廃小屋の処理

廃小屋の処理
恵子さん
Aさんから取り壊しの予定日の連絡が来たのよ
早かったですね。これいただきますね、ちょっとお腹がすいていて
恵子さん
いっぱい食べなさい(笑)
遠慮なく食べます食べます。で、どうなったんですか?
恵子さん
小屋の中を掃除するのにせっかくだから他県にいる兄弟も呼んだんですって。Aさん5人兄弟で、来れたのは3人だったんだけども三人で小屋の中を掃除しながらこんなことがあったとか思い出を話しながら中を片付けて
ええ
恵子さん
そうしたらね、最初に出てきたのが妹さんが大事にしていて何処で無くしたかわからないガラスのおはじきで。妹さんは参加してたからとっても驚いてたんですって。本当に何十年ぶりに見つけた宝物よね。妹さんはすごく大事にそれをハンカチに包んで持ち帰ったらしいのよ
たしかにそれだと見つかるかわからないものですよね
恵子さん
おはじきとかは本当に小さいからね。そういう宝物がでてきたからAさんたちは掃除をする力がだいぶ入ったらしくて土間とかも綺麗になったんですって。取り壊すのにここまで掃除する必要があるのかって最初は思ってたらしいんだけどもおはじきは本当に気持ちを変えるには十分だったらしいのよ
ですねえ
恵子さん
その後に座ってるところの下からモノクロの小さい写真ができてたんですって。椅子的なものと壁の隙間に入ってて痛みも少なくくて
当時の写真とか貴重ですよね
恵子さん
Aさんたちのご両親の結婚前の写真だったみたいよ。二人で何かの時にとっておそらくはポケットに入れっぱなしにする、お父様のものだろうっておっしゃってたわ
そう言うのが見つかると嬉しいですよね
恵子さん
掃除をしないと見つからないほどのものだろうし、本当にあの埃をかたづけるとなると、ああいう除霊とかがきっかけになるというかね
ですねえ。十分なプレゼントですよね
恵子さん
ご両親ももう他界されているのと、こんな若いころの二人の写真があったなんてと驚いたみたいよね。私がAさんでも驚くわね
ですね。何が出るかわからないし出ないかもしれない。大事なものではないかもしれないというのも全部的中してるというか
恵子さん
そうやって思い出を見つけていくのは、中々できないことだからねえ……できる時にやっておくのが大事だしご兄弟も久々に顔を合わせたともおっしゃってたわね
他県になるとなかなか会えなくもなりますよね。ましてコロナで出歩くのも皆さん減りましたし
恵子さん
解除されたといっても感染力や後遺症がなくなったわけでもないからね。用心して出歩かない人のほうが多いと思うわよ
ですねえ。私も連休中に本当に数年ぶりに父の兄弟が着ましたし
恵子さん
そんなものよね、無理に出歩かないものまだまだ大事な部分だわね
見つかったのはそれだけだったんですか?
恵子さん
掃除を終えて一番最後に出てきたのが、金色の指輪だったんですって
指輪!?
恵子さん
Aさん達も誰のか解らなくて、その場で一番上で今回は来れなかったお姉さんにお電話をしたんですって。そうしたらお姉さんが“お父さんが指輪をどこかでなくしたといってた”というのを思い出したらしくて
畑仕事をするのに邪魔で外してポケットに入れっぱなしにしてたんですかね?
恵子さん
その可能性はあるわね。で、Aさんから今度は私に電話があって
ええ
恵子さん
この指輪は持ちかえっても大丈夫なものなのか?って。なので、本来の持ち主の所に戻してあげてください。できればご両親の好きなものと、すこしだけ多くお母様の好きなものをお供えしてください。今日はお父様がお母様にこってりと絞られる可能性が非常に高いですって伝えたらAさん大笑いしてたわね。親父が小さくなってるのが見えるようですって(笑)
それは間違いなく奥さんの怒りが炸裂するコースですね(笑)
恵子さん
でもね、指輪もそうやって見つけてもらえれば二つ揃うわけだし。怒られはしても許されることの方が大きいと思うのよ
ですねえ。なんかちょっといい話で安心できました。てっきり、でかいスズメバチが出てきたとかだと思った部分もあるので
恵子さん
虫本当に駄目よね(笑)
テントウムシとカブトムシとかならいいんですが羽虫とかうねうねするものとかは、すべて滅べばいいと思ってます
恵子さん
小屋の方もね、掃除したことで色んなことを思い出したりして三人で笑いあったりもできて心置きなく壊してもらえるってなったんですって。月末には取り壊しって言ってたわね
梅雨前にやっちゃう方がいいですもんねえ
恵子さん
それでね、指輪を持って帰って綺麗にしてお仏壇にもう一つセットになるお母様の指輪と一緒に並べたんですって。その日はご兄弟もAさんのお家に泊まられたらしく、Aさんご夫婦と二人の兄弟が同じ家で就寝したのよ
まあそうなりますよね
恵子さん
それでね、その日の夜に4人共同じ夢を見たんですって
!?

夢の内容は、Aさんのお父さんがやはり奥さんであるお母さんからひどく叱られたことだったそうです。
Aさんのお母さん、つまりAさんの奥さんお姑さんはAさんの奥さんに向かって「息子が同じようなことをしたら遠慮なくしかり飛ばしてほしい。この人に似て何でもぽろっぽろと落としてしまう癖がある。あまりいい姑ができなくて申し訳なかった。息子の嫁ではなく娘のようで嬉しかった」と伝えた後に「この指輪は二人にやるのですきに使ってほしい。ただし、落とさないように」と念を押されたそうです。
それと同時にお母さんはAさんのご兄弟にも同じように言葉をかけていたそうです。

Aさんの奥さんは世代にしては珍しく嫁いびりのようなものは受けなかったそうです。
むしろ辺境部なのに嫁いできてくれたことや、実の娘のように大事にしてくれたこと。
免許のないお母さんと一緒に出掛けた時にこっそりと二人で喫茶店で甘いものを食べたり、映画を見に行ったりと大事にしてもらったということでした。
養父母に育てられた自分にとってはAさんのご両親が本当の親のように思えて久々に夢の中で会えたこと、そんな言葉をもらえたことなどを恵子さんに感謝していたそうです。

お母さんは娘さんにも、おはじきを見つけてくれて嬉しかったことや、これからも時々でいいから顔を見せてほしいということ。できるだけ兄弟はAさんの奥さんを支えてほしいということ。喧嘩になったら奥さんの味方に付いてほしいなども話したそうです。
Aさんのお母さんは喧嘩の際にはかならず奥さんの味方になっていたらしく、これは誰も味方がいないような家に嫁いできた奥さんに対して、自分だけは味方でいたいというものだったそうです。
Aさんの奥さんもお姑さんのことをとても大事にしていたらしく、久々に会えてことで話したいこともたくさんだったそうです。

あの小屋で一緒に休憩したこともあったことを思い出したり、思い出がたくさんあふれてきて目が覚めた時には少し泣いていたとのことでした。

4人全員が同じ夢をみたのはそれがご両親からのメッセージだったということには間違いないとなったそうです。

指輪はどうなったんですか?
恵子さん
お母様の指輪は奥さんがつけてるみたいね。お父様のはAさんは落とさないようにケースに入れて仏壇に飾ってるといってたわ
落としたらお父さんと同じコースになってしまう(笑)
恵子さん
本当に数十年ぶりにたくさんの宝物が出てきて、夢の中でもそうやって対話ができてよかったっておっしゃってたわよ
よかったです
恵子さん
一番いい形になったわよね。それとAさんがKちゃんにもよろしく伝えてほしいといってたわよ
恵子さん
緊張せずに済んだらしいわよ
それはきっとアースジェット様の力ですね。本当に殺虫剤まいたくらいしかやってないので
恵子さん
思い出って言葉だけでは片付かないものを見つけると、Aさんみたいにその瞬間時に時間が戻っていくんでしょうね。あの小屋は役目を終えて安心して取り壊しを待てるというか
家とかもですけども人が住むところって人の気持ちがたくさん残ってるんですよね
恵子さん
家相っていう言葉があるけどもあれは家だけじゃなく人も含めてだと思うのよね。だからこそ、すべての指名を全うしてから壊されることはとても大きなものだと思えるのよ
ですねえ。でも、そんなものがあの小屋にあったのはすごいなあ
恵子さん
指輪が出てくるとは思ってもなかったけれども、いい結果になって本当に良かったわ。あまりいい方向に行かないことが多いじゃない。だからこんな風に連絡をいただくとよかったなあって思うのよね
凄惨な結果とか悲惨な結果とかも多いですものねえ……
恵子さん
そうなのよねえ……
Aさん達がいい感じだったらそれが一番ですよね
恵子さん
写真も、モノクロからカラーにできる技術もあるからモノクロの複製とカラーの作成と今お願いしてるみたいよ
写真も喜びますよね
恵子さん
そうねえ。私は何があるまでは読み取れなかったけれども、本当に宝物が眠っていたわね
取り壊した後はあそこは何かするんですかね?
恵子さん
売りに出すのかはわからないみたいね。安全を考えてまず更地にしておくということみたいね。どうするのかも兄弟全員で話をするって言ってたし。珍しく私の中でもいい仕事だったと思えたわね
ハッピーエンドってなかなかないですものね
恵子さん
そうなのよねえ。もうすこしみんなが幸せな状態だったらいいんだけれどもね、毎回。そうはいかないのはしかたがないんだけれども
人が一番怖いなあって毎回思いますね、恵子さんのお仕事のお手伝いをさせていただくと。同時に人が一番優しいというのも出てきます
恵子さん
そうなのよねえ。今回の件でAさんたちは兄弟の気持ちも一つになりそうなところはあるわよね。そういうものが本当にごくまれにあるから、まだなんとなく私もやっていけるというのはあるわね。あの小屋の中には本当に私ですらわかるほどの優しさやそこに来た人たちの真摯な気持ちがあった。完全に読み取ることはできなかったけれどもそれでも断片から伝わるものだけでも、なんとかしたいという気持ちにさせるものだった
見えないし聞こえないんですが、あの小屋はなんかあったかい感じはしましたよね
恵子さん
いろんな人たちもだけどもなによりもAさんたちみんなの人生の一部を見てきた存在でもあるのよね。時に秘密基地になったり、時に待ち合わせ場所になったり。失恋の話や新しくできた友人の話なども全部聞いてきた存在なのよ。そういったものを送る気持ちをもってAさんたちは
取り壊しの手続きをしてくれた。それだけでも嬉しいし、あの小屋も嬉しいんじゃないかしらね
ですねえ
恵子さん
流石にあとは何も出てこないとは思うけれども、もし何か取りこぼしがあれば夢で伝えてくると思うし。AさんもだけどもAさんの奥さんにも
なかなかいい関係だったんですね
恵子さん
あの時代にしては嫁いびりもなかったし、実子のようにかわいがってたいね。時には厳しくすることもあったけれどもそれも愛情をもってのことだったから奥さんもきちんと受け止めていた。お葬式の時には娘さんよりも大泣きしてたみたいで、それをお母さんも心配してたみたいね。もっと一緒に色んな所に行きたいかったけれども、今度は指輪があるからそれを色んな所につれていってくれんじゃないかしらね
いい話を聞いたなあって思います
恵子さん
そうねえ。嫌な話が多かったから余計に思うわね(笑)
そういえばバルサンの空き箱は捨ててもらえたんですかね
恵子さん
それは大丈夫みたいよ。ちゃんと片付けてくれたみたい。まあ残っていたとしても取り壊す際には一緒に片づけてもらえるし
Aさんたちにいいことが、またあるといいですね
恵子さん
本当にそうねえ

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

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