東日本大震災被災地、石巻の慰霊に参加した体験談

石巻での慰霊に参加してきました1

東日本大震災で石巻は大きな被害をうけました。
今でもその傷跡は残っており、人口なども戻らない街も多くあります。
12年たっても変わらない部分などは、あまり報道されることはなく、復興と希望という部分が強く出されています。
実際にはどうなっているのか、霊的な部分を中心に石巻の除霊のお手伝いに参加させていただきました。

目次

除霊の依頼を受け、宮城県石巻市へ

石巻までの送迎ですか?
恵子さん
そうなのよ。お願いできるかしら
大丈夫ですよ。高速使えば割と早めに付けますし、石巻は何度かいってますので少しだけですが道はわかってます
恵子さん
除霊の依頼が来てるのよね
恵子さんに依頼が来たっていうのは何か厄介な感じですか?
恵子さん
私に来るのが必ずこじれてるとはかぎらないわよ(笑)
石巻なら大丈夫ですよ。あの辺はおいしいお店も少し知ってますし、新しい所を調べるのもありですし
恵子さん
割と近場といえば近場だしね。気負わずにいきましょうね
はい~

石巻の中心部や被害の大きかった湾岸部の一部の復興は進んでいますが、まだまだ壊れたままの状態の所が多いのも実情です。
都心部ではなく地方であり、過疎地ということも復興がうまく回らない部分になっています。
12年以上がすぎても瓦礫が残る場所などの報道はほとんどされません。
それは霊的な供養なども同じであり、今でもその土地に残り続けている霊的な存在も多くいます。

大分よくなったようなそうじゃないような
恵子さん
建物はまあそこそこよね、細かな所とかはキリがないし12年で一巡したことであきらめる人も少なくはない。それはそれで一つの考えではあるけども割り切れないのが自然災害なのよ
あの時はすごく寒かったですよね。まさかこんなに暑い夏が来るとは思ってませんでした
恵子さん
本当にねえ……こんな暑さは、もはや修行レベルよね。これ以上のものはないわけだしねえ……そこに停めてもらっていいかしら?
了解です

恵子さんの後ろから荷物を持ってついていきます。
聞いてるのは慰霊を頼まれているという事だけです。
そういう時はあまり聞かずに参加させていただくようにしています。
今回お邪魔するうちの方をDさんとさせていただきます。

霊能者が除霊する、12年この世に留まる霊

恵子さん
お久しぶりです、お邪魔いたしますね
D さん
お久しぶりです、よろしくお願いします
恵子さん
こっちはお手伝いをしてくれるKちゃんです。霊能力とかはないのでそういうものだと思ってください
D さん
よろしくおねがしいます
よろしくお願いします。Kです
恵子さん
今日はどうしましょうか
D さん
12年も過ぎたことなので、もうそろそろ安心してもらってもいいと伝えていただけないですかね
恵子さん
かしこまりました

Dさんは震災で奥様を亡くされており、現在はお子さんたちご家族とくらいしている状態です。

恵子さん
奥様、12年の時間がすぎました。季節も干支も一巡いたしました。これ以上のとどまりはもう上に行けなくなります。いずれ旦那さんがそちらに行かれたときに合うことが、叶わなくなりますよ
………………
恵子さん
お盆で戻ってくる方たちと一緒に上がるのも方法です。私がこうして呼ばれてきたのは旦那さんが奥様を思ってです。いずれ、みなそちらに行くんです。少しだけお待ちになってもらって、何を話すのかを考えていてもいいかもしれませんよ。ええ……心配なのはわかります。ここにいれば気配で伝えることや、たまに触れることもできます。でもこれ以上はあなたがよくないものになってしまうんですよ。まだ人のままで上に行きませんか?
大変な案件だった
恵子さん
ええ、ええ。残りすぎてどうしたらいいかわからないんですね。大丈夫です、私が道を作りますから行きましょう。みんないずれ仏になるんです。先に仏になって旦那さんに大きな顔ができるのも悪くないでしょう。Kちゃん、お香焚いてくれる?
はい。着火しますね
恵子さん
この煙は上まであなたを運んでくれます。大丈夫です、上からでも関与できますから。心配はいらないですよ

恵子さんが説得してる間はずっと煙を絶やさないようにしています。
お香ではありますがこの時に必要なのは大量の煙でありイメージとしてはうなぎや焼き鳥を焼くような感じで煙を室内に充満させることが私の役目になります。
必要であればガスマスクなども使いながらの作業です。

恵子さん
Dさん、煙を一度だけ吸っていただけますか?
D さん
はい

不思議なもので、この煙は吸い込んでも咳き込んだり肺に痛みを感じるなどがありません。
香りは花のような香りですが煙は白く、焚き方によってはまっすぐ上に向かって竜巻のような形にすることができます。

煙をDさんが吸い込むと今度はまっすぐ上に伸びていくような形になり、やがて四散しました。

恵子さん
12年心配しつづけて先ほど上に行かれました。今度は上からDさんご家族を見守ってくださいます。この辺りはどうしても残っていたいと感じる方が多いですからね
D さん
そのようですねえ。恵子さんのように定期的に説得してくれたり、成仏させてくださる方も年々減ってしまっていて……
恵子さん
ですねえ……私の同胞も何人かあちらにいかれましたからねえ……だからこそ今度は新時代の霊能者が出てきてくれるといいんですが、こればかりはなんともいえないですからね(笑)
D さん
妻は何と言ってましたか?
恵子さん
奥様は心配なのもあったんですが時間が経ちすぎていて、足に少し根が張ってしまっていたのもあります。ですが先ほどきちんと上がられていきました。ようやく奥様にも区切りができたんでしょう
D さん
12年も居てくれたんですものねえ
恵子さん
ですねえ……姿はなくともそこにいるというのを感じるだけでも、人間は生きていく力にできるんです。その区切りは数日の人もいれば数年かかることもある。せかさずに本人が納得できる時間を過ごし、そこでこちらが手を差し伸べることでやっと成仏という段階に進むことができる。その時間をこちらから無理矢理、詰めるよりも私は時間を過ごしてもらうほうを選んでしまうんですよね
D さん
何年かまえに若い男性のそういう成仏させられるという方が来たんですが
恵子さん
ええ
D さん
一方的にこう、妻を成仏というか除霊しようとして妻も抵抗してしまって相手に傷ができてしまい……
恵子さん
うーん……ちゃんとした考えというのはおかしな表現ですが、霊的な存在を理解しているなら現状を見ることができるんですけれどもね。そこで除霊という方法はとらないと思います。除霊は本当に最終手段ですし、成仏の道を作れるならそちらをつくるほうがご家族もご本人も満足できるかと思うんですよ
D さん
ええ。ここら一帯は恵子さんが定期的に来てくださって色んな方をあげて行ってくれてるのをみんな知ってますからね。乱暴な方法に驚いてしまったというか
恵子さん
またそんな子が来たら連絡をください。対処できる部分は致しますので
D さん
今日は本当にありがとうございました
恵子さん
いいえ、奥様がきちんと上に行かれて私もほっとしてます。どうしても長いお付き合いでしたし、奥様もいろんなことを私に話してくださいましたからね。不慮の災害ですもの、少し時間がかかっても神様や仏様も誤差としてみてくれますよ
D さん
そういってもらえるほっとしますねえ
恵子さん
お仏壇もですが、たまに奥様の好きだったお菓子とお紅茶をテーブルにだしてあげてください。奥様はその方が喜ばれますから

恵子さんはこの日、数件のお宅を回ることになっていました。
二件目のお宅の前についたときに恵子さんから軽く背中をたたかれました。
二件目のお家をAさんとさせていただきます。

二件目の慰霊は、火を焚いて霊道を塞ぐ

恵子さん
ここのお家は地震で霊道があいてしまったのよね。なので定期的にふさぎにきてるんだけども。霊道じゃないんだけども霊道みたいなものというかね
わあ
恵子さん
こんにちは、おひさしぶりです
Aさん
お待ちしてました。なんだか今年はひどくて。引っ越しも考えてはいるんですけども
恵子さん
お邪魔いたしますね。引っ越すにしても、そういうものを引き寄せ無いようにだけはしておかないと憑いていくのも出てきちゃいますから。今年がひどいのは12年目だからというのもありますね。12年は干支も季節も一巡するのと様々な区切りになる。その区切りの時に生まれる様々なものを飲み込みたくてやってくる存在もいますから
Aさん
今年はなにもないといいんですが。もし私たちが引っ越すなら甥が住みたいと思っていて……
恵子さん
海も近いですし、いい場所ですよね。私は好きですよここ
Aさん
どっちにしてもお盆の前に少し何とかならないかと思っていたので、今日こちらに来て下ると聞いてほっとしてました
恵子さん
では始めますかね

恵子さんに指示を出してもらい、持ち込んだ白樺で櫓(やぐら)のようなものを組んでいきます。
組み立て用の図面は事前にもらっているのと何回か組んだことがあるので慣れた部分もあり15分程度で50センチほどのもの組上りが完成しました。
その中に恵子さんは、もちこんだ八角や乾燥させた花びらなどを投入していき上から石巻の地酒をかけていきます。
その上に乾燥させた何かの枝を埋まるほどに詰め込んで火をつけました。

不思議なものでこの火は櫓の外に漏れることがなく、組み合わせた枝の隙間から火を覗けるというよくわからないことになっています。
こういったものに関して理屈はないと思っているのでそういうものだと思って見つめるだけになります。

これは何をしてるんですか?
恵子さん
これはね、ひび割れてしまった地脈の一部を接着剤で止めてる感じになるわね。毎年流しているから、そろそろひびが埋まってもいいはずなんだけども……一回じゃ埋まらないから、ゆっくりとこうやって時間をかけて閉じていくしかないというか
なるほど、ひびをうめてるんですね
恵子さん
そうそう。何度も流し込むことで下から持ち上げることができなくなるでしょ?そういう感じで埋めちゃって本来の流れにしてしまうというか。もちろん、その接着剤みたいなものは、他の隙間にも流れていくからここら辺全体に対しての蓋にもなるという予定なんだけども
水絆創膏みたいですね
恵子さん
近いかもしれないわね。傷のところはもちろんだけども、周囲の細かなひびにも入って固めてくれるし
Aさん
恵子さんとは地震以降のお付き合いなんですが、本当に良くしてくださるんです
本当に大きな地震でしたよね
Aさん
うちは、たまたまみんな出払っていたのと、ここまでは波は来なかったんですけども、道路一本向こうまでは、きてますからねえ。この辺もだいぶ人がいなくなってしまって
大きく取り上げられることも減りましたものね

慰霊や供養も復興に必要なもの

Aさん
私は元々そういう霊感がないんですが、地震以降なんかそういう気配を感じてしまうことが多くて。それでほかの方が恵子さんに相談してるのをみて私もお願いするようになったんです
恵子さん
この辺はどうしてもそうですね。当時は無理矢理、成仏させるとかもせざるを得ない部分もありましたし
Aさん
それでもここまで霊的なものに対して、向き合ってくださる方が来てくれるとは思いませんでした
恵子さん
あの時って、こちらに来れるようになってから神職の方とかも来てましたものね。お墓やお社なども流されてしまって、魂入れとかもしなきゃいけないとかでばたばたしてましたねえ
Aさん
ですねえ。神社のほうも無事に再建してもらってご神体も見つかったのを改めて神主さんが来てくれて中に入れてくださって
恵子さん
Bさんです?
Aさん
です。B神主さんが。最近は息子さんがたまにこちらを回ってくださってますね
恵子さん
Bさんはすごく丁寧な仕事をなさる方なので、息子さんも同じな感じがしますね
Aさん
今風の息子さんですけども、すごく丁寧ですね。老人会の人たちにつかまって帰りは手土産を山のように持たされてますね(笑)
恵子さん
無くしたものもたくさんありますけども、新しく生まれる縁もある。その縁を大事にするかどうかもその人次第ですからね
Aさん
どうしても、この辺りまでは行政も国も手が回らない時期がありました。その中で供養や葬儀をしてくれた僧侶の方たちや神職の方たち、表立つことはないけれども同じように慰霊をしてくれる霊能者の人たち。私たちがどれだけ救われたか。そこにいる人がどんな人か、もういかなければいけないのか、もう少しだけここにいるから泣かないでほしいとか。そういったものを伝えてくださる存在は本当に心強かったですよ
恵子さん
ほんの少し前まで、そこにいた人たちですもの。いきなり世界が変わってしまっても気持ちが変わることはないですよ。そういうこえを伝えるのも私たちのできることですから
Aさん
本当に、どこも直ってないとも思えるのに、復興したといわれる部分が多い。若い人たちは地震から別のところに引っ越してしまった人も多いですし
恵子さん
それはどこでもおきることですからね。代わりにあえてこっちに引っ越してきてる人たちもいる。縁も人間関係も新しくなっていき、新しい芽吹きがあれば、それも一つの形なんでしょう

お二人の話を聞きながら、火が消えないように枝を追加で入れていきます。
この時は割と豪快に入れてもいいので火の粉が不思議な色になるのを眺めたりしながら過ごせたりもします。
一般的な火は赤やオレンジ、青などがありますが恵子さんがこのようにするときは、緑や紫なども混じっていて虹のような火の粉になることもあります。

毎回思いますけどもこの火の粉って不思議な色ですよね
恵子さん
ああそれ、その辺にいる適当な何かが燃えてるとそういう色になるわよ
適当な何か
恵子さん
引き寄せられてきた虫とか樹木とかそういったものの
そういったものの?
Aさん
恵子さんが初めてこれをしてくださったとき、私も息子も同じことを聞いたんですよ(笑)そうしたらね、適当な何かっていうんですもの(笑)
恵子さんの場合は本当に適当な何かだったりしますからね
恵子さん
(笑)
Aさん
今は引っ越してしまったけども当時ここに住んでいた人がね、その適当な何かが消えれば不安も減りますかねっていったら“減りますね。そういうものはみなさんの気力や悲しい気持ち、負の気持ちを食い荒らしますから”ってさらっといってくださってね。小さい子が“じゃあぼくもやっつけるよ”ってね。少しのきっかけでこんなにもみんな変わっていくんだなって感じました
本当に震災とかのときって、その人の本当の部分が見えますよね。私もできた人間ではないですが、遠方の友達がガソリン缶送ってくれたり、なんなら灯油にガソリン詰めて運ぼうかって言ってくれたり。さすがに福岡なんでやめてもらいましたけども(笑)
Aさん
本当にそういう行動がありがたいですよね。頑張れではなく一緒にがんばろう、時々は頑張らなくていいし、さぼってもいい。嫌な事は嫌だっていっていいってB神主さんが言ってくれたときに、これが本当に神様の言葉を聞く人なんだろうって思いましたね
恵子さん
Bさん本当にそういう気持ちの人ですからね
機会があればお会いしたいですね
恵子さん
そうね。Bさん岩手の方だからどこかで予定合わせて会えるようにしたいわね
Aさん
息子さん本当に神職には見えないんですよ(笑)
恵子さん
あの子ねえ、そういう部分で笑いを取りたいっていってるからねえ

焚火をするような、暖かな気持ちで終える慰霊

持ってきた枝がすべて燃え尽きて火種も静かに消えていきます。
ここまでにかかった時間は2時間程度です。
焦げくさい臭いや煙のいぶされた臭いなどもなく、ただただ焚火を見つけたときのような心地よい暖かさだけが肌に残りました。

恵子さん
多分これで蓋は完成したと思いますけども、何かありましたら連絡ください。私が都合つかない場合にはBさんでも大丈夫です。その際には恵子が蓋をしていったといってもらえればだいたい察してくれますから
Aさん
何もなくなればここで暮らしたいですからね
恵子さん
誰が悪いわけでもない。Aさんも、霊的な存在も。ただ地震がおきてしまったことで歪みとヒビができてしまった。それをお互いに一番いい形にするためには時間がかかるんですよ。今回で何とかなるとは思いますので
Aさん
ええ、でもまたこの辺りには来てくださいね
恵子さん
はい。みなさんとのご縁ですから

恵子さんの仕事は基本的に一期一会のようなものがほとんどです。
その恵子さんがご縁というほどに時間のかかる霊障があったということになります。
この日は早朝に出発したのでまだ数件回ることができる状態でした。

実際に訪問するとわかる部分はあの地震を経験したものであってもまだ恐怖を感じるほどでした。

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

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