家などを建てる際に地鎮祭をしてからというのは古くからの習わしの一つです。 ですがこれはすでに整地されていることが第一前提になっており、まだ荒れ地のままの状態の土地の場合には地鎮祭の前の段階としての土地の浄化などが必要になってきます。 今回は土地の浄化を請け負った恵美さんのお手伝いとして実際の浄化を体験させていただきました。
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地鎮祭の準備を請け負う 土地の浄化のために焚き火を
私の知っている地鎮祭のイメージから少し離れていくんですが
その前段階のやつだな。地鎮祭って土地の細かなものを、どかしたりはできるけども、根っこや整地になる状態にはあんまりできないんだよ。最初に地ならしというかそういう感じでやっておかないと、いざ、やった時によくない方向に行ってしまって、それをどうにかしてほしいとかはすごく大変だからね。なんというか、いきなりイノシシと戦うみたいな状態ではなく罠をしかけておくというか、ここにイノシシがいるというのを見つけるというか
そこに何がいるか、家を建てても大丈夫か、家に対して害はないかを調べる段階というか
なるほどなるほど。それならばなんとなくわかった感じです。一般的な地鎮祭自体は私も何度か参加してるので
うんむ、あれも上手な人がやると眠くなるよね。聞いてて眠くなる読経とかはあれは上手な人だから小さい子が寝ちゃうんだけど、こっちはあんまり気にしたことないな
人もだけど人じゃない存在もそんな感じでリラックスするからね。心をほぐしていくというのも読経の役割だから。心がほぐれると内容も頭に入ってきて、ああじゃあ上に行こうかなとか、家族がこんなにきちんと例祭をしてくれてるんだなとか安心できるようにもなる。読経ってのはそういう役割も持ってるからね
大人はそうだねえ。子供さんとかなら、うとうとしてもそこまで怒らないでほしいなってのがこっちの考えだね。子供さんはいろんな影響も受けやすいからその辺での疲れとかも出てきちゃうから
そうかもしれないねえ。小さい子はいろんなものが見えてるというし
恵美さんと二人で整地のために訪れたのは山裾の土地でした。 この土地をならして事務所を建てたいということらしく、現在はほぼてつかずの空き地に近い状態でした。 枯葉やすすきなどもありここに事務所や休憩場を建てたならこの風景を含めて心が安らぐ気がしました。
うんむ。事務所というか社務所的なものというか休憩所というか
寝泊まりはしないけども軽作業と休憩ができるいう場所としたら確かにあちこちにハブとしていい場所だよね
見たところそこまで問題のある土地でもないからねえ。これくらいなら普通に整地して地鎮祭とかもしなくても大丈夫な感じもある。ただ、ああいう例祭っていうのはやったことに意義があるし、やることでその土地や土着の神様、山とかに住むもの二体しての敬意にもなる。ここに新しくくるのでそのお知らせも兼ねてますよってのが地鎮祭の役目の一つでもあるからね
特にこういった場所だとね。んじゃ準備していきましょうか
地鎮祭の焚き火で用意するもの 土地周りの枯れ木や落ち葉 焚火をするために必要なのはその土地周りの落ちている枯れ木や枯れ枝、落ち葉などでありその場所で自然に落ちて風化したものを集めていくことになりました。 松ぼっくりなどなども拾いながら、焚火の準備を進めていきます。 恵美さんは小さめの石なども集めながら焚火をするには少し少ない程度の枝葉などが集まりました。
恵美さんに指定された土地の中の枯葉などを集めながら指定されていない土地の枯葉をふと見ました。 土地の仕切りの中にある枯葉などは色鮮やかなものが多いのですが仕切りの外の枯葉はいわゆる腐った状態のものが目立ちます。 土壌や日照に対しての変化はそこまで極端にはないほどです。 言い換えればわずか数センチ先のものがそのように変化しているというほうがわかりやすいかもしれません。
恵美さんに指定された中の枯葉は集めやすいんだけどもさ、外のは結構腐ってるよね
うんむ。そのへんはここを遊び場にしてた山の人がいるからだと思う。そういう人の土地に家を建てるからあいさつ代わりに焚火しておくってのもあるよ
そういえば山とかで取れないものをお供えするといいって本当?
よく知ってるのう。主に餅とか小豆餅とかそういうのをもってくると山にはないものだから喜んでくれるのはある。それにここに立つのは作業場的なもので人がいない時間もあるからここらの人もそこまで問題視しないと思うよ。作業場とか休憩場にはおかしとかお茶があるもんだし、それが少し減っていても気にする人もいないだろ?
たしかにああいう詰め所的なとこにあるお菓子はだれが食べてもそこまで問題にならない気はするわ。大人数のスタッフのいるところで休憩室にお菓子置いててもいつのまにかなくなってるし
ここにも神棚作るって言ってたからね。神棚に定期的にお供えしておけば不用意なトラブルはよけやすくなる
ふふふ……私は餅だけではなく今日はシュークリームも持ってきた……これは山では絶対に食えないものだ……こちらの力を見せつけるのだ
まあ。うまいものがあればいいかなって思って買ってきた。Kちゃんも何か持ってない?
ああじゃあ、それももらっていい?それも多分小さい山の人は喜ぶから
だいぶ集まってきたね、これなら焚火もいい感じになりそうじゃない?
恵美さんが持ってきたお餅は三センチほどのものであり中には小豆やクルミが入っているものでした。 それらを3つを1本の串にさしていき、お団子のような形にしていきます。 数十本差し終えて、持参したお茶をのみながら焚火の準備をしていきます。
本当は火打石とかがいいんだけどもそんなアナログの向こう側は私にはできない……
恵美さんが取り出したのはいわゆる古地図でした。 この場所周辺は何度か整地や区画整理で名前が変わっており古地図との名前は違うものになっていました。
うんむ。準備してもらったんだけどもね。これに書かれた土地はなくなり新しい土地になったこと、その新しい土地には人が住むこと、ただではなく借地料と頭金は持ってきたことを伝えるための土地祓いだねえ
地鎮祭のお供え物にチョコやビスコが最適な理由とは? 古地図を枯れ木や枯れ枝の上にのせて火をつけていきます。 焚火の形をなしてきたころにその周りに串に刺したお餅を立てていき、いわゆる焼き餅の形を作っていきました。 火にあぶられる香りがとてもよく、立ち上る煙が空に吸い込まれていくようにも見えます。
なるなる。だから昔の人は最初にとれた新米や専用の田んぼを準備して豊穣祭とかしてたでしょ?今も新嘗祭とかは専用の田んぼで作った専用のお米だし
そこまでしなくてもっていうのはあるかもしれないけども、こういう時だからこそきちんとしておきたいよね。こちらは後から来るものだから。ここを使う人もその辺はすごく理解してくれてる人で話はしやすかったよ
特に自然界に対してはそれが大きいね。仮に登記簿上なら人と人なら問題なく進めることはできるかもしれないけども。人と人ではない存在の間には登記簿があっても話にならない。だからこうやって話をしていく形を作るのが大事になってくる。こっちに敵意はない、この土地は名前も変わってしまったので以前の土地とは仕様が違っている。ここに来る人間に敵意はない。できる限りの譲歩はお互いとれるようにしたい
シュークリームやチョコレートってのは子供が好きなものでもあるし、こういうところに来る人は自分が基本的に食べるだろ?
だからこそ山の人にとってはとても価値の高い物になる。この土地にいたものがそれをほかの山の人にわけることで自分たちの力の誇示もできる。山では絶対にとれないものっていうのはそういう強みがある。マウントとりたいのは人も人以外も同じだからね
昔でいう飴玉みたいなもんだし、飴玉よりも甘いし匂いもあるから喜ぶよ。まだ幼い妖精や精霊って言われるような存在にとっては、ちょっとしたご褒美にもなるからね。焚火が終わったら焼き後に置いていくだけでOKだし
といってもわたしのは、ばーちゃんの受け売りというかばーちゃんに習ったものに自分の解釈を合わせてるだけってのもあるけどもね。ベーシックを守ればなんとかなるかなあって所かなあ……
うんむ。あとは燃え終わるのを待っているのが仕事になる
すでにワクテカ状態が数人いるから大丈夫だと思う。ボックスチョコのほかに何かある?
すげー準備いいね。あれあったかなあ……(車に何かを取りに行く)
あったわ。何かのためにワンカップいれてるんだけどもさ
即席の浄化用に。一応塩と酒はセットで持ち歩いてる。それにそのおつまみセットとビスコをつけよう
山の人らは家族単位なんだ。人数もそこそこいる。つまり、父親と母親がいるんだ。父親は普段自分のことは後回しにして家族へ様々なエネルギーをまわしている。その父親にとってこうやって酒と肴が準備されるのってのは、こちらが敬意を持っていないこと、父親を敬うべき存在として認識しているということになるからね。かるく石で台でも作っておくか
そう。そうすることで、ここにほかの山の人が来ないようにもしてくれるし、ここに建てたのも、おっちゃんたちが多いから塩気のものや肉とかあるだろうし。悪いようにはならないよ。Kちゃんがいろいろ持ち歩いてるのは知ってたけどもいいもの持っててくれて助かったわ
眠気止めにもなるから恵美さん迎えに行く前にコンビニでお茶と一緒に買ってきたんだ。ビスコは普通に好きなだけだけども
地鎮祭に限らずいまどきの人が特にやらないほうがいいこと!
そういう気持ちで誰かに渡す人って少なくなったよ。それは山に住む人も同じで土地を荒らしたり踏み込んでいくだけで山の人への敬意も恩義もない。そういう状態ででかい音を立てるのはね。だからこそここを使う人から地鎮祭での依頼があったわけだし
山にもっていっても自分で食べちゃうとかがほとんどだよね
昔は登山の際にも少し多めに持って行って山頂付近や山の人がいそうなところに置いていくとかもあったんだけどもね。今は廃墟探索のノリで荒らすだけああしていくから怒りを買って心霊スポットみたいな扱いにされてるところもあるよ。本来そういうところじゃないのにね
実際にそうやってバズるためにやらかしてしまっていま先輩の所で通いで除霊う受けてる子いるよ。対処できない人がやばいところに行っていろんなものをしょってきてしまっても自分でどうにもできないしそれこそ自業自得なんだよね。仏様はたしかに大体の衆生を救ってくださる。数字にすると95%くらいの衆生は救おうとしてくださるんだわ
申し訳ないがそれは裁かれてしかるべきだし、自分で招いてしまったものをどうにかしてくれというのは虫が良すぎるんだわ
厳密には70%くらいはノーカンで救ってくれる感じで25%は条件付き、5%は無理無理って感じだね。まあほかの宗教のでかい所でもそれくらのパーセンテージだとは思う。その5%に入っちゃいうとなかなかのハードモードのなっちゃうからね
いいよ~。なんというか先輩ですら一発じゃないから相当めんどいんだとは思う。さらっと聞いた話だと廃神社でやらかしたっぽいんだけども
廃神社に見えるだけで管理主も多分いるし本当につぶしちゃうと目印とかもなくしちゃうしご神体もほかに移動させるんだけどさ
ただ、そういう手続きをしないで私的な所有物で神主を置かないで朽ち果てたパターンだと非常によくないことが起きるんだわ
その一番よくないパターンかなあ。しかもインスタとかティックトックとかでバズりたいとかだったらしく
多いんだよそういう承認欲求でやらかす人。誰もやれなかったことをしよう!っていくんだけどもやっちゃいけないことをやってないだけで誰もやらなかったわけではない
だいたいはその場で処理されてるんだけども逃げれたから尾を引いている
そういうことがおこらないようにこうやってしっかりとあいさつをしてから行動するってのは大事だね
いろいろと興味深い話をありがとうございます。また改めてお話の時間作ってください