霊体除去に必要な適任者選びと滝行の意義
霊的な現象や霊障などがある場合にはまず「除霊してもらう」「除霊してもらって日常生活を取り戻す」という考えが出るのが一般的ではないでしょか?
ですがこれは除霊ができること前提になっていることを意識する人は少ないと思います。
実際には除霊できないなどの形もあることを今回は現役副住職の恵美さんにインタビュー形式で回答していだきました。
目次
霊的存在への自己陶酔が引き起こす除霊の限界
割と珍しくないというか、いろんな理由でこれは無理っていうのはある
除霊できることが前提でだいたいは話を進めていくというか相談してくるのではないだろうかと思うのですが
だいたいはそう。こっちもできれば除霊とかそれに近い状態にしたいと考えるし
うーん……最近だと除霊に来たけども本人がその取り付かれている特別な環境の自分が好きというか
家族にも害がでてるから家族は除霊をしてほしいんだけども本人がそうだとどうにもできないというかね。もういっそ家族に会わないように完全に隔離しちゃうしかないというか
しかし、除霊してほしい家族とされたくない本人っていうのは
べつに霊的な存在と恋愛してるとかじゃなくてこう……霊的なものからも愛される自分とか人と違う自分に酔ってるというかね。まあそういうのも仕方ないかなあって私は帰ってもらうんだけども霊的な存在が家にいるってのはあまりいいものじゃないからね
取りつかれてる時間が長いほど、よくないんだけどもそれよりも皆と違う自分が大事っていうのはね
うんむ。まあ近いうちにまた来るだろうと思ったから。近県だから車で来れるし
いいかなって。県内にもっといい人がいればそっちいって下さいとも言ったし
仮にね、霊的な存在を大事に思っていて、それで除霊してほしくないとかだったらまだわかるんだよね。そういうのは昔からないわけでもないし。その場合だと双方に話をしてどうするかと考えることもできる。双方に一番いい形での解決を考えるんだけどもね。今回見たいのだと”取りつかれてる当人が承認欲求で変な自己陶酔をしている””人の言葉に耳を傾けない”って言うのがちょっとね
うん。それでも今ひとつはっきりとしなかったからどうなんだろう?って私も思っていた
家の檀家さんとお友達らしくて。ただ、こっちにくるよりも県内に誰かいる気もするんだけどもね
本人が中二病をこじらせて除霊したくないってのはご両親も大変だよね
取り憑かれた若者の苦悩と除霊の難題
うんむ。私ちょっと法事で席を外してて待っててもらったんだけども一週間でものすごい悪化してたというか
うんむ……こう、癒着というか同化というか。部分的な融合というか、そんな感じでイメージしてもらえるといいかもしれない。さすがに本人も影響が強く出てきたのかもう一回あの人(恵美さん)の所に行きたいってなったらしい
まあ大体そんな感じではあるのよ。で、この憑いてるものも憑いてる人に対して悪意は持ってないというか、でもある意味悪意というか……
※憑りつかれている人をAさんとさせていただきます。
Aさんは自分に酔っていただけで別段霊的な存在に好意を持ってるわけではなかったのね。あくまでそんなものからも愛される私が素敵なだけで。そうなってると自分にへばりつているものも見えないというか周りが見えてなというのが正しいんだけども。で、私にあった事でちょっともしかしてそれはまずいのか?って意識が生まれたわけなのよ
たしかに恵美さんの僧侶の時の姿はちゃんとしてるからね
んで、そういう小さな疑問ってすごく大事なものであってきっかけにもなるのよ。それでふと鏡を見たら、なんか変な靄がかかってるような気がした
帰宅して数日で両腕や顔に蕁麻疹がでてきた。皮膚科でも原因がわからなく薬を飲んでも改善する気配がない。そうなれば原因はもはや一つしかないというか
それでじゃあ、またこちらに行こうということで来たという
でもそういう癒着してるものって、すごく大変なんじゃなんですかね
どれくらい取り込んでくるかにもよるけども、拒否してる状態での除霊よりははるかに大変ですよ
で、なんというかね。拒否されてないからってAさんが自分に酔ってる間に、大分侵入してしまっていたというかね。血管とか内臓とかそういう部分での同化があったからあちこちに悪いものが出てきてしまったというか。そうなってると簡単には解決できないし即答で大丈夫ですとは言えなくてね
Aさんに憑いてるものはAさんが自分に対しての拒否がないからそれは自分への好意やそれに近いものだと考えてしまったんだとは思う。受け入れられるというのは霊的なものにとって、すごく大事なことだからその受け入れができてしまった時点でついてるものの霊力も上がってしまったのはある。しかもAさんは健康体で若さもあるから栄養源としても申し分がない
Aさんは除霊してほしい、体中に変なできものがあって外に出れない。学校にも行けなくなったって言ってて
うん。で、憑いてるものは一度ここから帰ってることで私よりも自分のほうが上だと思ってしまった節もあって
そこまでは私も思わなかったんだけどもね。憑いてるものの思いというもの、自分が受け入れられているという事実がそういったものを増幅させてしまうのはないわけではないからね
今度は除霊がかなり厳しい状態になってしまってるというのがその時点での判断ですか?
ですね。結構きびしいなあ、長期戦かなとか考えてはいた
特別な環境が招いた霊障、癒着問題の安全な解決法
ただ、一回私を断ってるから可能性として私ではない人のほうが適任かもしれないって考えもあった。私が下手に除霊や引きはがしをしてもAさんの方を痛め付ける結果になりそうで
基本的にはそこまで癒着することってないんだけどもね。ただ、今回は何というか相性がよかった。それが悪化させていくことを加速しちゃったのと、Aさんも自分の特別な環境が好きっていうのがあったからね。その特別な環境を作ってるのが取り憑いてるものだからね。その段階で二人の意思が重なってるというか
うんむ。それでその日はホテルに戻ってもらおうと思ったんだけども可能だったらうち(寺)に泊まりたいって言われて
うーん……気持ち的にはホテルより安心できるかもしれないってのはわかるけども
確かに私のほうが寺にいれば強くは出れるけれども、でもここまで増長してる状態だとホテルとそこまで変わらない気もしたんだけど
客間にお母さんと二人で泊っていただいた。変な夢もみないですごくゆっくりと寝れたとは言われたけどもそれは多分寺に泊まってるというAさんの気持ちの変化とかそういう部分だと思う。良くも悪くもAさんのテンションとかそういうものは影響をだしてくるというかね
私よりも適任者がいるんじゃないかと思って他県の同業者に連絡を取ってみたんだけどもそういう悪化した状態で回されることと、私では対処できないものをまわされるのはちょっと……ってなってしまって
わかる気はする。恵美さんで対応できないものを回されても困るというか
で、最終兵器である先輩(井上さん)かもう一つの方法としては長谷川家にお願いするかと思ってな
うんむ。ただ長谷川家も小さい娘さんがいるし距離もあるかなあってのは懸念したんだけども。一応それで長谷川家に連絡とったらAさんが来れるならいいよって話にはなって。長谷川家でダメなら先輩に投げ込もうって形にはなったのね。で、翌朝にAさんとAさんのお母さんに長谷川家で請け負ってくれることと、長谷川家にはちゃんとした神格もちの神様がいることを伝えてなるべく早めに移動してもらう様にしたのよ
神頼みって言葉はよくないけども哲君は今は紛れもない神様だからね。だったらそれにすがるのも穏便に物事を進めていくにはいいのかもしれないって考えたのよ。で、それでだめなら最終兵器 長谷川家にもちこむしかないし
恵美さんが払えないというよりも相性の問題でもあるけよね?
そう。なの で、こう……私では憑りついてるものを調子づかせてしまう感じはあった。私が除霊できなくても結果的にAさんが解放されたらいいからこの場は憑りついてるものがどう思っても私は構わないし、もし憑りついているものが単独で私にしかけてくるならばそれはざっくりと畳んでやろうと考えてたし
その時点ではね。で、長谷川のほうに私がわかってることは全部伝えてAさんたちには向こうにいってもらうことになったんだ
男性霊体に取り憑かれたAさんを救う滝行の効果
恵美さんからの相談でAさんたちを哲君と長谷川家のほうで受け入れることになり、Aさんたちは移動の荷物なども必要なことから自宅に帰ることになりました。
長谷川と話をしながらAさんについてるのは多分、大人の男性の霊体なんだろうって結論は出てたのね。Aさんに恋愛感情に近いものを持っている、受け入れられたことを自分の強さに変換してる。ただ、どのような死因とかはわからなくてね。長谷川もその辺は自分が対応するから大丈夫って言ってくれてて。私よりも細かな部分のケアや対応は向こうのほうが上手だと思うし。男性相手にはなるけどもAさんの状態でそんなわがままを言ってられるものでもなかったからね
まあ、いろんな危機だからねえ。私も機会があれば長谷川さんにお会いしたいですね
タイミングあったら会わせるよ。とってもいいやつだから
話聞いてるだけでも長谷川さんはすごくいい人だなって思えるもの
長谷川家ではAさんたちの寝泊まりできる空間と、奥さんと娘さんの避難をまず準備したのね。男性霊だからAさんから離された瞬間に奥さんと娘さんに何かあったらよくないってやつで。奥さんと娘さんはしばらく実家にいってもらって。長谷川家もそこまで多くはないけども除霊とかお祓いはしてるからね。奥さんもそのへんは分かってくれるてるし
うん。翌週には長谷川家に無事に到着はしたんだけども
Aさんのほうがさらに悪化してて、着いてすぐに滝行してもらったって
修行としての場合は冷たさや水が撃ってくる痛みなどに耐えて心にある俗的なものを流し去るという感じかなあ……除霊としての滝行は背負ってきたものがいっぱいあるから滝の水の力を借りて流してしまう効果を狙うというか。ただ、Aさんみたいなひとに滝行ってなるとAさんの消耗も相当なものにはなるのね
霊体との癒着に挑む滝行と恵美さんの冷静な判断
※ 滝行での効果として、常に流れる水は同じ形を二度作らないことから霊的なものが姿を作ろうとするのを阻害する効果が期待できるというものもあるそうです。
滝などがない場所の場合には荒波なども同じ形を二度作らないことから同等の効果があるともされています。
河川などでも上流であれば効果は期待できますが滝や荒波のように体に痛みが出るような水流のほうが望ましいとされているそうです。
すべての除霊に対して効果があると断言できるものではないということもありますが、滝に打たれてスッキリとした場合には何かが落ちたことなどが多いとも言われています。
墜ちたものはそのままながされていくのでその場にとどまることがありません。
また、滝行の際には大量の水を飲み込むということもないので落ちたものが再び体内に入ることは少ないということも挙げられます。
霊媒師や霊能者が滝での修行などをするのは不要なものや不浄なものをできるだけ落とし、痛みなどに耐えられる心身を作ることで霊的な物がまとわりつかないようにすることにも繋がっていきます
Aさんのような場合での滝行は危険は伴ってしまいますがAさんの体についているものが複数である場合にはその数を減らすという目的もあり到着してすぐの滝行になったそうです。
人によるし目的による。鍛錬のためだったら30分~1時間くらいかな
1時間くらいだったらしい。倒れないようにしっかりと自分で立ってください。もし倒れそうになっても膝をついてもいいのでできるだけ滝の水を全身にあててくださいっていって頑張ってもらったって
すんごい寒い。正直寒い。その中で立っているってのは精神力の勝負にもなってくる。Aさんが本気で救われたい、助かりたいならできる。でももういいやってなったらできない。その判断もできる
Aさん、膝をつきながら必死に立とうとして頑張ったそうだよ。その時点でAさんは除霊と自分との闘いに向かう気持ちができたんだ。それは多分私じゃできなかったと思う。悔しいけどもそこは長谷川の凄さだし、ああいう考えを咄嗟に出せるだけの経験が積まれたんだなあって思った。もちろん哲君もスタンバってはいるけども諸々の準備ができないと動けないからね
いきなり神様に殴られたらAさんも耐えられない感じだろうしね
恵美さんでも無理な案件があるっていうのが私の中では結構な驚きポイントではあるんだけどもね、ここまで聞かせてもらった感想としては
無理矢理はがそうとしたらできなくもなかったけどもね。でもそれだと体のどこかに傷ができたり、あざができたり、後遺症がでたりすることもあるからね。昔はそういうこともあって除霊はできたけども相談者も瑕疵ができてしまったというのが私もあったしそれはすごく、ばーちゃんにも先輩にも叱られた。ただ、二人ともそういう経験をしないと次の時に相談者の安全第一で動くことができなくなる。自分の弱い部分や苦手な部分、できないと思ったときや相談者を傷つける可能性が高いと判断した時点でほかの霊能者や僧侶に頼むことも大事だって。自分で何とかしたいって気持ちと、自分が勝ったと思いたいからの行動は別物であることを理解することを教えてもらえてよかったと思う。だからAさんについてるあれは私が逃げて長谷川に任せたって受け取るんじゃないかな。それはそれでいいし、Aさんの無事が一番だと思うから、そうしたわけだし。その後にあれが私に何かを仕掛けようとした際にはその分のいろんなものをこめて粉砕するけども
短絡的な考えというか、なんでもそうだけども仕事って失敗しないと学べない事も多いもんね。私もいっぱい失敗してるし
うん。今回は私よりも適任だと思ったからそうした。これが負けだとは思わないけども。安全を確保できる場所でやってもらうのが一番だと思ったから
悔しい部分は確かにあるけども、なんというか最初に帰ったのは恵美さんが無理とかじゃなくてAさんに問題があったわけだし……なんとなく腑に落ちないのはあるけどもそこは私みたいな素人が口出す部分でもないしね
まあ、結果としてはAさんをここでは除霊できなったというのはあるけどもね。それでもAさんがちゃんと元の生活と元の状態に戻れるならそれが一番だと思ったのに今でも後悔はないよ。そこで意地を張ったり自分を通すことは不要だからね
でもまだAさんは長谷川さんの所に着いたばかりなわけでしょ?
この記事を書いた人
小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。
知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。