霊能者は呪物コレクター?本物の呪物の収集家たる由縁

蔵の中には不思議がある?恵子さんが保存している思い出の品とは?
執筆者:ゆい

現役イタコの恵子さんは人だけではなく、様々な物を除霊してきた実績があります。
今回は除霊後の呪物たちについての体験話をお伺いしてきました。

いわゆる「いわくつき」といわれる品物の除霊後は、普通のアクセサリーなどに戻ります。

ですが、特殊なものなどを除くとそのほとんどは「処分してほしい」といわれるらしくすべてではありませんが恵子さんが引き取り保存しています。
古道具屋さんなどが定期的に来て買い取ってくれるそうですが……。

目次

霊能者からの呼び出し~課せられた修行(嘘)

霊能者からの呼び出し~課せられた修行(嘘)

蔵の掃除を手伝えということで
恵子さん
あなた背が高いから脚立とか使った時にすごく動けるじゃない。木にも登れるし
まさかの蔵だとは思いませんでした。この掃除で天丼くらいでは私は満足できません
恵子さん
がんばったら夕飯は焼肉でもいいわよ(笑)家には言ってるから
どこから入りますか?
恵子さん
その上の所の箱を一式下ろしてもらえる?

恵子さんの家の蔵は小さめですが元々、お米などを保存していたこともありしっかりとした作りです。
湿気なども少なく、定期的な掃除や手入れをしているので空気がほこりっぽいなども感じませんでした。
指示されて下したのは木箱であり、30センチほどの大きさになります。
持った感じは重みはありませんでしたが蓋をとどめている紐が厳重な状態であることから中身はいわくのあったものだと感じました。

何個下ろしますか?
恵子さん
全部で何個あるかしら
えーと、5つですね
恵子さん
おろせるならその5つ全部お願いできるかしら?
はい

箱は大きさは違いますがどれも同じように厳重に封がされています。
中にあるものが安全な状態だとわかっていても、どことなく心をざわつかせてしまう感じというのはこういうものなのかもしれません。
すべて床におろして、箱の置かれていた棚のほこりをおとして水拭きし、そのあとにからぶきをします。

棚のほうの掃除終わりました
恵子さん
だと、箱の入れ替えするからこっちを手伝ってもらえる?

元は本物の呪物…うろこが特級呪物となったその作り方とは

元は本物の呪物…うろこが特級呪物となったその作り方とは

はい。この中身って何ですか?そんなに重たくはなかったですけども
恵子さん
開けてみたほうがいいわね

箱を開けてでてきたものは何かのうろこのようなものでした。
うろこ1枚にたいしてはずいぶんと頑丈な紐の封であり、箱も大きいのではないだろうか?と正直感じました。

うろこですか?
恵子さん
うろこに戻ったからね
もとは……なんだったんですか?
恵子さん
サルの手ってしってる?
三つの願いをかなえてくれるけど、三つ目の願いが叶うとその分のツケが一気に来るあの話ですか?
恵子さん
おおむねそうね。これもそれにちかいものだったんだけども
………………
恵子さん
でもこれはね、願いをかなえるものではなかったのよ。人の欲というか、ドロッとしたものを吸収してため込んで、それをもとに呪術的なものに使ってたというかね。そのせいであまりよくないものだったんだけども、それは力業で分解したからこれはただの大きな魚のうろこに戻ってるわよ。生臭を媒体にすることで効果を引き上げてたから最初に作った人物はなかなかいいセンスを持ってたと思うわね
そうですか。センス……

呪物はやがて呪物コレクターの元へ…呪物展で展示されることも

呪物はやがて呪物コレクターの元へ…呪物展で展示されることも

恵子さん
この中の敷布を交換して、もう一回新しい紐で結んでおけば大丈夫。そのうち買取も来ると思うし。こういうのを集めるコレクターっているのよ
この5つはそれ系ですか?
恵子さん
できるだけ虫干ししておきたいものだからそれ系ね
2つ目ですね
恵子さん
この紐とかもはさみで切っていいんだけどもね
これは……なんですか?かんぴょう?
恵子さん
獣のへその緒ね
なんでそんなものを使うんですかね……
恵子さん
これは純粋に相手を呪うためのものなのよ。命をつなぐものを使うことで呪う当事者だけじゃなく子孫まで末永い怨嗟を期待していたのと、最初のまじないをおこなった霊能者が有能だったことと、長時間の熟成で大化けしてしまったものではあるわね。イノシシとかそういうね
これも、もう効果はないんですか?
恵子さん
うーん、まだ残ってると言えば残ってるんだけども、もう時間の経過でしか対応できない状態になってるからね。そうなったものとかは危険なものではないし、呪った相手の家系が消えてしまったのもあってある意味呪物としては達成してしまったのよ
達成しても効果は残るものなんですか?
恵子さん
もうここでいいですよ、ていって聞くようなものじゃないのに願いをかけてしまってるからね。そうなれば弱体化させて時間経過をみるしかない。こういう呪物の慣れの果てとかはおなじ呪術を使いたい人は欲しいものの一つね。これもいずれはそういう人にわたるのかもしれないけれども、私は私に来た依頼分はちゃんとやってるからその先までは面倒もみないし責任も取れないわねえ(笑)
そこまで面倒みると疲れて仕方ないっていってましたものね
恵子さん
そうなのよ。これも同じようにして保存して、気に入ったら買い取ってもらえるだろうし
3つめ……これはなんですか?水晶玉??????
恵子さん
まあ、素材はそうね。これはとある教団が神様の眼ってふれこみでご神体みたいにしてたんだけども。実際にはそうじゃないし効果もなかったんだけども、なんとなく不気味で持っていたくないって押し付けられたのよ
だとこれは完全に無害なんですね
恵子さん
そういうものも私にはたまにくるわね。なんとなく怖いからもっておきたくない。できれば処分してほしいとか。水晶として質もいいからこれは手元に残してうちの神様の入れ物にしてもいいかなって考えてるわね。こういう欠けもなく曇りもなく、きれいな丸って神様とかも好むものなのよ。だから、これを作って加工した人はすごく腕のいい人だと思う。素材も上質だし、御神体とかには向いてると思うわよ。ただ、神様の一部ですというにはちょっと違うかなってくらいで

恵子さんのところには「なんとなく怖い」「なんとなくい持っていたくない」というものも多く持ち込まれます。
その際にも、必要な人に譲渡したり霊的な活動に使う人がいれば譲渡したりして物をなるべくため込まないようにしているそうです。
恵子さんが言うには「断捨離の一種」であり「道具は行くべきところに行くべき」という考えのようです。

水晶などもですが、自然物は様々なものを取り込んだり封印したりするにも適しているらしく、宝石などもですが半化石のような虫や生命体が閉じ込められた琥珀なども霊媒としては上質なものにすることができるそうです。
宝石などはダイヤモンドなどもですが、ヒスイやメノウなどの自然水などで形を作られていくものなどを選ばれることが多く人の手でしっかりと加工しなければいけないダイヤモンドなどは呪物ではない使われ方が多いともいわれるそうです。

本物の呪物は霊能者の元へ集う~最強怪談級呪物は存在した

本物の呪物は霊能者の元へ集う~最強怪談級呪物は存在した

これはなんですか?棒ですか?
恵子さん
パッと見棒よね
ということは棒じゃないんですね
恵子さん
いろんなものを混ぜた泥を何度も何度も固めて削ってできた棒状のもの
…………………
恵子さん
これはねえ、本当にひどいというか。禍々しいというかね。泥の中に臓物の一部とかを入れたものでね。まあそういう時代に作られたものだし、仕方のないものだったとは思うけども……だからってそれを呪いのために使っていいってものではない。一揆や飢饉の時代のものだから……これもそろそろ風化してくれそうね。私が生きてる間というか現役の間に決着つくでしょ。だいぶ中にいたものも上に昇って行ったし、いま残ってるのは好きで残ってるのではなくこの本体が風化するのを待ってる状態だからね
予想したよりもヘビーなものでした……中に縛られてる感じなんですか?
恵子さん
基盤にされたものだからね。そういうポジションだとどうしても本体の風化を待つしかないのよね。ただ、その人とはしっかりと話をしたわよ。風化はまだ少し時間がかかるけれども、飢饉のない時代やおかみのいない時代を見るのも悪くない。それを自分で見定めるころにここから出れるのならば、それはそれで受け止められるって言ってたわね
今も見てる感じなんですかね?
恵子さん
気配がないから休んでるんじゃないかしらね。定期的な空気の入れ替えと敷布の手入れでそこそこ快適みたいだからね。いずれ上に行けるならば、ほかの子供たちが先に楽になるならそれでいいっていう人なのよ。こんな状態でも幼い子たちを最優先するくらいのね。なんともいえないわよね……
ですね……そんな人を基盤にするとかなんかいたたまれないですね……
恵子さん
いずれ上に行ける。そのときは少し豪華に送るようにしたいわね
本物の呪物はごく少数ですが存在するように、それらには様々な物語があります。
作ったひと、使われたひと、素材になったものたち。
それらが最後を迎える時にできるだけ穏やかなものにと考えている霊能者は非常に多いです。

これが最後ですね

霊能者にも見えない呪物…そもそも呪物とは?

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恵子さん
これなんだと思う?
毛玉ですか?
恵子さん
まあ毛玉なんだろうねえ。私もこれが本当に何なのかわからないのよ。ケセランパセランだって持ってこられたんだけども、あれとも違うような気がして
ケセランパセラン、みたことがあります。綿っぽいというか、おしろいを食べるって書いてありましたけどもあれ生き物なんですか?
恵子さん
私にもあれが生き物かどうかはわからないわねえ。私はこれがケセランパセランだとは思わないけども、御利益物だと信じてる人に対して否定するのもなんだかなあって思うし。なんか、亡くなったかもしれないので供養してしかるべき処置をしてほしいって言われてね
恵子さんはこの毛玉は何だと思いますか?
恵子さん
あくまで予想だけど本来はあんまりよくないものだったと思うのよ。禍物がうっかりと意思をもったというか魂を持ったというか。でも、この家の人はこれを御利益のある素晴らしいものとして扱った。自分が求められているという気持ちや感謝の気持ちはこの禍物を転じて福の物に変化させたんでしょうね。だからこそ、この毛玉はこの家の人を自分の命が尽きるまでしっかりと守った。家の人もそれを信じて大事にしてずっとまつっていた。お互いの気持ちが重なる部分があってそれでこの毛玉は己の生を幸福に全うしたのよ。その抜け殻だからこれもいずれは山に返してあげたいわね。今は抜け殻のなかの残骸を外に出すための時間としてここで過ごしてもらってるのよ。これはそう遠くない未来に地に帰れるわね
妖怪も信仰を得れば土着の神となる。ここら辺ではすごく多いですよね
恵子さん
西のほうでは妖怪で悪いものとして扱われ、追われてきた存在がこちらでは土地神や土着の神になる。それくらい人の気持ちやおそれ、敬う気持ちというものは物の存在の在り方を変えてくれるのよね。この毛玉もそうだったように、きっといまからもそういう自然から発生する何かはそうなっていくんじゃないかしらね。そうであってほしいというか……
ですねえ。なんであれ幸せに物語の終わりを結べればそれが一番だと私も思います
恵子さん
荒むようなものが多いけれども、どれも人の気持ちが入ってることに違いはないのよね。それがいいものであれ悪いものであれ
これも上に戻して大丈夫ですか?
恵子さん
お願いするわね
こっちの棚もですか?
恵子さん
そっちも今日終わらせたいから同じようにおろしてもらえるかしら
はい
恵子さん
大丈夫。いい焼肉屋で好きなだけ食べていいから(笑)
それに見合った働きを求められるのも知ってるので頑張ります。できるだけ安全なものを選びたいです
恵子さん
そっちは本当に抜け殻とか、殻になった道具とかだけだから大丈夫。まずいのはちょっと奥においてあるから(笑)
まずいってなんですか
恵子さん
まずいものは、まずいとしかいえないのよね
真顔にならないでください。できればそのへんは私じゃない人に頼んでください
恵子さん
多分、軍手をすれば大丈夫だから
いやまってください。軍手程度でガードできるものはまずいものじゃないってここにきてるからわかりますから
恵子さん
大丈夫、今日はないから。さ、片付けよう

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

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