除霊する?有名なお堂が騒がしい 霊道はイタコに任せよう

恵子さんと岩手の旅~現地のイタコさんとの除霊~
執筆者:ゆい

現役イタコの恵子さんには様々な依頼がやってきます。
それは時に県外などからも来ることがあり、可能な場合には現地に出張という形になります。
今回は、恵子さんと岩手のイタコさんとの除霊のお話をご紹介します。

恵子さん
除霊はどんな感じのものになりますか?
美由紀さん
この中ですね。お堂の中がどうも騒がしくて。私も何体かは除霊したんですが増えてるのかもとに戻ってる気がするんですよ
恵子さん
たぶんここ、霊道よね?
美由紀さん
ですね。八卦で見るとぎりぎりかすってるところにはなりますね

二人が話している間に周辺を軽く歩いてみましたが、古びた六角堂のようなお堂でありぱっと見はそれ以上のことはわかりませんでした。
周りにはアジサイの木が多く、梅雨時期などはお堂の古風さと重なり綺麗だろうなと思えたほどです。

目次

霊視?何が見える?アジサイの中にあったものとは?

恵子さん
霊道はずらせないしね
美由紀さん
ですね。ずらすって考えもなかったですけども(笑)
恵子さん
ずらせるならずらしたいんだけどもね。何かが媒体にはなってるはずだからそれを見付けちゃえば何とかなるとは思うんだけども。Kちゃん!!
はい?
恵子さん
周りを見てきてなにか見つからなかった?
私は犬か何かですか
恵子さん
この子ね、そういう勘が強いのよ
美由紀さん
ああ、わかります。本人は嫌でもそういうのから好かれる感じですよね(笑)
アジサイがきれいだろうなあということと、霧雨とアジサイとこのお堂だったら雅だなあってかんじですかねえ
美由紀さん
アジサイの周り、見ていきましょうか
恵子さん
風景なんて意識していないからしっかりと見ないものね。アジサイ見ていきましょ

アジサイの中にあったもの
アジサイは周囲に群生しているようにも見えました。
春先ということもあり、まだまだ咲く気配はなかったのですが規則性のある並びではなく自然な生え方だったと思います。

恵子さん
アジサイの並び方がおかしいわね
美由紀さん
ですね
全く普通に生えてるように見えますが
恵子さん
同じ色だけ群生してるわね
未来視ですか?
美由紀さん
土壌全てが一定なわけじゃないですからね。しかも、霊能者(わたしたち)に悟られないようにするだけの能力があるという部分もですかね
恵子さん
ね、この子そういうこと得意なのよ
危なくないように下がってますね
美由紀さん
Kさん、アジサイの中で気になるものはありませんか?1本とかじゃなくても、ここが違和感があるとかを見付けてもらえれば

思わぬ大役を急に預かることになり、意識して周りを見てみました。
お堂の古さはありますが一枚の写真として納めればきれいな風景になります。

お祓いや除霊が専門ではない そんな私だから気がついた!

あれ?アジサイの根元に石があるんですけども
恵子さん
石?どこどこ?
あそこです。あのアジサイの根元にあるの石ですよね?あの石はなんか不自然な気がします。写真とかとったときになんかこう、石にフォーカス当たりそうな感じというか
美由紀さん
たぶんそれですね。私たちのような見える、読み込めるものだけでは見つけられないように。そして、ここに来るのは大体がそういうものであることを逆手に取ってますね
恵子さん
このこは盾役とかもできる子なのよ
美由紀さん
なるほど。だと、勘は鋭いのも納得ですね

繰り返しますが筆者は霊的なものは全く持っていません。
霊的な場所もですがホラー映画なども好んでは見ないほうです。

除霊のグッズでお酒は重要!和紙や紐も大切な役目

美由紀さん
Kさん、この石をずらすことはできますか?
あ。はい……土触るとちょっと手がかぶれることがあるので軍手しますね
美由紀さん
軍手あるんですか?
思い付きで山に行くので車に積んでるんですよ。多めにありますし、ビニール手袋もありますよ。ビニール袋と資材梱包用の紐とかもあります
美由紀さん
恵子さん、すごく準備のいい方ですね。たとえ偶然でも紐があるなんて。もしかして、和紙の代わりになるものとかあります?
和紙ではないかもですが、着物を包む紙ならつんでます。もらってきて載せっぱなしなんですが
美由紀さん
恵子さん、この人はとっても便利な方ですね
恵子さん
でしょ?除霊もこれでスムーズに進むわね
美由紀さん
Kさん、紐と包み紙を頂いてもいいですか?その分のお礼はしますので
お礼は特にいいです。持ってきますね。軍手も取ってきますので
美由紀さん
ありがとうございます。じゃあ、あの石をKさんにどかしてもらって……
私が触って大丈夫なものですかね?
美由紀さん
一瞬すごく嫌な気持ちになるともいます。でも、直ではなく軍手越しなのでそこまで影響は来ません。除霊の際に一緒にKさんにつく澱みも飛ばしますので
よくわからないですが石をどかすといいんですね?
美由紀さん
今準備しますので

美由紀さんは着物用の包み紙を和紙のように加工し、そこにお酒や御水などを掛けて何重もの重ならない円を書いていきました。
ばねなどを開いたときに見えるようなあの何重にも重なった円です。

この丸の一つ一つに意味があるらしいですが、霊能力のない筆者には規則性のある円が少しずつずれて作る円の絵画のように見えました。

恵子さん
この真ん中に空間があるでしょ?
はい
恵子さん
ここにその石を載せてもらいたいの。美由紀さんから言われてからでいいから
軍手の準備はできました
恵子さん
しかし、あなたには気が付けて私たちは見えない。最初からここに霊能力がない人間はほとんど来ない、来たとしても興味を持たないようにしてるあたり賢いわねえ。元は人だった感じかしらね
やっぱり人のほうがそういうものには知恵が回るんですか?
恵子さん
一概にはそうも言えないけどもね。人のそばにいれば賢くなる存在もいるし、どれも知恵は持ちやすくなる。人が最高位ということはないわね
そうですよね。実家の犬や猫を見ていても賢い時がありますし
恵子さん
元が人のほうが人を遠ざけるのは上手にはなるのよ。ただ、結構古いのに風化せずに効果を出してるっていうのは人の手が加わってると思うのよね
美由紀さん
Kさん、石をどかしてここに乗せてもらえますか?
はい

美由紀さんに言われ、アジサイの根元の石を持ち上げようとした時です。
一見すると丸石に見えていたのですが実際に持ち上げたところ、下のほうにも石が続き形としては三角形を逆にした感じで突き刺さっていたという表現が近いかもしれません。

石を落とさないように慎重に真ん中に置き、後方に下がります。
恵子さんと美由紀さんがその上から清酒をかけながら何らかの呪文のようなものを唱えていくと、石から湯気のような白いものが登り始めました。

始めは湯気のようだったものが、次第に虫の幼虫のようにうねうねと動き始め、石の周りに落下してきます。
中央に置かれた石とそれを囲むように書かれた円。
円にその何かが触れるとじゅっという音を上げて消えていきました。
臭いなどは特になく、石から湯気が立ち上る、形を変える、蒸発する、というものを繰り返し見つめていました。

恵子さん
あらかた片付いたかしら
美由紀さん
ですね。あとはこの石を片付けてしまってお堂周辺の浄化でいけるかと
恵子さん
じゃあ、一緒にこの装具も埋めちゃっていいかしらね
美由紀さん
この土地に関連しているならいいんじゃないですかね?私はそのあたりは管轄外になるので
恵子さん
県外よりもこの土地のほうがいいでしょ
あの、さっきの虫みたいのは何だったんですか?
美由紀さん
あれはこの辺りに集まった虫ですね。虫の残骸があの石に引き寄せられたんです。なので、虫に対しての勘の薄い私は見えなかったんです。石が虫に擬態していたという感じですね。石を設置したのはおそらくこのお堂の修復か何かにかかわった人でしょう。ここは恵子さんも言ってますが霊道があるので、その道を上手に誘導すればどこかの家に長期間に霊障を与えることも可能ですからね
長期間の霊障
美由紀さん
珍しくはないんですよ。よく、末代までたたってやるとかあるでしょう?あれはこういう霊道をずらして使ってることも多くて。それでいて霊能者には見えないようにしてくるのでお互いにどこを上手に攻めていくかになるんですよね。以前はきっとこの石の下に、まあ、何らかの蟲毒的なものを入れたんでしょうけども
そんな石をおもいきり触ってるんですが大丈夫ですかね?
美由紀さん
今のところ何かがKさんにくっついてるとかはないですね。一応軽く祓っておきますね

霊視などの本物は専門性が高いのよ 二人のイタコに聞いてみた

おねがいします
美由紀さん
恵子さん明日、三陸いかれるんですよね?
恵子さん
ええ
美由紀さん
この紙のあまりで人型作っておきましょうか?地鎮ならあって困るものでもないと思いますし。Kさんにも今回はいろいろとやってもらったのでその対価として。少し足りないと思いますけども
恵子さん
十分じゃないかしら
美由紀さん
今回は金銭では難しい部分でのサポートでしたからね。私もこういう人が欲しいですね
恵子さん
調べ物とか早くてね。私はほら祓うほうの専門だから。この石も念のために割っておくわね

硬そうな石でしたが恵子さんが水をかけた瞬間に亀裂が入り、きれいに二つに割れてしまったことに驚きました。
割れるときに音もなく、本当にスパッと二つにきれいに割れたという感じです。
風化せずに呪術が生きていたのは今までに人の立ち入りが少なかったこと、霊能者には見えにくい擬態をしていたこと、アジサイの色が全て同じであり石そのものに熟成した精気を送れていたことなどがあるそうです。

このアジサイが広範囲でおなじいろということは珍しく何らかの意思や霊的なものの介入で同じになっているようです。
少なくとも今年のこの場所のアジサイは白になり、来年以降に本来の色に戻る可能性が高いと美由紀さんが説明をしてくれました。

こんなきれいな場所でそんな呪術的な事をする人もいるんですね
美由紀さん
お堂もきれいだし、本来なら人がもう少し来てもいい場所なんだけれども人が来ないようにいろいろと細工はしてあったみたいですけどもね。私も、除霊を頼まれてから初めて意識してこの場所があることに気が付いたくらいなので
何のために呪術を使っていたんですかね?
美由紀さん
お堂の中身でしょうね。お堂の中に何かがあるのでそれを守ることが目的だったのかもしれないですけども。中身までは私の依頼の範囲から離れるので触れませんが
恵子さん
必要以上のことはしてはいけないからね。それに対しての対価をだれが払うのか?になるから、イタコは線引きができないと難しいのよね。好奇心が強すぎてイタコをやめた人も多いし
難しんですねえ。一般の部なので
恵子さん
好きでなりたいって人もいるんだろうけども、そういう人ほど長くは続かないのよね。霊的な能力をどうにかしたい、普通の生活が難しいという部分を把握するとイタコや霊媒師という選択肢にはなってくるれども
前にも、必要以上のことをした場合には依頼者かイタコのどちらかに追加の対価が求められるって言ってましたもんね
恵子さん
お堂の中身は私も美由紀さんも気になるけども、今回は除霊という部分を依頼されてるわけだからね。そのうち中身が分かったときには教えてもらえればいいかなって思ってるけれどもねえ
祓えるものならいいですけども、相手が霊的なものだと目に見えないものを祓うことになるとも言ってましたね
恵子さん
目に見えるものでまあ、あまりよくない生贄や贄程度ならいいんだけども中には寿命とか運気とかの場合にもあるからね。そういうのを考えるとイタコや霊媒師で残れる人って少ないのよねえ
美由紀さん
ですねえ。どうしてもなりたい!というよりも、最終的にイタコや霊媒師、霊能者になったという人のほうが対応とかはしやすい感じですよね
希望してなりたいって人もいるんですか?
美由紀さん
いつの時代にも、不思議な力を持っているというのが好きな人や霊的なものが好きな人っているんですよ。そういう子が、私も霊能者になりたいんです。霊感も強いほうだと思います!って年1くらいできますよ~。でも、そういう子の霊感って私たちの思うところとは結構違っていて。むしろ素質がある場合はこちらから声をかけるというか。私も相談した人から、イタコの素質があるんじゃないかといわれて判断してもらって、修行先を作っていただいた感じですね
大変なんですね
美由紀さん
もう少しその辺の理解とかも広がればいいんですけどもね。もし、自分で霊感や霊的な素質があるかもしれないと感じた時はいたずらに危ないところにはいかずにまず、地元の霊能者に相談してみるのがいいと思います。そこで適正も見てもらえることが多いですし、霊能系といってもどれが向いているかとかもみんな違っているので
恵子さん
私なんかも便宜上イタコになってるけども、どちらかというと霊媒師系に分類されるしね。ただ、霊視や透視、若干の未来視もできると総合でイタコになるというか
美由紀さん
私もイタコにはなりますが降霊よりは物祓いや縁結び、縁切りに特化してますからね
総合職と専門職みたいな感じですかね?
美由紀さん
ですね。そうなってくるので一つのチームとかでやってる人もいますし、必要な時だけこんな風に集団になることもある感じですね
祓える人って少ないんですか?
美由紀さん
祓えるレベルになりますね。恵子さんのように応用力のあるベテランが少ないです。一回で祓えなかった場合に即反撃できるかどうか、どこで退くか、交渉をするのか、完全消滅なのか、取引を持ち掛けるのかなどをその場で即判断できる人であって、その上で祓う力が強い人ってなると限定されるんですよ
なるほど。県外までの遠征に同行は初めてだったんですが納得しました

お祓いや除霊の能力はなくても イタコが認めるこんなタイプも必要

美由紀さん
私がそちらにいく機会があればよろしくお願いします
私は何もできないので恵子さんがきっとよろしくしてくれます
恵子さん
まあまあ。明日もう一仕事あるからね?
ちなみに私はお肉も好きですが、山菜も海産物も冷麺も大好きです
恵子さん
この子ね、こういう子なのよ。自分でわからない価値はそういうもので計算するタイプ
美由紀さん
またこちらにお二人で来た際には今度は観光のほうを案内しますので。まだまだ震災の痕が凄いですけれども、着実に復興はしてますから
恵子さん
次はそういうので来たいわね
ですね

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

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