古い人形などには様々なものが宿るといいます。今回は恵子さんと江戸時代のひな人形の展示に行ってみました。
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呪物が展示されないために~霊能者が受ける鑑定の相談
古いものだから毎年展示の前に何かおかしなものが入ってないのかをみてくれってやつなのよね。大体毎年何もないし、多分今年も何もないわよ(笑)
江戸時代からのですよね。私見れるときと見れない年があるので少し早くてもそういったものを見せてもらえるのはすごくありがたいのでちょっとうきうきしてます
あまりに古すぎて何か入ったら壊れちゃうし、形が壊れてしまったら入ってしまったものも何もできなくなっちゃうからね。だから入るってことはないと思うんだけども。それでもほら、人を招く場所じゃない?だから変なものが来ないようにお札の張替えも年一で一緒にしてるのよ。私ができなくなったらほかに頼んでくれっては、言ってるけども
神職の方であればいいと思うわね。でもそうやってメンテナンスをするところには悪いものは来ないわよ。むしろいいものや梅の花の守りとか鶯の真守男とかが来る感じねえ。いい空気の所にはいいものが寄ってくる法則になるのかしら
なんとなくしかわかりませんがなんとなく理解しました
昔はこのあたりも商店や旅館が多かったんだけども昭和で一気にへったっていうからねえ。まあ展示できるものとか展示した方が話題にもなるし空気の入れ替えにもなるから私もいいと思うわよ
本当の歴史が視える…霊能者の脳裏に浮かぶ鑑定結果とは 恵子さんと一緒にひな人形を展示するお宅にお邪魔しました。 専門のお部屋に普段は展示されているのですがその前段階なのでいわゆる虫干しのような形で人形が並べられていました。 何度か見に来たことはあるのですがこうして間近で見ることは初めてであり改めて細かな細工や瞳の書き込みや作りこみ、唇の削り方などをみながらため息が出ました。
この着物の柄はこの家の娘さんのためのものなのよ。おうちにゆかりのあるものを柄にして縁起を担いでいるものもあるけども何かあった時の身代わりとしても人形というものは大事だったからね
今は人形として作られてるけども、この時代はいわゆるひとがたとしての効果も求められていたからほぼ人間と同じものを小さくしたもので作られてるわよ
そうね。病魔などをきるためにこの刀も真剣に近いものをつかってる。文化財の人形と近いものになってるわね。弓にも獣の脂を塗った痕跡があるあらこの当時のぜいたくを尽くしたというよりもできるだけの魔除けの効果を詰め込んだって感じね。もちろん、それができたのも当時の富豪であり財力があったからになるんだけども。それだけじゃなく信仰心と娘さんの息災を重く願ったからこそのできになってるわねえ
元の人形と着物、それと太刀や弓などが当時のままなんですよね
そうね。明治に一度手入れはされてるけどもそれも髪の毛の結いなおし程度ねえ。いまだと怒られるけどもひな人形で遊んでしまった娘さんの何かだったんじゃないかしらね
持ち主からそうされたらまあ、怒るに怒れないですよね(笑)
雛人形が怒るってあんまりないのよね。基本的にはそこの娘さんが上位の存在になるから。でもこうして歴史の一端になってるようなものを見ると春が近いなあっておもわねえ
ですねえ。展示して見せてもらえるのもありがたいですし
この先の時代にもこのまま受け継がれていってほしいわね
恵子さんは室内の古いお札をはがして新しいお札を張り付けていきます。 恵子さんが言うには「真似事のお札」だそうです。 それでも丁寧にお札の入れ替えをしていました。
お札の入れ替えが終わる頃に家主の方からのお茶をいただき、ことしの展示の日程をききながらこの一年で何かなかったなどを恵子さんが訪ねていました。
人形の展示期間以外では入れないような旧家ですが、それでも空気の良さやすがすがしさは素人の自分でもわかるほどでした。
季節が来たら桜や梅なども咲くだろう庭と、手入れされた庭木たち。 維持させるのはきっと大変だろうけどなあなどと考えていました。
霊能者の鑑定結果は問題なし、そして現状の見え方
おかげさまでね。人形の取り扱いも次の代に覚えさせましたのでるしばらくは大丈夫じゃないですかね
ざっと見ても悪いものもないですしお札に何かが入ってるとかもありませんでした。古い分はこちらで処理してもよろしいですか?
本当に恵子さんとは長いお付き合いでこうしてあれこれやってもらえてありがたい限りですよ
いえいえ、私も目の保養になります。今年もいい花が咲きそうですね
だといいですねえ。最近は家の近くを野良なのか猫が歩いていて。もし野良なら保護したいんだけども恵子さんから見て何か見えますかね?
できれば保護してあげてください。野良ですが賢い子なので小さい子に何かすることもないですしこの部屋に入ることもありません。入ったとしても人形に手をかけることはないので大丈夫ですよ
ええぜひ。それも一つの縁ですもの。縁っていうものはなかなか見つけるのもつなぐのも大変です。切るのは一瞬なんですけどもね
私もいろんなご縁をいただいて今にいたりますからね。今年も何事もなく終わりましたのでまた来年お邪魔させていただきますね
明日から飾りつけに入れるわね。今年もありがとうございました
たまにはこのように何事もなくお家を後にできることもあります。 だいたいは疲れてしまうことが多いのですがこのような案件の際には心も穏やかになれるのがうれしいところになります。
この日はもう一軒の古い旅館さんのお札の張替えを行うのでそのまま旅館へと車を向かわせました。 だいぶ寒さもおさまっては来ましたがまだまだ空気は冷たいです。
本物の霊能者はドラマとは違う~地道な相談の繰り返し
ほんとこういう状態だと車だしてもらえるのがありがたいのよね
車も何とかなったので本当に良かったです。周りの人に感謝ですね
ですね。今度はもっと安心して長距離も走れるので美術館や博物館にいきやすくなえります
二件目の旅館のお札を恵子さんが張り替えている間は少しの自由時間になります。 旅館の人の許可をいただいて掛け軸や花瓶などを見学させてもらえるのでありがたい時間でもあります。 メンテナンスを定期的にすることで悪いものは寄ってきにくくなるということを納得しながら古美術品を観覧させてもらい恵子さんを乗せて今度は和カフェに移動になりました。
普段が普段だからねえ。こういう定期メンテナンスみたいのって私もそこまで気構えなくていいからありがたいわね。ちょっとした気分転換になるでしょ
ですねえ。冬場はどうしても遠出できないのですごくうれしかったです。声かけてもらってありがとうございます
恵子さんのお手伝いをするときは様々な条件で変動はありますがガソリン代や日給なども発生します。ほかにも危険手当なども考慮されているので無償でやっているのか?というものではありません。 普通のお手伝いとしての料金を払うことで双方に責任やクオリティが出るかということで恵子さんからの提案をうけています。 山などで材料集めなどのさいにも日給のほかの危険手当や食事などもいただいてます。
まあ厄除けではあるけども貼ってあることでここの家に何かしたらカウンター来ますよって意味にもなるわね
神社とかお祭りとかでもらったのもでもいいんですか?
「破魔矢とかお正月の時に買うでしょ?あれもそういうものを買うような人がここにいますよってものになるのよ。節分の榊とかイワシの頭とかもそのあたりになるわね。だいたいは迷信とかそういうものにされるけども理由のないものは残らないのよね。豆まきってちょっとした楽しさもあるけども冬場に気持ちを引き締めて春まで安全に過ごすための儀式の一つだし、年の数だけ豆を食べるというのも今年も節分まで一年無事に過ごせましたっていう儀式の一つだし。無理に年齢分食べなくてもいいし、豆をまかずに魔除けとかでもいいのよ。節分のじきに豆撒きではなくお焚き上げとかでお正月の飾りやお札を燃やしてもらうのでも十分だし
確かにその時期に古いものを燃やしてますね。生ごみとかにも出せませんし
出してもいいんだろうけども気持ちの部分がねえ(笑)そうやって気持ちの部分がある人がお札や飾りを飾るわけだし。そうなればそういう家には悪いものは近寄らくなるわよ
恵子さんの主だった仕事の中にあるお札の手入れなどは穏やかな仕事になります。 霊媒師や霊能者は派手な除霊などをメインにしているイメージがあるかもしれませんが実際には穏やかな仕事も多いのが実情です。
処理に困ってしまった曰くつきの物などの受け入れなども、たまにおこなっているので恵子さんの自宅の蔵は好きな人が見たらちょっとした文化財になってしまうこともあります。 (恵子さん自体は年代物などにはあまり興味がないので年代を関係なく並べたりすることがほとんどです)
活動の違いはあれども霊能者はおそらくどの町にも存在してます。 どれくらいの能力である過度の差は出てきますが、過疎村であってもそこの神様と呼ばれる存在の人がいるほどです。
自分のように何も見えない聞こえないということは当たり前ですがとても安全な所 にいるなと痛感するが多々あります。
でもこうやって若者が付き合ってくれるからスムーズに仕事が進むのよ(笑)
恵子さんも自宅では四季の祭りごとをしっかりとなさっています。 そのために定期的にお餅が必要なので、もちつきようの機械を購入したほどです。 お米には様々なものが宿っておりそれを使った丸いものを食べることで魔除けにもなる。 これはお餅が丸い形であることにも通じると思いました。
恵子さんは霊能者という見た目でもなく、除霊などの際にも普通の普段着で行うことがほとんどです。 ぱっと見は一般的なご婦人です。いかにもといった格好もしませんし、そういった言動もありません。 それは恵子さんだけではなく恵美さんなども同じです。 僧衣などではない場合にはジャージや部屋着であることが多く、僧職の人にはあまり見えません。 なので、意外と身近にそういった人は存在するのかもしれません。
霊能者が忙しくなる時期~実在する呪物と心霊現象が活発になるとき
なんですかその変質者が活発になるように霊的なものも活発になるんですか
ちょっと近いとも言えるわねえ……そういったものが活発化するし、人の移動とかも活発になるからいろんなものが出てくるのよねえ。その時はまたお手伝いをお願いすると思うけどいい?あと三陸のほうにまたちょっといかなきゃいけないからKちゃんの都合のいいときに行きましょ。今度は雪もだいぶなくなってると思うし
そうそう。そのあたりも含めて向こうにちょっと行きたいのよね。都合は合わせるから3つくらい予定の候補もらえると助かるわ
了解です。今度は車も壊れる心配がだいぶ減ったので大丈夫だと思います
まあ、そういったあまりよくないことをする場所っていうのは今日行った場所とは真逆というかねえ
都市伝説だと岩手のお寺に人工で作った両面宿儺があったって話もありますね
その辺のもとになってる話とかもあるわよ。両面宿儺って阿修羅を模したものでしょ?でも宿儺と阿修羅って派生元が違うのよねえ。突き詰め行けば西遊記とかの時代になるし
「そういった所に踏み荒らしをするのは私は好きじゃないのよ、なのでちょっと見ておきたいとおもって。もちろん何もなければそのまま観光して帰ってきましょ。金色堂とかみて