霊能者は怖い体験を多くしていますが、私たち一般人と霊能者では恐怖の度合いが違ってきます。
霊能者が体験した”怖い話”を今回は現役イタコの恵子さんにいくつか直撃させていただきました。
目次
霊体験恐怖というもの
今回は恵子さんが体験した怖いお話を聞きたいんですが
山菜たくさんありがとうねえ。自然のものってうちの神様達にもありがたいから助かるわぁ
幸いにして熊とかに会ったことはないですね。鹿はありますけども。あとは……足場があると思って踏みだしたら崖でとっさに、笹掴んでなんとか助かったのはあります。それから山を歩くときは道があるがどうかを必ず確認してますね
なんだか山に行けなくなりそうなのと、とんでもない話が出てきそうですね
山に限らず、どこでも怖い話なんてあるわよ。直近だと怖い話でもないけども電柱の陰にいた何かが家まで憑いてきたわね。家に入るころには、いなくなったからどこかに行ったんだろうけども
そんなこともないわよ。そこにいるけどもみんな見えないだけであって。みえなくても問題がないから見えないのよ。見えるほうが良い人間には見えるだけで。見えても何もできないこともあるし何もしないこともあるわよ
怖い思いとかはそこそこしてるわよ。だからみんなそういう思いをしなくていいように自分を守る力とかを身に着けていくようになるのよ
怖い話はいくつかあるけれども、ひとによっては怖いと思わないかもしれないわね
最初に言うけれども、怖いということはすごく大事なのよ。怖いと思う事で危ない事を避けるようになる。自分が全く勝てない相手の時にはその恐怖が武器になったり身を守ったりもすることにもつながるのよ
霊体験怖いもの狐憑き
わりと前の話になるんだけどもね。娘さんがどうもおかしい。もしかしたら狐憑きというやつかもしれないという相談を受けたの。狐憑きっていろんな状態が出るんだけども、生肉を食べたりする方向だったみたいなのよね。なので狐憑きなのかただの動物の霊的なものが付いている、もしくは入ってるのかどちらなのかいまいちわからなくて。電話では判断できなくて対面することにしたのね。で、狐憑きだとこういうときって大体は夢枕とかあるんだけどもそれもなかったのよね。相手のお家に行くまでに少し日数があったけども一回もないから狐憑きではないのかもしれないのと、よほど自信があるからのどちらかだと思う考えになったのよ
※ 狐憑きに限らず自分に対して危険を及ぼす場合には警告や威嚇などを夢という形で発してくることがあります。
この際に霊能者のほうからの諭しなどで離れていく場合もあるので夢や幻影などの存在に交渉するのは有効な方法になります。
霊能者による除霊で存在を完全に消滅させられるよりも、他の依り代などを見つけることで自分の命を大事にする方向にいくこともできるのでこの交渉は双方に有効なものでもあると考えていいものです。
霊能者は最小限の負担、霊的存在は身の安全がとれるという交渉は少なくありません。
ですが、このようなやりとりはあくまで知的レベルが一定の水準になっていることが条件です。
狐憑きというものであれば、ある程度の強さのある霊的なものが憑いているという推測がまずできます。
このようなやり取りができない攻撃や衝動タイプの動物ベースの霊的存在であれば夢などには出てきません。
同様に霊能者よりも自分のほうが上位にたてる、人間を依り代として使いたいという考えの知的思考のものは攻撃も強いタイプの霊的な存在の場合にはわざわざそんなことはしないというのもあります。
この場合は対面した際に霊的な存在と霊能者が直接対話することになります。
(あくまで一例としてとらえていただけるといいかもしれません)
どっちかだろうなって思って一回では終わらないだろうし、まずはどのパターンなのかを見に行こうと思ったのよ。こっちに来てもらおうとも思ったんだけども家から連れ出せない状態だっていわれたらからねぇ。今だとKちゃんに乗せていってもらえるけども仕方ないから自分で運転していったのよ
そうなのよ。で、相手のお家にお邪魔したんだけども気配がないのよね。気配を消してるとかでもなくて本当に霊的な気配がないの。あんまりそういうのってなくてねえ……そうとうな大物だから完全に気配を消してるのかもしれないって思ったのよ。天狗とかだったらやっかいだわねえって
ああいう伝承に出てくるような存在の形を作ってるってのはなんか大変そうというのは私もなんとなくですが、わかります
で、娘さんを客間に連れてきてもらうことになったんだけども家の中にも霊的な痕跡がないのよ。臭いとかもない。庭先とかに自分がいることの証明や強者だったら連れてるお供的な存在もいない。これはどういうものなのかとちょっと悩んだのよ
下手したら神様かしらとか思ってこれは無理なら断るって考えたわね
で、娘さんが生肉というか……豚バラを齧りながら出てきたのよ
豚バラだったわね。生肉というと血液や肉にかぶりついたときの肉汁とかを好む動物が多いから塊を食べることが多いんだけども豚バラだったわ
まあねえ……何にでも使えるしご家庭には必ずあるともいえるわねえ……
豚バラを愛する霊的存在というとなんか一気に身近になりますね
なんというかね……狐憑きではなくて狐憑きの演技をしたんだろうとは思うのよね。まあ、そういう時期ってあるからね……なので私は帰ろうと思ったんだけども
お母さまからどうにかしてほしいって言われてしまってねえ
どうにもできないですよね?それは呼ぶ人というか分野が違うものじゃないですかね?
私もそう思ったのよね。その辺も包みながら話をしたんだけども、娘さんはたまに高揚して獣染みてしまうというかねえ……
そうねえ。でもまあ、何とかしてほしいって言われたから本物をとりあえず会わせてみることにしたのよ
狐憑きってまあ大体あまりいい結果にはならないんだけども、ごくまれに、ものすごくうまくいって狐憑きとして生活できる人もいるのよ
それで本物と対面させてみようかと思ったのね。で、お母さまにその旨をつたえてその日は帰ったのよ
※ここで狐憑きの方をBさんとさせていただきます。
Bさんは幼少期に大病で生死をさまよった際に自宅の近隣にある稲荷神社のものだという狐と狐憑きの契約をして息を吹き返したそうです。
狐憑きではあるものの一般職をやっていること、普通に世間に入って生活もできているというパターンであり狐本体の「普通の生活をしてみたい」をかなえる形になっています。
霊的なものなどは理解していることやある程度のものまでなら対処できるなど、霊能者と同じ感じでもあるまれな存在であるといえます。
Bさんも狐本体もどちらも男性であり、Bさんは現在結婚などは一切考えていない状態でもあります。
これは狐本体がBさんを魂的な伴侶と見ていることや、どうやっても心霊現象などが日常に絡んでしまうということからも仕方がないということでした。
それでBさんに今回のことを話して次回その娘さんに会うときに同行してほしいというのを伝えたのよ
Bさんも、自分でいいなら、きになるので行きましょうってね
私の知ってる狐憑きの方なんかはなんというか雰囲気とかが普通と違うっていう感じはありますね
そういうことも多いわね。Bさんなんかは割と普通の男の子でね。小さい時からそうやって過ごしているから自分はハーフみたいなものですって言うくらいだし。Bさんが言うにはそうやって暮らしてる狐憑きはいるからそういうものだと思ってるって
霊体験本物の狐憑きとの対面
Bさんと娘さんが対面した時にね、やっぱり豚バラを食べて、うなってはいたのよ。それでBさんが”僕はそういうのよりも焼いて食べるほうが好きですね。別段揚げがすきなわけでもありません。しいて言うならワインよりも日本酒のほうが好きですがワインはワインで美味しいと思いますがあなたはどうですか?”って聞いたのよ。本物の狐憑きがね(笑)
”もちろん揚げがあれば食べますが毎日は別に。歌舞伎や鍛冶などは好きですが……あなたはどうですか?”って。Bさんも狐憑きというものがどういうものなのかを知るために様々な文献や資料を読んでゆかりあるものや伝統文化なんかをたどったらしくて。その結果自分はこういうものが好きでこれはそういう効果(狐憑きだからということ)の結果なのかもしれない。でも一般的に言われる油揚げや厚揚げがないと機嫌が悪くなる事はない。狐にきいても”肉は焼いたほうがうまい”って答えてくるとか、自分達で見つけだしているのよ。それでBさんが娘さんの目をじっと見つめるというか、目を通してのぞき込むという感じかしらね。そうした瞬間に娘さんが悲鳴をあげたのよ
Bさんは狐はいませんでしたね。でも狐がほしいんですよね?って娘さんにきいてるのよ。Bさんの目がなんというかね、人間の目ではなくて渦を巻いてるようにみえたのよ。でも口元だけは笑っていて声は優しい。娘さんを押さえつけるとかもなく、ただのぞき込んでるだけなんだけども娘さんはずっと震えてるのよ
娘さんがずっとごめんなさいごめんなさいって言いだしてもBさんは”あなたを必要とする狐はたくさんいますよ。大丈夫ですよ、なれたら普通に生活もできますし”っていってるのよ。そこで私初めてBさんが娘さんをほかの狐に斡旋しようとしてるのかしらって気が付いたのよ。それでBさんに”狐憑きじゃないけどもまだ狐憑きになりたいのかしら?”ってきいたら”どうなんでしょうね?ぼくは自分と同じような狐憑きが増えたらうれしいですけども”て
失禁して失神したわね。そこでBさんも”僕は特に危害をくわえる気はなかったんですけどもねえ”って。帰りに二人でちょっと美味しいお寿司を個室で食べたわよ。三人前に、お酒とアテもつけて
そうよ。わざわざ来てくれたんだもの。それにBさんと暮らしてるから随分と人の形に似てきた部分もあってね。それでもし娘さんがどうしても狐憑きを貫く予定だったら、本当に狐憑きにしてやる気ではいたみたい。ただ、Bさんが”でもあの子、普通になれるんですかね?”って
なんというかね……Bさんが”部屋に色んなものは、いたから運が悪かったら無事じゃないですよね。狐憑きのふり程度でやめておけばよかったのに”っていうのよ
なんでもそうだけど最初は真似から始めるものもあるじゃない。それと同じで狐憑きのふりをしすぎたらそういうものがやってくることもある。でもBさんが”まあ僕だったら失禁する女の子はちょっと無理かな”ってね
お母さまが心配して2年くらい寺院に預けたのよ。そういう迷った考えを持たないようにと、よくないことでまた、そういうことをしないようになんだろうけども。そのあとにBさんがその寺院に普通に娘さんに”友人みたいなものです”って会いに行ったんだけども
娘さんは震えるだけなのと、周りの修行してる人は普通の霊的なものならみえるんだけどもBさんみたいな特殊な形のものって見えないからみんな困ってしまってね。Bさんの後ろには娘さんだけに見えるとてもとても怖いものが見えたらしいのよね。それで、その帰りに私に電話をくれてね。Bさんは”ただ狐とか野生動物ってね、しつこいんですよ”って。狐憑きに監視される人生ができてしまったのよね。もちろんBさんはあのころよりも今はずっとしっかりと修行もされてて立派な狐憑きになったといったら言葉はおかしいけれども霊能力もすごく高くなってるし、元の狐自体も強さが増している。娘さんがどこに行こうとも、気まぐれにその夢の中に入って”狐はしつこいんですよ、長くおつきあいしましょうね”って。娘さんはそのあとに何度か自分で命を断とうとしたんだけどもそのたびに”簡単に命を捨ててはいけませんよ。それとも何か狐にでもその器をくださるんですか?”って助かってしまう。何をやってもどこに行っても見張られている。安眠もできない。夢を見ないこともあるけれども眠れば夢を見てしまうことが怖くなる。なんども娘さんはBさんとコンタクトを取ろうともしたんだけども、うまくいかないのよ。私経由で連絡してほしいと言っても私だって自分の安全のほうが大事だからお断りしたわ。Bさんからは”別にちゃんとした友人に僕たちは危害は加えませんよ。肉は焼いた方がやっぱりおいしいのには変わりませんがね”って。ある意味あの娘さんは狐憑きにはなってるのよね。狐憑きに監視されるということだけども
わからないわ。それが人間ではないものの感覚なのよ。Bさんは人間だけども、人間とそうじゃない側のどちらだといわれたら人間ではないもの。そういう存在が気に入らないというのは、ずっとそういうものから狙われてしまうの。何が気に入らないとか私たちのわかるものではないの。本当に些細なさじ加減でそうなってしまうのよ。怖いと思わない?
一生休まることがなく安心して眠れないし死ぬことも自分ではできない
事故にも合わないし病気にもならないと思うわね。できるだけ長く生きていけるけども、そこに自分の楽しさがあるとは思えないのよね。娘さんがBさんに何を心の中で言ったのかはわからないわ。Bさんというか狐のほうが何かしら怒るようなことをきっといったんでしょう。声に出さなくてもね。それが本物の狐憑きだから
不用意に未知なる存在にバカなことをやっちゃいけませんね
まあこういうちょっと変わり種の怖いこともあるってやつだけどもほかにもあるわよ