほとんどないのよ。ただ……海外っていうのはこちらの許容行為がNGになったりするし、いきなり一目惚れされて地獄に引き込もうとしてくるとかもあるからね。神様っていうのは神域にいると思われがちだけども自然にもいるし、天国にも地獄にもいるのよ。台湾や東南アジア、中国なんかだと地獄に住む神様なんかも書物に書かれてることは多いわね。日本だとそこまで書かれてることは少ないから苦しむ世界というメージだけども中国とかは幽冥教主とかも浸透してるし
たしかに文化の違いは大きいですね
恵子さん
西洋だと堕天した天使や神が地獄や冥府にいるっていうのは割とメジャーなのよ。神話とかにも展開に住む神と冥府や地獄に住む神とか
日本でもゲームの影響で地獄の女盟主とか冥府の女神とかが浸透しては来てますね
恵子さん
そういったものがなぜ生まれてきたのかを考えればおかしなことはしないと思うのよ。何だってもとになる話があってのことだからね
ですねえ……
恵子さん
お地蔵さまだって神様の区分になるし日本だってどこにでも神様はいる。だからこそ目に余るような行為はしちゃいけないっていうのを”罰が当たる”って言葉で教えられてきたんじゃない?
確かにありましたね、枝とかを傷つけると来年実がならないように、神様がいるから枝を大事にしろとか
恵子さん
子供でも分かる説明になるのよ。神様っていう存在は。それくらい本来日本人は神様が身近な種族なのよ本来。気を付けて生きていくというよりもそれくらい神様が万物にいるのだから危険なことはしない、人の嫌がることはしないというのが大事なのよ
しかし、本当にどうにもできない方の話をきくと何とも言えない気分に
恵子さん
自分がしでかしたことが自分の代で終わるとは限らない。子供に報復する人もいる。人じゃない存在もそういうことがある、むしろ多いと考えておくといいわね
今日は本当にありがとうございました
恵子さん
また長距離移動をおねがいすることになるけどもよろしくね
はい。安全が確保できるなら大丈夫です
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