自由霊から神様へ~哲君シリーズ~

自由霊から神様へ~哲君シリーズ~
執筆者:ゆい

現役副住職の恵美さんは、大学から仏教学を学んできました。
そしてその大学には「哲君」と呼ばれる人に近い霊的な存在がいました。
今回は哲君が自由霊から守り神に神格化したお話を伺いました。

哲君が神様というか守り神になろうとしたのは、和歌山のあの事から?
恵美さん
うん。家の守り神を見てからだと思う。ただ、神格化ってそんなに簡単になれるものではないからねえ
どんなことするの?修行って
恵美さん
色々と難しいから掻い摘んで言うと
うん
恵美さん
哲君をバラバラにして組みなおして神様の元を配合して再度結合する
掻い摘んでくれたのはいいけども何言ってるか全く解らないのですが
恵美さん
滝に打たれるとか、ああ言うのはやってると言う事と阿蘇の冷たさで満足するみたいな所があるんだけども、そういうのじゃなく本当に心が持つがどうか。極端な話、桶の中に8時間ずっと座っているとかに近い
メンタルに来る方のやり方ってことでいいのかな
恵美さん
うん。そういうものなんだけども、哲君は霊体だから山の神様とかそういう所にいってしばらく帰ってこない感じだったらしい。うまくいったら帰ってくるけどもだめだったら哲君事態が消滅する感じで
二分の一だったんだ
恵美さん
結果だけを見ればね。私も僧侶になれるかなれないか、なら二分の一だったわけだし。そういう感覚でそこまで重く受け止めなくなくてもいいと思うよ。修行の内容とかは私にはわからないし長谷川も聞いてないみたいだけども。哲君も言いたくないのかもしれないけども。ただ、帰ってきて最初に言った一言が“俺死んでるけども死ぬほどきつかった”だったらしい
分かるけどもわかっちゃいけない何かを感じるね?
恵美さん
うん。帰ってきてからもしばらく本殿のどこかで倒れてる感じで寝てたらしい
それはお嫁さんが来てから?
恵美さん
うん。結婚式も終わってから改まって3か月くらい、いなかったらしい
なんかそれはそれで違和感ありそうだねえ
恵美さん
実際に哲君のいない本堂は結構がらんとしてて、虫の音とかかなりしたらしい。何か悪いものがいるとかは感じなかったらしいけども普段よりも音がよく聞こえたって言ってた。嫁さんも哲君がいないことが不思議だっていうくらいに馴染んでたらしく
うん
恵美さん
長谷川のとーちゃんも、酒を飲む相手がいないとつまらんもんだなとかいってらしい
完全に家族だよねえ
恵美さん
うん。でも、必ず帰って来るって確信があったから待ってたらしい。んで帰ってきてここの寺の守り主になる事になったって。なんというか、地域をまとめる地区長がいてそこで修行して、ここを守りたいっていうのを伝えるんだって。で、家とかからそういう存在や人身御供とかだと最初から場所が決まってるから早いんだけども哲君はもともと長谷川家の人間じゃないから、その手続きに時間がかかったらしい
手続き
恵美さん
うん。わかりやすくいうと手続き。ご神体とかお墓の移動とかもそういう手続きがいるんだけども哲君もそんな感じのをして守り神の初級になったらしい
初級
恵美さん
わかりやすく言うと本当にそういう感じになる
わかりやすかった。確かに神様になるために何をするとかは触れてはいけない部分だとは思う
恵美さん
で、そういう状態になるとある程度こっちにも関与できるようになるから。なので、宅配が来た時にレコーダーの音声をいじって玄関に置いてもらったり猫と一緒に近所を軽く見まわりとしたり、お墓の周辺の崖とか崩れてないかを見に行ったりとかしてるっぽい
そういう感じだと空を飛んでいくみたいなイメージなんだけども
恵美さん
実際は人や動物に乗ったりしてついて行くことがほとんだと思う。空とか飛べるとかはあんまりないかなあ。実際に誰かについて行くとかの方が多いと思うし
なんで空が飛べるとかイメージになってるんだろうね
恵美さん
多分そういう漫画とかだと思う。自由に何処でも行けるとかはいい悪いを別にして、力が相当いるからね。神格化って言葉にはなるけどもいつ消えるかわからない状態からそれがなくなった事と、その理由として長谷川家の守り神って理由ができたって感じだねえ。理由が無いとああいうものって難しいらしくて。最初から神格もってる神様が選んでの神嫁ぎとか、自分を犠牲にする人身御供、贄、即身仏なんかはその人の希望自体はほとんどないからね。哲君はできるならば自分が守りたいっていう自分の希望ってのが大きい
なるほど。人身御供とかの人も、後に仏として~とかの伝承とか民話は結構聞くもんね
恵美さん
うん。神様に嫁いだり婿入りしたりすればそれも影響を受けてだんだん人としての時間と、伴侶としての時間が逆転していく。そのうちに人と神様の中間になるんだけども、その神様の力によっては100年くらいで伴侶が消滅しちゃうからね。長くて300年くらいだって前にばーちゃんがいってた
なので次の伴侶をってなるのね
恵美さん
うん。そうなってくると、決まった家から出せるならその家に生まれたら仕方ないっていう、流れもできちゃうからね。血筋が近いと神様と馴染むまでに時間も少なくて済む。いまの時代には大分なくなったとは思うけどねえ。私も実際のところ神様がどんなものか細分化しすぎてて解らない感じもある
でも、守り神も神がつくから神様になるという感じ?
恵美さん
死神もたたり神も神が作るから神格の枠に入るからね。その分仏というのは、大体 亡くなればみな様仏になるから枠の中に入れやすい。仏にならない霊的な人はできるだけ仏になれるようにするのが僧侶の仕事でもあるし。とくに災害とかで亡くなられると自分がもうそこにいない、生きていないって納得してもらうまでがすごく時間がかかるからね。納得してもらうとすごく早い。逆に土地と同化しちゃって離れられなくて困ってるとかも分離させて仏になるための道を作る感じかな。哲君は守り神って枠だけどもそこに仏的な存在にもなれてるから、迷ってる人はここから上に行けますよって目印にもなるし。お正月とかあちこち行くと結構生きてない人も混ざってるよ(笑)
えええええええええ
恵美さん
賑やかなところ、人の多いところ、楽しいところ、清々しいところ。そういう条件がそろうと引き寄せられるね。だから初詣とかそういう所も多い。でもそういう時に来る人は大体みんなそろそろかなって気持ちを持ってるから楽しいものを満たし、神様にもあったから、じゃあいくかあってなることが多いかな
わたしも実家に帰省するとお正月は深夜にお寺に行くねえ確かに
恵美さん
うちも元旦は3時くらいまで開けてるよ。あとは朝とかに来る人まではしめるけども。お寺もそういうお参りの場所だし、お盆だけじゃなくお正月とかも軽く顔出してもらえるのはそれだけでもうれしいよ。それに追加で哲君がいるから長谷川の所はご利益というか軽い厄払いはできてると思う
すごいねえ
恵美さん
ただ、そうなってからの初年度のお正月は哲君も嫁さんもすごい疲れたらしい。普段来ない人が一気に来たらしく。何かきっと引き寄せられたんだとは思うよ。どんなに高名な神社とかでも行きたくないような所があるように、ただのお寺であっても行きたいってなる場所って感じで。哲君にあいさつに来た人もいるだろうし、それで対応したらやっぱり疲れると思う。私も震災後に皆さんが遊びに来てくださって対応でばたばたしたこともるもん
霊的な人たち?
恵美さん
うん。お年始、みたいな感じできてくれることもあるし、ふらっと来てくださることもある。そんなに長時間ではないけども、いるなあって思うし。で境内からふらっといなくなる。お寺ってバス停とか駅みたいなもんだよ(笑)
わかりやすい(笑)
恵美さん
哲君みたいに分かりやすいシンボルがいるから長谷川のところはキーステーション。近隣で困ってる霊的な人がそこから上に行くこともできるからね。これからもっと時間を重ねていったらもっとすごいことになるのかもしれない。その時にはもう何代目になるかはわからないけども、哲君が一人になることもない。いつかそのお役目をおえる時も一人にはならない
恵美さんも守り神付けたらいいじゃん(笑)
恵美さん
いや……なんか大変な気がするからいい。今の状態でも結構大変な時はあるから。それでもうちのお寺がそうやって生きてる人も生きてない人も気軽に来てくれる場所ならそれが一番だけども。どっちかっていうと生きてない人のほうが多いけど
(笑)
恵美さん
こないだも、お前見えるんだろって言われたんだけども忙しかったから今忙しいから後にしろって言ったのよ。そしたら3時間くらいして、もういい?って聞かれて
まって(笑)
恵美さん
いいけど、何の用?って聞いたら、見えるのがいたから嬉しくなってって
(笑)
恵美さん
んで、じゃあ上いきますか?っていったら、お願いしますって
親切だ(笑)
恵美さん
そんで上に送らせてもらったわ。待ってる間は境内にいたっぽい
本当に駅とかそういうのなんだねえ
恵美さん
もっと気軽にみんな来てくれるといいんだけども

ご老人が地物とのお寺やの菩提寺にお茶を飲みに行く理由もなんとなくわかる気がしました。
その場所は誰かを待ったり誰かの気持ちを受け取ったりする場所と考えれば住職やその家族のいるお寺という日常と非日常の境目のような空間は必要なのだと思いました。

長谷川さんも御朱印とかすればいいのに
恵美さん
あれ勝手にやっちゃいかん。あと寺はあんまり御朱印やらない
御朱印今結構なブームだよね
恵美さん
うん。でもKちゃんもお寺とか好きだけど御朱印集めないじゃん?
集めないねえ
恵美さん
お寺はお参り札とか貰うだけでもいいと思うんだよねえ。あとは本当に気軽にお茶とか飲んでってもらえば。うちも近所のばーちゃんとかじーちゃんが田んぼや畑の帰りにお野菜とか持ってきてくれるけどありがたいよねえ。その人の気持ちがいっぱい入ってる。まず、お供えしてからあとで調理して本殿にまたお供えしてる
恵美さん調理するんだ
恵美さん
しない。かーちゃんが
お母さんかい
恵美さん
私が作ると食材に申し訳ないことになるからしないことにしてる。長谷川の所も大体そうだったんだけども、玄関とかに置かれてると哲君と一緒にありがたいねえっていってるらしい
一応神様なのに(笑)
恵美さん
お供えする?ってきくと、いや調理したもの一緒に食うからええわ~って言うんだって。で、みんなてテーブル囲んで普通に食べてる。だから長谷川の所は大人五人子供一人猫一匹って数になってる
六人テーブルだとちょうどいい感じだよね
恵美さん
うん。哲君も普段は普通に長谷川に近い恰好とか作務衣でうろうろしてるらしい。改まるときはちゃんと神様っぽい恰好するらしい
使い分けするのね
恵美さん
元がやっぱり人だからね。完全に切り替えて常に神様になるまでは時間かかるんじゃないかな
完全な神様になると思う?
恵美さん
ならない気がするなぁ。なんだかんだあのままの哲君でこれから何代もお世話になってお世話をするんだと思う。良くも悪くも人間味があるからこそ、ああなったと思うし。ただ、自分の意思を伝える方法はすごく増えてるからね
人、霊的な人、神様と、なかなか面白い人生だよね
恵美さん
そうそう。哲君の実家の方にね、守り神になってくれたことは連絡したんだって。そしたらすごくびっくりしてたけども、そういう人なんでしょうねえって。祖母にも報告しておきますねって言ってくれたらしい。家から神様を出すって中々ないからもしかしたら今後、哲君の実家のほうから霊的な資質を持った人が生まれるかもしれない。そういう影響も少しはあるからね
長谷川さんの娘さんみたいに?
恵美さん
娘ちゃんも腹にいるときから哲君がそばにいるからそういう資質は多分ある。ただ、おかしな方向にはいかないだろうし見えるにしても哲君が守護霊的な仕事も兼ねてると思うからね。嫁さんが、少し寝てくるから見ててくれっていって寝るくらいに哲君を信頼してる。だと哲君は娘ちゃんのそばであれこれやってたりするらしい。本読んだり、一人将棋をしたり。そういう霊的な存在が身近にいるのは私とは違う環境だけどもいいんじゃないかなあ
猫に乗って移動する神様か
恵美さん
猫と一緒に娘ちゃんが寺の周り一周するときに危ないからついていくらしい。完全に保護者だな
だねえ。お父さん二人いる感じで、なんかいいねえ
恵美さん
ただ、絵を書いたりする時に哲君も描くから“この人誰?”って言われて“おにいちゃん!”っていうらしい。お兄ちゃんにしては年が離れてるし保育所さんからたまにそういう連絡が書かれてるらしい。ただ、哲君もたまにお迎えのバスを嫁さんと一緒に待っててね。で、小さい子たちが哲君にも手を振ってて。保育所の先生が誰かいたの?って聞くとみんな”メガネのお兄ちゃん“っていうんだって。娘ちゃんの絵にもメガネの哲君が描かれてるから保育所さんでも不思議だって話にはなるらしい
普通にあり得ない話だからね
恵美さん
小さい時はみんな見える時代があるのだ
納得できたわ
恵美さん
神様ってのもきっと大変なんだろうとは思う。私は普通に生きて普通に仏になりたいわ
わたしも同じだわ。何かの特別なものとかはならなくていい
恵美さん
長い時間をかけて一番いい形になったならそれでいいと思う。特にこういう目に見えないものと戦ってる時世だ。できれば心を寄せられるものや、すがれるものがあればそれだけで心は休まる。人の心は本当に見えないものに対してはまだまだ弱いから
そうだねえ……そういう霊的なトラブルや霊的な詐欺が増えてるとは聞くからねえ
恵美さん
家にこもってゲームしてればいいんだよ。哲君も長谷川とスイッチでなんかやってるらしいし
毎回思うけどもすごく適応能力高いよね
恵美さん
うん。娘ちゃんがユーチューブでよくないものを見ようとすると“マインクラフトのやつ見よう”って変えちゃうらしい
普通のお兄ちゃんだ
恵美さん
神様も色々いるからね。そういう神様がいてもいいって思うとすごく間口が広がるよね。今後神様になりたいとか考える人がいたらまずは亡くなった後に初級からいけばいいし
なくなることが前提か
恵美さん
うん。ただ、亡くなったら即そういう神様になる人を一人だけ知ってる
誰?
恵美さん
〇〇〇様
ええええええええ
恵美さん
人生をすべて捧げるってそう言う事だと思った
最後に爆弾をありがとう
恵美さん
今度おいしいものを食べに行こう

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

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