漬物石に宿る子供の幽霊をどう祓う?イタコの集団除霊を体験 2024 12/03 執筆者:
ゆい 除霊は人に対してだけではなく物などにも行われます。 また、祓うだけではなくその後にその道具をどのように使えるようにするのか、憑いていたものをどうするのかなども大事になります。 今回は複数人での除霊の現場で体験レポートさせていただきました。
目次
石に宿る怨念を祓う~霊能者たちの除霊の現場~ 素直な子だね(笑)普通だと何かひねって考えてくるけども(笑)
この子こういう子なのよ(笑)嘘つけないって分かってるからストレートに言ってくるし
これね、両手でもってちょうどいいように見えない?持ち上げるのに
そういわれると持った時に持ちやすい感じにも見えますね
これはね、この石を落として様々な命をうばってきたものなの。と言っても人ではないんだけれども。虫や小動物、その辺をこの石でつぶしていてその命でいろんな呪いや願いをかなえてきたって話だけども
その感じだと恵子さんがけっこう請け負ってるイメージです
この石がいろんなものを吸収してその上にいろんなものが絡まってしまってね。その中に小さな子供も取り込まれてしまってて、この石から声が聞こえてつらいって話でね。あちこちを転々として来たんだけども、誰にもどうにもできなくて私のところに来たのよ。子供だけなら私でもいいけどもせっかくの集まりがあるからこうしてみんなで一番いい方向に持っていけないかとおもってね
なるほど……それで皆さんでこの石をどうにかしようと
小さい子供ってなると、できれば次の縁も結べればいいって思うからね。それでこうして集まるついでにみんなでやりましょうかって
普通の石にもどすことが目的ね。で、石は山か川にでも置いてくることにはなると思うけども
除霊のための空間を作るお手伝いをしながら、石に何となく視線を移しました。 30センチほどの石はよく見ればシミのようなものがあり、そのシミが先ほどの説明からするに血液や体液であることは察することができました。
集団といっても普段は単独でやっている除霊を今回は三人でやる部分が集団になります。 今回はまずこの石に張り付いているらしい虫などの念を剥がし、それに絡まっている小さな子供を成仏させることが除霊の流れになります。 恵子さんはじめイタコの皆さんはのんびりと準備をしているのでこれが除霊だと思えないほどです。 除霊に参加しないイタコさんたちもその光景を眺めています。
静かに進む除霊の現場~霊媒師たちの手法と道具~ 除霊って前はもっと派手で物々しいものだと思ってたんですよ
意外と静かでしょ?テレビとかだと奇声を上げながら除霊されている風景とかが一時すごく流れたものね。ああいうのはあんまりないけれども、本当に暴れるとあんな感じもなるから一概に嘘とも言えないのよねえ
そうねえ、見えないあなたに見えるように説明すると、ああやって撫でまわしてる行為でゆっくりと外側を包んでる虫の怨念を剥がしているのよ。虫くらいだとよほどでなければまだ単純なものだから。問題はあの石は、鳥や兎、子犬なんかもつぶしてるのよね……人ではないけれども人に近いものはつぶしている。それを順番に今ああやって剥がしてる状態なのよ。もう少ししたら部屋の隅の御塩や八角にも変化が出るからそこを見てちゃんと書いておくといいわよ
ありがとうございます。見ることに夢中になってしまうので……
理解のある人を増やしてくれるのはありがたいことよ。今回私は出番がないからねえ。恵子さんの代わりにどんなふうになっているのかを解説できる所はしてあげるわね
見えないほうが幸せだと思うわよ。でも、あなたは私たちの事を信じてくれるし、そこにいるといえばいると考えてくれる。そういう人が増えてくれれば嬉しいわね
ですねえ……わからない部分はたくさんありますが学ぶことも多くて
虫の段階が終わったみたいね。今、手に御塩を付けたのは何でかわかる?
なんとかおとしとかそういうやつですか?穢れとか禊とか
そこまで仰々しいものって考えなくてもいいのよ。虫の臭いがひどいから臭いを消しているようなものね。もちろん簡単な落としにはなってるけども。臭いってほら、魚も血の臭いで寄ってくるでしょ?同じで虫の怨念が焼かれる臭いで寄って来る者もいるからね。あの小さな子はそういうものからすればごちそうになってしまうから……臭いを落としながらになってるわね
Aさんは割と焼いてしまう方なのよ。よくあなたたちが想像する派手な除霊を請け負うことも多い人ね。その代わりに一度大きな仕事を受けたらしばらくは他の依頼を受けずに体力や傷の回復に努めるからあまりこういう集まりに来るのも珍しい人なのよ。簡単な除霊とかならいいんだけども、大幅なものになってくるとAさんは本当に心強いわね。そのAさんの負担を減らすことになったのが恵子さんの登場なのよ
恵子さんは確かに強い系だと思います。なんというかストロング系というか
恵子さんは後天性、事故によって霊能力が目覚めた人だから歴は短くても一気に伸びてきた人なのよ。Aさんのような力業が得意で、Aさんが動けなくなる状態を防げる人なのよね。Aさんも“こんな逸材がいたなんて”って言ったくらいなのよ
恵子さんはその、蹴る殴る刺す斬るなど物理的なダメージを与えていくイメージです。しかし、そうなるとやっぱりチームプレイというか、横のつながりはすごく大切なんですね
特殊な世界だからね。元々の資質と修行や訓練、気持ちの強さ、何かを否定しない心とか普段ならばそこまで考えなくていいものを考える必要がでてくるのよ。とくに、情が深すぎる人は霊的な存在に寄りすぎてしまってイタコや霊媒師を続けることが難しい人もいるわね。どこかで割り切り、還すべき場所に還すということを考えないといけないからね
ネズミ剥がしに入ったわよ。ここからは少し時間がかかるわね。虫よりも考える力が大きくて子供を産むでしょ?鳥も卵ではあるけれども、鳥は場所を移動することでいろんなものを運んでいくからネズミと鳥は大体同じくらいになるわね
育つ時間が長いものと、へその緒でいろんなものを吸い上げるからそのさいに思いも吸い取ってしまうのよ。これは人もおなじ。だから妊娠中は穏やかに過ごし、きつい言葉は使わないように、って言われる人が多いのよ。まだ何も知らない子供が最初から悪意を吸って悪意の塊にならないように。この石には母ネズミや子供のいるネズミは使ってないみたいだけれども、もしそうだったなら少し大変だったと思うわね。なので呪いっていうものは手間をかければかけるほど精度が増していくのよ
いえ……まったく……今言われるまで全然わかりませんでした……
除霊ってこうやって静かに静かに進んでいくのよ。八角も榊も色が変わってきてるでしょ?
Aさんは確かに焼いていく人ではあるけども、できるだけ他に移して一瞬でも命を回復させて迷わないように成仏させていく人なのよ。虫ならばそれでなんとか迷わずに飛んでしまうからね。ネズミと鳥はAさんが上手になんとかしてくれるでしょうし
Aさんとも機会があればお話をちゃんとお伺いしたいですね
恵子さんにくっついていれば話を聞く機会も増えるわよ。あと、派手な除霊も見れるかもしれない。でも、派手なものっていうのは安全度は低いからね。かといって今やってるこれも安全なものではないの。普通の霊媒師では難しかったから私たちのところに持ち込まれたんだから。まあ、どうにかできればそれでいいと私は思ってるし
私は昔から恵子さんによくしてもらっていて……でもまったくそういう関係の力ってものがないんですよね
でも、あなたの周りにはそういう人が多く寄ってくるでしょ?
あなたがそういうものを否定しないからね。まず否定する人が多いから
いまからあの箱に一時的に子供さんを隠しておくみたいね。先に石のほうを全部片づけていくみたい。あの箱はBさんの家の樹で作られたものね。Bさんはすごく道具を作るのがうまい人でね。私たちもよくお願いしてるのよ
よく気が付いたわね。Bさんは枠の形を組み合わせて箱を作っていくの。樹だけで作られているから邪魔になるものが一切ない。すごく大変だけども凄くありがたい箱なのよ。恵子さんもお世話になってると思うわよ。神棚とかも樹だけつくってくれるから
嬉しいねえ。よくわからないとか言われることが多いから。これなんかもおなじで樹だけで作ってあるのよ
Bさんがこたつの上に出したのは星をいくつか重ねたような形の木細工に見えました。 木目や樹の流れが見えるものであり、表面もでこぼこしたところはなく一枚の板に彫刻刀で溝を掘ったようにすら見えました。
幽霊を導く魔除けの役割と霊媒師たちの想い これをもっとちゃんとして、いろんなものを詰めれば魔除けの木札になるわね。でもこういうのはお店や宿とかに飾ることが多いのよ。この形ではなくとも見たことあるでしょ?酒屋の杉玉なんかも新酒の合図でもあるけども、あれも一つの魔除けやお酒の精なんかを呼ぶものとも言われているわね
杉玉は見ますね。あれも凄い丸くてどうやって作ってるんだろうって思います
あの丸いものはすごいですよね。球体は作るのが大変なのは知ってるので
少し彫刻をしてたのね。ならこれもそれなりに大変だってわかってくれるのはありがたいわね。これくらいだとそうでもないけども、箱を作るのはそれなりに手間がかかるからね
あとは一番深い犬と猫ね。それが終われば石はただの石になる。禍石なんてよばれなくなるわね
山か川に還してあげるんじゃないかしらね。その辺に置いておくのもあれだし
犬や猫だとこれくらい真っ黒になるわね。今回は少し御塩が多めに置かれていたのもこれなら納得ねえ
内側から変わっていくからね。表面まであんな風に変わってるのはあの中にいろんなものを吸い取ったことが目視できるようになってる状態ね。逆に拮抗してると変化はないことが多いわね。私たちがこうやって確認できるというよりも、Aさんと恵子さんがここまで終わったって確認を言葉を使わずにできるようにしている部分が大きいかな?今回はそうでもないけども、場合によっては言葉を交わせない時もあるからねえ
いろんな状態を想定するのは大事だからね。一番底にいるものがとんでもないものであることも珍しくはない。そのときにも御塩で確認もできるからね
ほとんどの除霊はこうやって静かに行われることが多いのよ。派手なだけじゃなく確実に丁寧に、あるべき形にもどしていく
私が持って帰って明日にでも供養しますよ。丁度良い日でもあるからね
お疲れ様です。いえ、塩とか八角の変化とかが怖かったです
今回は石の中だったからね。これがもし人の中に移ってたらそれになりに騒がしかったかもしれないけども。無事に終わったし、石は私が河原においてくるわ。すぐではないけども
陽子さんも言ってたけども呪い用ね。独自のやり方で蟲毒をまねたものなんだろうけども、だから余計にいろんなものを引き寄せてしまってそれらが石にもっといろんなものを吸わせて石から出たかったんでしょうね。そうなってたら面倒だけどもこの石は途中からとある家の庭の社に厳重に保管されてしまったからね。ただ、家主さんが何とかしたかったのもあっていろんなところにお願いして私たちに話が来たから
いろんなものが混ざってたからまあ、面倒だけどもまだやりやすいのよ。これがネズミだけとかだったらもっときつかったとは思うけども。石の形や選び方もあるわね。だからそういうことがわかる人はこれがどんな大変なことの手前で止まったのかがわかる
こういう集まりは少ないけども、私と恵子さんでの除霊とか出張はあるからあなたも今度はそっちにきてみたら?
盾役ができるって聞いてるから何かあったときにも助かるし
あくまで臨時ですし、一般の部ですので……まだ傷も消えてなくて
ずいぶんと好かれたのねえ。あなた動物に好かれる方でしょ
どうなんでしょうか?実家に犬や猫はいましたし、猫はまだいますね
同じ感じで好かれてるんだと思うわよ。そんなに気にしなくても大丈夫
除霊は淡々と終わり、塩や榊は腐ったような状態になっていました。 これは虫などが一時的に食べた痕跡であり、食という部分で生きてることを感じることができれば迷うことなく成仏できるからのようです。 虫であっても丁寧に導くのもイタコの方法の一つらしいです。 恵子さんをはじめイタコの皆さんは命は均等に扱われている印象があります。 イタコをはじめ霊能者や霊媒者は様々な考えがあるので一様には言えませんが、人に寄り添うのはもちろんですが霊的な存在や自然に存在するものにも寄り添い敬うという考えがあると思いました。
感謝の心と除霊儀式~塩が持つ特別な役割~ 今回はいろんなお話もですが驚くことがたくさんで……
本当に淡々と進められててびっくりしました。でも、塩とかの変化がすごく怖くて
だからといって常に盛塩は必要ないんだけどもねえ。普段から意味もなく盛塩して人もいるけども、あれは特にしなくてもいいと思うのよね、Aさんはどう?
粗塩じゃないとあんまり効果もないからねえ。普通の食塩じゃなく粗塩使ったほうがいいんだけどもその辺はよくわかってない人も多いわよね
粗塩は何となく聞いたことがあって、やっぱり粗塩なんですね
自然のものが残ってるってものなんだけどもねえ。なのでお水とかも命水系を使ったりするほうがいいわけだしね
汲みに行くのは大変だけども、飲むってものじゃないなら長期保存も聞くからね。冬場の雪でお水の場所が封鎖されててもなんとかなるし
春になれば雪解けの水がもらえるからね。雪解けの水にはさまざまなエネルギーもあるから、春先にはあなたもお水を飲みにいくといいわよ
そうなんですね…!!雪が解けたら行ってみようと思います
山の恵みやエネルギー、自然の力を分けてもらえるからね。口をつけるだけでもいいんだけどもできれば一口二口は飲んでほしいわね
山の中とかの名水や命って名前の付くお水はその場合が多いわね。ただ、そういうものに限らず山のお水とは有り難いものには変わらないし
そこよねえ。本当にいろんなものから力をお借りして私たちはいろんなことをさせてもらっている。感謝の気持ちを忘れてはいけないわね
すごくためになることばかりでなんといったらいいのか
今回もありがとうございました。また、いろんなお話を聞かせていただきたいです
この記事を書いた人 小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。 知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。