恵子さんは除霊の際に様々な道具を準備することがあります。
最近ではその中に殺虫剤やファブリーズなども入ってきたことで、蟲系の怨念に対する簡易処置が楽になったというほどです。
(もしも部屋の中に虫がきても虫の気配がしたり、羽音がうるさい場合には殺虫剤をまくだけでもその気配が消えることが多いらしくそのような霊現象に悩んでいる人であれば一回試す価値はあります。また、玄関やお手洗いなどにファブリーズをまくことで霊的なものが入りにくくなったり留まりにくくなったりする効果も期待ができるので心配な方はファブリーズなどを使ってみるのもいいかもしれません。実際に殺菌なども霊的なものというよりも不浄なものをカットしやすくなるそうなのであって損はないという話でした)
まあ廃小屋だからねえ……ここでなんか人魂が出るから何とかしてほしいといわれたんだけども
大丈夫よ、今の所そこまでそんな気配もないから。でもねえ、だからなんでそんなものがおきるのか……人魂じゃなくて他のものなんじゃないかと思うのよねえ
虫はとかく苦手なんですよね。マスクは二重にしてます
恵子さんと、その問題の小屋を内覧していくと、とにかくほこりが酷い。
二枚重ねのマスクでもほこりの匂いがわかる状態なので、このなかに虫の死骸が粉末になって混ざっていてもおかしくはないと思えました。
一軒家などの大きさではなく、いわゆる作業小屋に近い大きさなのですが、大人数が休憩できるスペースと農具などを置いていたのだろうことから、広めの小屋に、なっており手入れがされていればいい環境なのではないだろうかと思いました。
戦後すぐくらいらしいからね。よく今まで持ったというか。まあ、原因がわかったら原因を根絶して取り潰しするって言ってたわね。老朽化でいつ崩れるかわからないから
まあ、人魂ではないわね。なんとなくはわかったからここの持ち主をちょっと呼んで説明したほうが言いわねえ……あなたは虫関連の道具とスコップあるかしら?
恵子さんが電話をしてからに十分ほどで小屋の所有者の男性がやってきました。
男性は人魂の原因をやはり気にしており、自分は見てないが家族がみているので不安をかんじるということを伝えてました。
男性を今回はAさんとさせていただきます。
よろしくおねがいします。原因はわかったんでしょうか?
人魂ではないですね。むしろここにいた人たちの思念は危ないから早めに取り壊してほしい、整地してほしいというものになってますね
ここいら一帯は開拓地区ですからね。この小屋でしっかりと休んで開拓をしていた。中にはこの小屋でプロポーズをしたカップルもいましたよ。いい思い出のたくさんあるこの小屋に対して不義理なことをしている人間はいませんね
ちょっと中に入ってもらえますか?Kちゃんも一緒に入ってちょうだい
ですね。朽ちてはいるものの役目を終えたようなにおいを感じます
ここでいういつものというものは近代兵器の殺虫剤になります。
三人共しっかりとマスクをしているので私はいつも通りに遠慮なく殺虫剤をガンガンに待て行きます。
虫の気配はしなくとも虫の羽音が聞こえ始めその音が次第に大きくなってきたとAさんが言いました。
もちろん殺虫剤をまいている私には何も聞こえなく、Aさんと恵子さんだけがその音を確認している状態になります。
ここに勝手に住み着いている虫の霊や思念ですね。この子が殺虫剤をまいているので耐えられなくて暴れ始めたんですよ
最近分かったんですが虫系には一時的に大きな効果を発揮するんですよ。なので使えるときは使っていますね。Kちゃん、玄関の所にあなを掘って薬剤を流してちょうだい
いわれたとおりに入り口の周辺に三か所ほど穴を掘って除草剤を流し込んでいきます。
小屋の中の音が悪化したらしくAさんと恵子さんが外に出てきました。
虫の塊が発光して人魂に見えたんでしょうね。一時的に今音が聞こえてるようにしたのと、こまかい虫のあれこれを消しているので大きなものを私が処理していくことになります。幸いなことに今日もってきている道具でどうにかなる範囲ですが
お願いします。あと私も見学しても大丈夫でしょうか?
問題ないですよ。ただ、映画のような派手な何かとかはありませんがいいですか?除霊というものは基本的に地味なものです。今回はこのように音を体験してもらうことが出きましたができない場合や感知できない人もいますので
恵子さんに言われたとおりに短時間で焚き終わるバルサンを小屋の中にセットして焚いていきます。
恵子さんは何か所かに盛り塩をしてその周りを囲むようにお酒で線を引いていました。
基本的に言われたことをした後は待機になります。
一般の部のものです。主にドライバーと荷物運びと殺虫剤担当です。虫がとにかく苦手なので虫を滅ぼす勢いで殺虫剤をまいたりバルサンを仕掛けることには定評があります、多分
そこまでもできないです。本当にドライバーと荷物持ちというか。それくらいしかできないです。殺虫剤とかは誰でもできる部分になってくるので
恵子さんに呼ばれてAさんと二人で入り口の所に向かいます。
入り口の所に置いた盛り塩の先端が黒くなっていることと、除草剤を流し込んだところに虫の殻のようなものが浮いていました。
まれに良くみます。恵子さんと一緒にいるとこれくらいは許容範囲になりますね
多分なんか違うものかもしれないので面倒ですから全部虫の殻あつかいでいいようにしてしまいましょう
Aさん、この子は見えないように全力で力を使っているのであの音も聞こえないんですよ。怖いものは嫌だという気持ちで完全にガードしてるというか。普通なら好奇心が勝るところでも守りを優先しているんです。見えないからこそできる部分もありますし。本当に霊能者とかでも助手でも弟子でもないんですよ。しいて言うなら年の離れた友人になるんですかね
難しいですね説明するのに。親の友人というかそんな感じで私の方が家に行くことが多いというか
タイマーセットしてますけどもあと30分くらいですかね。三つ焚いてるので頑固なものでもがっつりなんじゃないですかね。煙の少ないタイプなので安全度重視です。アースジェット様はあと2本予備があります
こんな風に予備も含めて、とても的確に動いてくれる大事な友人なんですよ。
まあ、蟲の思念体を全滅させればいつ取り壊してもいいと思います。でもできれば一度中をきれいにしてからの方がいいかもしれませんね。何かが見つかるかもしれません。確証はないんですけども、もしかしたらそういったものが見つかる可能性もあります。見つからないことも大いにあります。まあ、中をきれいにしてから壊しても時間はかかりませんし、Aさんが後悔することが無くなりと思いますよ
バルサンが焚き終わってから念のために10分ほど、待ってから立て付けの窓を少しだけ空けます。
ほこりの匂いはありましたが虫の匂いなどはなくなっていたことを感じました。
一つひとつは小さいものでしたね。一番大きくてセミ程度でしたので。なのでこれくらいでも簡単にただの小屋に戻すことができました。今回はこんな風に簡単に終わることができましたが、できないこともあります。いるものの強さや大きさで全然変わってくるんですよ。こんな風に短時間で終わることはあまりないですえ
あの一件で殺虫剤って便利だと思えるようになったのもあるわね
あとは窓をしめて一晩人払いをしてください。まあ、来る人はいないとは思いますがAさんもふくめて明日の朝まで誰もよらないようにいてもらえれば。中にあるバルサンの空は捨ててもらえれば大丈夫です明日以降に
いい空き家にはすぐに次の希望者がやってきちゃうんですよ。なのでそれを入れなくすためにも一晩、誰も近づけないでくださいね
あの音を聞かせられたら、これは本物だとわかりますからね。かしこまりました、私も近寄らないようにしておきます
Aさんと別れ途中で休憩をした時でした。
明日あたりから中の掃除をして近日中に取り壊しの予定を入れるって言ってたわね。去年とかの豪雨でだいぶやられてる部分もあったから
それもこわいわねえ。まあ、掃除をしたら多分いいものは出てくると思うのよ。
何が出てくるかわからない部分も含めて楽しめるやつですか?
それもなんともいえないわねえ。ただ、あの小屋に残っていたものから読めたのはこの小屋は開拓の際にすごくいい休憩所であり交流所だったこと、雨でやられてしまって虫に乗っ取られたことが悲しいこと、きちんと壊してほしいとかはあったのよね。それくらいに開拓というのは私たちが思う以上に大変なものだからね
何もない所から集落を作っていくって考えもつかないですよね
そうなのよね。それもあって苦労した人たちの気持ちを踏むことは私はちょっとできないというのがあるのよね。今回は虫が住み着いてからも日が浅かったのと、Aさん自体も虫の音を聞くことができたから話も進みやすかったのはあるわねえ
虫とかになるとこっちの意思とかは全く通じない場合が多いからね。虫の中でもまれに知識をもったり言葉を理解するものが出てはくるけれども虫は結局虫なのよね。退治するに限るわよ
ですねえ……虫はやっぱり虫ってすごく納得しちゃいますねえ
あの小屋は虫さえなければすごくいい思い出だけの小屋なのよね。確かにいざこざや、辛いこともあっただろうけれども開拓を共にしてきた集落の人たち、雨宿りをしたり学校帰りの秘密基地にしてきた子供たち。多くの時代にあの小屋にはたくさんの気持ちがしっかりと残っていた。古き良き日本の原風景の一つみたいなものよねえ
ですねえ。畑とかに小さな小屋はあってもあんなふうに広いものではなかったですし、農機具いれたら二人座れるくらいですね
Aさん自身もあの小屋にはいろんな思い出があるはずなのよ。その断片をきっと確かめることができると思うの
元もはそういう霊的なものは信じない人なのよね。でも自分も人魂をみているというのもあって人づてに私までの連絡をもってくれた。連絡をするときもうさんくさいと思いながらしてきたのもわかっていたし、だからこそ音が聞こえたことは大きな後押しになったのよ。勢いで除霊してしまえばいいだけだったから
そうなのよね。それもあって今日中に片付いてよかったわ。あとは多分、小屋の中で何かを見つけたら連絡が来るだろうからそれで終わりになるわね
それはあるわね。毎回こんな風にはいかないからねえ(笑)
虫の恨みというものがあります。
これは虫の命を不用意に不必要に奪った際のカウンター的なものかもしれません。
ですが、子供ころなどは虫に対してのそのような行為をしたことがないという人の方が少ないと思います。
ではなぜ、そういった現象を受ける人と受けない人がいるのか?になります。
虫の霊障を受けやすい人は一定ですが存在しており、ある程度の年齢になっても虫や小動物に対する虐待をやめられない人などになります。
また、その人と親しいなどの場合にも身代わり的に霊障を受ける可能性もあるらしく常に羽音のような耳鳴りがするなどの場合には一度、ご自宅に縁のある所でのお祓いなどを受けてから所定の期間お札などを張ることで解除されることが多いです。
これは虫よりも人間の生命力の方が強いことからきちんとした手続きをすれば跳ね返せる部分もあるからです。
ですが不用意に奪いすぎるなどはやはり、あまりよくありません。
害虫などはまだ範囲として大丈夫であっても、無害な昆虫などにたいしての虐待行為などは重ねすぎることで虫を通り越してほかのものの怒りを買ってしまうこともありえます。
そのような心当たりがない場合には殺虫剤での簡易的お祓いなども効果がないとは言い切れないので夏前に一度試してみるといいかもしれません。
除菌スプレーなども同様の効果があるとされていることもあるので、いずれかの方法で玄関などの人の出入りする場所、お手洗いなどの水場などを殺菌しておくと心身の健康につながることも多くなります。