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ゆい 震災から10年たっても残っている霊的な存在は、目的や願いが強いという部分があるそうです。 震災で大きな被害を受けた三陸地域で行った、恵子さんの地鎮について話をしていきます。
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地鎮祭とはどんなもの?イタコが教えるほんとうの意味! 宿を出発し、三陸の宿に向かって車を走らせました。 できるだけ午前中にたどり着いて、当日の間に除霊や地鎮を終わらせることで岐路などがスムーズにいくこともですが長引かせないことで霊的な存在な場所と恵子さんの疲労を最低限にして長期戦をしないことが目的になります。
家とかを建てる時にやる奴はわかりますが、そうじゃないのだとあまり詳しくはないですね。家のもそこまで詳しくはありませんけれど
10年たってもまだ底に残っている霊的な存在はあるけども、生きるためにはその土地を使う人も出てくる。その双方の折り合いを何とかつけるためにも必要なものにはなってくるんだけども
10年もそこにいる相手がストレートに話を聞いてくれるとは思ってないのよね
10年、そこにとどまり続けるというのはすごく大きなものなのよね。なので、その場を使う人が霊的なものにどこまで理解を示すかもあるわね
家じゃないみたいなんだけども、何らかに使うんだと思うのよ。一先ず見てからよねえ。地震のあとって私もなかなかこっちに来る機会はなかったし
もう少しで多分着くみたいですね。海沿いを走るのは気持ちいいんですが、結構まだ道なおってないところも多いですねえ
日常のありがたさを感じるわよね。この辺りを見ていると
まだまだ復興は途中であり、数年前に一部の鉄道は再開しても全線開通にはまだ至ってはいない地域を走っていきます。 本来なら海や駅舎の美しい風景が、すこしだけまだ空間が多い状態になっているのが印象的でした。 三陸は311の震災でも大きな被害を受けており、当時は地元を離れざるを得なかった人たちも帰ってこれるようになったことからも、新築の家屋も見られるようになっていました。
あとは一回連絡をいれて、地鎮するところに連れて行ってもらう感じになるわね
街中はだいぶ戻りかけてますね。私も三陸は実は震災後は初めてで
地鎮祭のお供え物はお酒や八角 目的は土地の浄化 恵子さんに地鎮を依頼した人と合流し、地鎮をする場所へ案内してもらいました。 筆者は荷物持ちとして今回の地鎮に参加と見学です。 荷物は一般的な地鎮に使うものもあればそうでないものもありますが、清酒や八角などを準備して向いました。
今回はその地鎮の依頼者をBさんとさせていただきます。
Bです、今回は地鎮を引きうけていただけるということで
はい。この辺りも10年前に流されまして、元々は私たちの家があったんですが……震災後は一時的に避難していたんです。いろいろと考えて戻ることも考えてみたんですが我々も高齢なのでこのまま避難先の息子夫婦のところにお世話になることにしたんですよ
だと、地鎮の目的は土地の浄化といった具合でよろしいですかね?
はい。誰かに土地をうるにしても、あまりにもいろんなことがありすぎましたので……実際に、10年前は私たちもいろんなものを見ていますし、こちらにきたさいにもなんというか……何かを感じるんですよね
正しい感覚ですね。確かにここにはずっと残ってらっしゃる方がいます
はい。ですが、怒りや憎しみなどは感じません。無念もあったみたいですが今は復興する街を自分の目で見つめてから上に行きたいと希望していますね
Bさんと恵子さんの会話は淡々としています。 恵子さんは豪快なイメージがありますが、霊的なものに対する場合以外は非常に穏やか人であるのも事実です。
ここでなくなった方なのでここに残っていますが、Bさんとの直接的な関連はないですね。ただ、Bさんの息子さんの同級生だったかたのようです
息子の同級生ですか……なら、うちに来たことがあるのかもしれませんね
悪い方ではないです。Bさんに対しても、悪い感情は持っていません。何か不安を感じているのはそれはBさんが生きているからであり、死者の声は生きている者にとっては不安を起こすものなんですよ。それがいいものであれ、そうでないものであれ、Bさんが理解して納得しないかぎりは不安として認識されます。それは私たちイタコも同じです
地鎮はお願いしたいですが、その人にもいいようにはしたいですよね。志半ばで震災で亡くなっているのですから……息子たちはこの土地を離れて暮らしていたので無事でしたが、ここにいれば同じようになっていたのかもしれませんし……
Bさんのお気持ちも伝わってますよ。ご本人もここに残ってしまっていることに対して申し訳ないという気持ちがあるようです
本来ならばあまりしないほうがいいのですが、一時的に仮の場所を作り、そこに移動させてこの土地をいったん浄化する。そのあとに手順を守っていただいて、その方にここを守るほうの霊魂として残ってもらうというのはどうでしょうか?
それは大丈夫です。ただ、手順があるのでBさんにも少しお手数をおかけすることになります
お祓いのグッズ 人型に宿る駆け込み成仏の霊たち 恵子さんの提案はこの場所にとどまっている霊的な存在を、一度人型に移動させて桐箱に収めるものでした。 この人型は美由紀さんが作ってくださったものなので、霊的な存在との相性は非常にいいものになります。 この桐箱をBさんが土地の中に埋めることで地縛霊から土地を一時的に守る守護霊に変換させるという方法になります。
恵子さんの指示通りに八角と塩を小皿に盛り付けていき、恵子さんが土地の周辺に清酒をまいていきます。 ここまでは普通の地鎮祭でもよくある光景でもあり、何度か見たこともあるものでした。
今回は中央に置かれた桐箱と、その上になぜか立っている人型があるという部分です。 人型は紙なので当然ですが支え無しでは箱の中に落ちてしまいます。 ですが、人型はまさしく人が立っている状態のようになっており箱に落ちる気配はありません。
そういわれて塩に目をやれば塩は焦がしたように茶色になり始めていました。 八角も腐ったように柔らかくなっており、人型はこげ茶のような色に変色を始めていました。
じゃあそっちも入れ替えて。人型もどんどん載せて行って
小皿の上に塩を盛っていき、八角を入れ替えていくたびに人型は変色していきます。
ご本人だけじゃなく自力で上がれなくなった人が、ちょっと来てしまった感じです。これはBさんの負担にはなりません。私が引き寄せてる部分なので私が片付けますので安心してください
そうですか……まだここにもたくさん残ってるんですね
ですね。かといってここに霊媒師やイタコが来るかとなればそれこそ年単位で先になってしまう可能性が高いですから。今なら一緒にあげてもらえる、ようやく次に迎えるという人がいま、少しいらしてるんですよ。ご迷惑でなかったら手を合わせていただければ。誰かに見送られて行くのはとても大事なことで喜ばしいことですから
精米を周辺にまきながら恵子さんが箱のほうに手を向けた瞬間に、十数枚の人型は一斉に箱の中に落ちていきました。ですが、一枚だけしっかりとまだ立っている人型があります。
お祓いで霊を鎮める 地縛霊を守護霊に変換 この最後の一枚がここを守る人になります。これは別枠ですね
Bさんに送られて、皆さん上に行かれました。もしかしたら数日お礼で夢を見るかもしれませんが害はありませんので。そういうものだとおもっていただければ
みんな同じこの街が好きでとどまっていたんでしょうね
紙一重で自分がそうなっていたかもしれないと思うと、何とも言えない気持ちになりますね
大量の紙でできた人型が入っているだけの箱はやけに重く、なぜかしっとりともしていました。 こんな短時間で10センチ四方の桐箱が湿気を帯びることはなく、この箱の中に霊的なものが入ってたのだということを感じました。
恵子さんが箱に封をして筆で何かを書き加えていました。 残念ながら何を書いていたのかは、はっきりとは見えませんでしたが箱に害が出ないようにするためのものだと教えていただきました。
あとはこれを、明日の15時過ぎにこの四角の真ん中に埋めてください。それで地鎮は完了しますので
ありがとうございます。しかし、本当に霊能者の方っているんですねえ
よく言われますねえ。一般的には霊的なものとかは存在しないものとして考えますから。ただ、それだけでは片付けられないことがたくさんあるんですよね
わかります、震災前は私も霊的なものはないと思っていましたから
私も事故で霊的なものが目覚めてイタコになったんですよ。それまではこのような世界とは無縁でした。なので、どこで何が起きるかって本当にわからないんですよね
私のように離れるものもいれば、霊的なものになってもこの土地に残りたいと思う人もいる。何とも言えないですよね
世間的には忘れないで、という動きもありますが、つらすぎる場合には離れたり忘れたりすることも大事なんですよね。思い出してもいい、振り返ってもいいと思えるまでになったらそこで偲んでもいいんですけれどもね。すべて忘れないでというのは現地にいない人の考えですから……
ですね。明日の15時、もう津波も揺れもないことを確認してこの箱をしっかりと埋めさせていただきますね
この土地で実際の被害にあった人のことはとても重く、普段自分がどれだけ安全な場所にいるのかをまざまざと感じさせてくれました。 震災はまだその土地にも人の心にもしっかりと残っているものであり、10年では癒えないものがたくさんあるようでした。
安心してこの街が復興するのを今度は見守ってくれますよ。本人が納得したらその時にここを離れて上に行きます。その際にも上に行くための道具も簡単にですが中に入れさせていただきました
明日の15時までほかの人が箱を開けないようにしないといけませんね
開けても特に問題はないですよ。仮住まいみたいなものですから
でしたら、余計に開けてはいけませんね。自分だけの空間がどれだけ安らげるのかを私は知ってますから
Bさんと少し会話をして私たちはその場を離れました。 恵子さんが地鎮をした際に駆け込み成仏があるように、自分ではどうにもできない状態の霊的な人はまだまだ多く、いたずらに災害現場などに行くのは控えたほうがいいとも考えられました。 海沿いや海岸地区などは特に被害が多かったこともあり、まだまだそのような状態の霊的な人が多いと考えてもいいかもしれません。
お祓いのやり方も試行錯誤 イタコがたどり着いたお供え物とは? タイミング逃して上に行けなくなってた人もいるからね。そんな人からすればイタコが地鎮際してる上に、人型まであれば自分も!ってなってしまうわよねえ
10ちょっとかしらねえ……これくらい年月が経つと次にそういう霊的な事をしてくれる人がいつ来るかはわからないからね
ですねえ。確実に上に上げてくれる、成仏させてくれるって人になるとさらに限定されてきてるでしょうし
たまたまタイミングが良かったのね。Bさんも悪い人じゃないし、本当に運がよかったとしかね。人型も結局全部使っちゃったしねえ
ですねえ。私も見ていてびっくりしました。塩とか八角が腐ってるというか
八角以外でもできるんだろうけども、私からして確実なものでやってると八角になってしまうのよね。前にザクロでもやってみたいんだけども飛散しちゃってねえ
そうなのよ。いろんなものを吸収して爆発しちゃったから八角に行きついたのよね。柿でもやってみたんだけども柿も爆発しちゃってね
私もほかに柿を爆発させたとかは聞いてないからみんな、柿は向かないってわかってるのね
塩もねえ……一回火を通して不要なものを消してから使ってるからたまに足りなくなるのよねえ……
なのでやけにさらさらなんですね。どこの塩なんだろうって思ってました
まあねえ、少し手間でもそれでいい方向に行ってくれれば私はそれで構わないから
岩手でもいろんなことがありましたね。あとは明日の帰りに美術館に案内しますね
近くに素敵なお家やお店もあるのでそこも寄っていきましょう
あなた今時間あるんだからいいじゃない。手伝ってもらえるうちは手伝ってもらう予定よ
ちなみにその夜、駆け込み成仏したみなさんが恵子さんのところにお礼にきていました。