この間は準備もありがとうね。今日は今からその問題の子供さんが来るからよろしくね
Kさんはこの鈴をタイミングよく振ってくれるだけでいいからね
この鈴というものはいわゆる仏具の鈴なりの鈴に近いものであると考えてもらうといいかもしれません。仏具の鈴は金色ないし銀色が中心ですがこの渡された鈴はところどころに赤いものがはいっています。
音もリンリンといったものではなくしゃんしゃんといったものであり、重さは片手で持てる程度ですが鈴の数自体は多い物でした。
詳しくはないんですけどもそういうイメージがありますねえこれ
目次
霊能者は本物 鈴振る役をもらい除霊に立ち会わせてもらった
恵子さんと愛子さんはろうそくの周りに落ち葉を巻いていきます。
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といった形に180本のろうそくが三角形を三つ作り、その三つの三角形が一つの三角形を作っている状態です。
この真ん中の空間に、問題の子供さんを座らせるということで子供さんが来るのを三人で待つことになりました。
午前10時を回ったあたりで子供さんが到着し、三角形の真ん中に座らせられます。
正確には全く反応がないので子供さんを配置したというほうが正しいかもしれません。
恵子さんは子供さんの周りに八角を撒き、愛子さんがろうそくに火をつけていきます。
180本すべてろうそくに火が付いたころには子供さんは呼吸がだいぶ少なくなっていました。
タイミングよく鈴を思いきり鳴らしてくれるだけでいいから
今からちょっと引きずり出すからねえ。もう少しでおうちに帰れるからねえ
準備していた丸石、木の枝、木の実を三角形の中に並べていきます。
子供さんはまだ幼稚園児ほどに見えました。
最初にその手がつかんだのは丸石であり、まるでお菓子でも食べるように石をかじり始めました。
お母さん。だいじょうぶです。この石は子供さんの体の中には入りません。正確には子供さんに絡まっているものの一つが今自分の欲に負けてかじっているんです。今からほかの二つもかじりますので
恵子さんの言葉通りに子供さんは木の実や枝をかじり始めました。確かに飲み込んでいるように見えるのですが大量の石や枝を飲んでいるならば出てくる体の変化は一切なく、せき込むこともありません。
ろうそくが消え始めると同時にものすごい速さで三つの供物を子供さんが食い散らかしていきます。
まるで数人が競い合ってるようにも見える光景でした。
そろそろ出てきますね。子供さんに憑いてるものは3つの大きなものです。この三つがそれぞれほかの雑物や霊体を吸収したことで媒体になった子供さんが動けなくなっているんです。この三つは小判、食事、刀になります。金、ぜいたく、名誉の代用品ですね。どれが必要というよりも全部と判断したのでこの形になりました。周りの八角は霊体の吸収用品になっているので触らないようにしてください。それから、ここからはしばらく何があってもできるだけ声を上げないでください。子供さんの名前も呼ばないでくださいね
子供さんの体の周りに何となく黒いもやが三つの塊で見えるような気がしました。
全くそのような霊体や霊的なものが見えない筆者ですら、かすかに感じることができたので見える人や血縁であるご両親はよりはっきりとした何かを見たのではないでしょうか。
お母さんの顔が蒼白になり、お父さんは歯をがちがちと鳴らしています。
この瞬間ほど何も見えなくてよかったと思うことはありませんでした。
ふたりの除霊師が除霊を遂行 子供さんから切り離していく
子供さんの顔は真っ白に近く、白目をむいていました。
その状態でも一心不乱に供物をかじっており、子供さんが人では無い何かになっているのは、霊的なものを感じない筆者でもわかるほどでした。
愛子さんが手にしていたのは絹糸のようなもので、子供さんの周辺の空間を結んでいるように見えました。
その糸が何かを切断するようにまっすぐに張りつめて動いた時に幼児とは思えない声がありがました。
それは「グえっ」という声に中年男性のような声が、混ざっており一瞬ですが自分でも聞こえたほどです。
筆者が鈴を流している間に愛子さんは、どんどんと糸をのこぎりでも動かすかのように前後させています。
そのうちに子供さんが石を吐き出し始めると恵子さんがその石に向かって水のようなものをかけていきます。
匂いからしてアルコールやお酒に近いものを感じましたがはっきりとしたものはわかりませんでした。
愛子さんは同じようにまた別の空間に糸を絡ませていきます。
筆者は鈴の音のほうが強かったのですがご両親が耳をふさいでいるのを見るあたりに何かしらの声が聞こえたのかもしれません。
子供さんは同じように木の実を吐き出しています。
このような動作が一時間ほど続いて子供さんが最後に何かの動物のようなものを吐き出しました。
それはネズミのような胎児のようなわからないものであり、遠目に見ても子供が吐き出すようなものでも食材でもないのはわかりました。
ろうそくの灯はほとんどが消えており数本が残っている状態です。
子供さんはさらに嘔吐し、毛糸玉のようなものを吐き出して倒れこみました。
これで大まかには終わりましたので、のちほど詳細をご連絡いたしますわね。お子さんはこれから、普通の生活に戻ります。ですが、好奇心や遊び半分で今後は行動なさらないでください。私たちも次はお受けいたしかねますので
恵子さんがこのように断ることはあまり記憶にありません。
何かしらの理由があってこそだと思いました。
除霊やお祓いのプロが語る 取り憑く側にも言いぶんがある!
お子さんを抱いてご両親はほどなくして帰宅され、私たちは準備したものを片付けていきます。
あれはねえ、あのご両親が今まで殺めてきた動物の胎児よ
あの子供さんができる前よね。おそらく二人で小動物とかを殺めるのが好きだったんだと思うの、その中の数匹が強い恨みを持っていた
その恨みに寄せられた三人がいろんなものを吸収していってご両親に最初に憑いたのよ。でもね、二人に対して三人だとうまい具合にいかなかったのよね。その矢先に子供さんを妊娠した
胎児のころから取りつかれたから、ああなってしまったのよね。子供さんは普通の生活に戻るけれども、御両親はそれなりに今後もいろんなものを背負っていくことにはなるわね。私はあくまで切り離したけれども、あのお子さんは臓器のほうがもうねえ……
自分たちがやってきたことが、もっともその時に弱いものにかかってしまうのよね。内蔵弱ってたわねえ。あとは霊的なものを見やすくなってしまう。でもそこまでは私たちがどうにかできるものでもなかったのよ
実際の除霊は派手なものや派手な痙攣などはあまりありません。
今回のように淡々と進んでいくことが見学させてもらったものでは多いように感じます。
あれは井戸水よ。あんな匂いになるくらいに発酵してたのよ、絡まってるものが
あれは私の糸よ。一時的に体の中にそっと入れて残り物がないように吐き出させたの。猫が毛玉を吐くのと同じ感じね
きっかけはね。でも、そういうものの強い思いと肉の臭いに引っ張られる人だったものっていうのかしらね。それが3つもいたんだから相当な数を殺めてきたんだろうとは思うわね
数匹じゃなかったわねえ。年数もそれなりに長かっただろうし
恨みが向けられてたわね。そして許すこともない、どんな形であってもまたお前たちの所に戻ってきてやる。絶対に逃がさない。そんな感じだったわね
どうやったらそこまで恨まれるんだってくらいだったわねえ
本当にねえ。私たちの知らないことってまだまだたくさんあるわねえ
命は無事だけどもそのあとのことまでは私たちにはどうにもできないのよね。あの子供さん幼稚園くらいに見えたでしょ?七歳なのよ
指の骨が何か所か抜けててそこだけペラペラの皮膚なのよね
そうねえ。本当にそういう所にも出てしまうから怖いわねえ。いくら人工の骨があるからといっても完全に復元はできないし。何よりも七つまでしっかりと祟ってるあたりがすごいわよねえ
育っている状態を阻害して七年だと、臓器とかへの打撃もだけども知能や感情を取り戻すのも大変になるわね。お祝いとかもできてないから守護的なものもできてない。今からそれを取り戻せるかってなったら結構大変になるわね
帰りはこわいになっちゃったわねえ。一時の楽しさで必要以上のものを奪ったことへの代償が自分たちではないものに来る。残念だけどもよくある話なのよ
逆に次の世代への恩返しなんかもあるんだけどもね。不要な殺生はよくないわね
いやはや、怖いものを見てしまった気がします。今日はしっかりとお風呂にはいって後日、焼き肉をごちそうにならなければ
その日は早めに恵子さんの家を出て、自宅で少しゆっくりと過ごしました。
恵子さんからも今日は外出は控えたほうが良いとの事だったのでそれに従い早めの就寝をしました。
除霊は自分ではせずにプロに依頼したい 危険なこともあるから
三日後に恵子さんの自宅に再度訪問し、話の続きを聞くことができました。
まあ、足の指の骨とかも数本なかったから立つのはちょっと大変で筋力もないから小さい子のはいはいみたいなものでもあるんだけども……原因が原因だからちょっとねえ
今後子供さんが普通に育ってくれたらいいんだけども、ご両親が傍におけるかの方が怪しいのよねえ。なんとなく施設とかに入れそうな気がして
自分達がやったことから目を背けたいんでしょうね。でも、あの存在達はそれをさせないでしょうねえ
でも、憎い相手の子供ってだけで憎しみの対象になるなんて珍しくないのよ。そういう存在にとってはより怨念の影響を受けやすいほうが都合がいいわけだし
嫌いな相手の子供を好きになれるかっていったら、NOっていうのが普通だとは思いますね
なのでこっちがどんな説得をした所で相手が納得することはない。だったらこっちが依頼された分だけを行う。この先に起きることは私たちの範囲外になるのよ。動物の命への執着っていうのは人よりも強いことも珍しくないわね。多産だからこそ、どれだけ生き残らせるかだからね。あの霊の中にも子供を待ってるものがいたもの。同じように子供に愛情を注いでいたと考えれば簡単にその恨みは晴れないわねえ
子供さんに確かに罪はない。けれども子供さんがその罪を背負うことはある
負の遺産になるわねえ。小動物の殺生もだけども、ほかにも慰霊碑とか壊したり心霊スポット巡りとかも好きな二人みたいだから本当にこんがらがってしまっててねえ
いってるわね。そこと〇浜も個人的にはしばらく行かないほうがいいと思ってるけどもなぜか“自分たちは大丈夫”って考えてしまうのよね
〇森って興味本位で絶対にいくなってネット媒体はもちろんですけどもユーチューブとかでも結構でてますよ
まあそういう所だからこそああいう業をもってる人は、入ってしまうんだろうけどもねえ。私もそこは興味本位で言っていい場所とは思ってないわよ。まだ見つかってないとかあるもの
なぜ心霊スポットやそういう場所に行きたがるのかが私にはわからないですねえ……私は怖いものが嫌ですし、ホラー映画とかもお金はらって怖い思いするのが嫌だって断ってます
普通はそうやって自分に合わないものを避けていくのよ。でもああいった感じになる、ゆがんだ夫婦もいる。その歪みは子供にまで出てしまう。今の世だからよかったけれども、これが明治当たりならあの子は、贄にされてたわね。明らかに動物が入り込んでいる体。いわゆる邪教ってやつのご神体とかにされていてもおかしくはない。邪教のご神体って人工的に作ることが多いんだけども、ああいった形の奇形や単眼とかの子供さんはそのまま即身仏として作られることも珍しくはないのよ
最近だとインドとかで単眼のお子さんが生まれて神の子供だってなったらしいですね
今はそういう疾患や病気だって理解できても昔はそれこそ神様の配分違いでこうなってしまったと考えることが普通だったからねえ。特に飢饉とかのときにはそう言った奇形の子や今でいう精神的なものを持っている子が神様との交信ができると考えられてたし。日本人の考えるホラー映画ってものは民間伝承や何かしらの事例をベースにしてることが多いからより身近に見えて怖いのよ。リングとか流行ったでしょ
霊的なものに触れることができるっていうのはいつの時代も異端だからね。なので、きることをできる分だけ、大きく広げないってのは大事なのよ
親御さんの方にも報いは来るけれど、子供さんはねえ……仕方ないとはいえ割り切れないものはあるわねえ。施設とかはあれとしても、どこかしっかりとした所に行けるといいんだけどもあれだけの霊的なものを背負ってると本当に大変
家猫の多くはその家を守ろうとすることが多いのよ、犬もだけどもね。そういう子をあの親御さんたちは手にかけてもいる。本当に大きすぎてあの子供さんだけで消化できない気もするわね
除霊の実際の仕方は派手ではない 命の大切さを学んだ
今回は除霊とその顛末までを見ることができました。
自分に来なくとも次の世代に呪いがかかることは珍しくないこと、それがどのような形になるかはわからないことなど、知らない世界をのぞいたような気がします。
派手な除霊などは実際に少なく、淡々と進んでいくことが多く今回も淡々と進んでいきました。
できるだけ安静に、傷つけない事を考えていくことで淡々と進めていくことになるそうです。
除霊に関して、テレビなどのメディアでは派手な演出がありますが、そうなるほど暴れるものは少ないらしく、時間も1~3時間で終わらせていくことが恵子さんのやり方になっています。
今回のはねえ、私もここまでひどいとは思わなかったのはあるのよ。なんにしろ、できることはやったとはいえるけども
実際にね、Kちゃんみたいに動いてくれる人がいるのはすごく助かるのよ。ドライバーもやってくれるし
しばらくはそこまでの遠いものはないとは思うけども、また何かあったらお手伝いを頼むと思うからよろしくね
年末とかは、おかしなものを持ち込んでくる人や、おかしなものをつけたまま帰省する人が出てくるのよねえ。そしてそれを置いて帰るというのがね
まあ、その辺も危ないものは、私もできるだけ避けたいわねえ。体第一で行きたいし
今回は本当に、なんというか……後味が悪いですね。すっきりしないです
そうね。私も同じだわ。愛子さんも久々にいやな気持になったって言ってたし
本当に。小動物に手をかけるとか、わからないですねえ
そういう人は家庭を持っちゃいけないんだけども、似たような業を持った二人が出会ってしまったという一番よくない形だわねえ
〇県から車で来てくれたのよ。地元じゃまあ断られるわよね。実家はこっちだから実家で対面してちらっと見たのが最初ね
今度はもっとすっきりするような話を聞きに来てもいいですか?
何かしらでてきたら連絡するわね。今回は本当にありがとうね