本物の霊能者、恵子さんの修行実践編。どのようにして祓う人になったのか

恵子さんの修行実践編。どのようにして祓う人になったのか
執筆者:ゆい 恵子さんが祓えるようになるまでは、それなりの段階を経てじっくりと修行を重ねて行ったようです。
今回は、恵子さんがイタコとして活動できるまでの修行についてお伺いしました。

私たちの思う霊媒師やイタコは簡単に除霊を実践として行う修行を積んでいるように思えますが実際にはさまざまなステップを踏んでいるということも多くあるそうです。

即実践タイプで鍛えられるのは霊能力者の中でもサラブレッド的な家系、その中でも突出した存在であり多くの霊能者は修行を重ねていくことになります。

その修行の途中で離脱したとしても自分がどこまで何をできるのかを知ることで安全に日々を過ごせるようになることが多く、実力を自分で理解するという部分も修行においては重要視されるそうです。

で、祓えるようになるにはまだいろいろとあるんですか?
恵子さん
ここまでの段階で霊的なものを触れるとかになってたのよ。質感とかもわかるし
ええ
恵子さん
触れるから言うことを聞かないならまず最初にひっぱたくとかもできるのよ(恵子さんのひっぱたくは一般的な殴打も入ります)
ひっぱたく
恵子さん
そう。数珠をもってどうとかではないけども、錫杖とかはちゃんとしたものだとあれ先端がとがってるのよ
先端がとがっている
恵子さん
それをね、こう、ぶすっとさして引っ張ると結構切れるのよ
霊的なものがまるでマグロの解体ショーのようですね?
恵子さん
これはダメだなって者は最初にそうすることで話をすることにもつながるからね
では最初から実戦投入って感じだったんですか?
恵子さん
割とそれに近かったわね。お札とかああいうのは割と後になってから教わったものだったわ。最初はまずどれだけ殴り合えるのかだったから腕を怪我したりも多かったわね
いつぞやは海に行って腕一本をおってまでも戦ってましたよね?
恵子さん
あれまだちゃんということ聞くわよ
どんどん使えるものを増やしてますよね?
恵子さん
海のあれはねえ……水でざばーっとしたいときに便利だし、うちの神様とも揉めないし、私としてはありがたい存在ではあるわね
そういうものを捕まえたり、仕留めたりするのもこのころからのものだったんですね
恵子さん
そうなるのかしらねえ……最初の頃はとにかく本当に無事に帰ってくることを重視してたから必死だったわよ
お札とかはいつから書き始めたんですか?
恵子さん
あれは結構後になってからよねえ。最初は他の霊媒師さんにサポートで入る感じで同行させてもたって、そこからある程度のパターンを組むようにしたのよ
パターン、ですか?
恵子さん
そう、こういうタイプにはこうする、といった感じね。パターンを自分で作っていって対応を考えていく。よくある方法の一つだとは思うわよ
確かにそうなんですが、霊的なものもそうなんですか?
恵子さん
本能が主体になってる場合にはこれで対応しやすくはなるわよ。ただ、忌み地でであった翁のように本能と理性の両方を持っていると、ここには入りにくいわね。人じゃない存在にはそういうものもでてくるから
パターンが作りにくそうな感じはしますね
恵子さん
人かそうじゃないか、意思があるかないか、それくらいの単純な区分けでも問題は無いわよ
私にはなかなか難しい区分けであるのは間違いないですね
恵子さん
私も最初はなれなかったわね。パターンを組むのは悪い事じゃないのよ。合わない対策をずっとしていてもその効果は微々たるものだからね。中身が動物で人への対応をしても効果が薄いでしょ?そういう感じかしら
それはわかりやすいですね
恵子さん
修行といってもそこまで改まったものじゃないのよね。霊的なものがどの分野なのか、何を求めているのか、それに対してどのような解決法が準備できるのか?っていう部分ができるかどうかになってくるのよ

霊的なものに対する強い攻撃よりも、霊的なものが何を求めているのか、本体はどんなものになるのか、話し合いで解決できるのか、できない場合には単独でどうにかできるのか、などを中心に恵子さんは修行を積まれたようです。

修行というと派手なものを想像しがちですが、精神的な部分と霊的な部分が中心であり一晩寝ないとかではなくできるだけ集中して毎日の継続を行うという部分を重視したようです。
継続していくことで霊的な能力の安定などにもつながりやすく、アップダウンが少なくなるということでした。

で、恵子さんはベーシックなことを学びながら今のような独自のことも身に着けていった感じですか?
恵子さん
そうなってくるわね。霊的な存在って理屈がひどいときもあって、その理屈がすごくこうね……わかるけどいらっとするものや嫌味なものとか長々としたものとかくどくどしたものとかね……
わー、恵子さんの嫌いな奴だー
恵子さん
で、そういう理屈やってこっちがいくら何を言っても聞かないじゃない。だともう、一発殴ったほうが早いと思うようになったのよ。で、殴るっていうのもちょっとずつ練習していったのよ。このあたりからほかのイタコや霊媒師のサポートに入るようになって、とりついたものをはじき出すという部分でもこぶしを使うのは役に立ったわね
そんな序盤から肉体言語で語っていたんですね……
恵子さん
サポートといってもできる部分はかなりやらなきゃいけないのよ。本来はサポートはあなたみたいに盾役やアシスタント的なものだと思うでしょ?
ですね
恵子さん
でも、霊能力があれば出きることは一気に広がる。サポートではあるけれども実践で鍛えて仕上げていくのが基本になるのよ。少し危険な目にあったり、痛い目にあえは次はそれを回避しようと考えるでしょ?
ですね、それはわかります
恵子さん
でも私はできるだけ痛い思いはしたくなかったから、これは話にならないって場合には殴る方向にしたのよ。最初は驚かれたけどもここまで一撃で外に霊的なものを出せるなら大丈夫だって言われたし
なるほど……ひとりでイタコとしての独立をしたのは結構時間がかかったんですか?
恵子さん
物の払い方や基本的な除霊を覚えてからは最初は斡旋された仕事を中心にやってたわね。自分で今の力よりも上で対応できないっていうのは無理に引き受けないっていうのはすごく大事なのよ。それをやって何人ものイタコや霊媒師、巫覡が引退することにもなってるからね。霊能者って世間が思うよりも少人数だから
私が恵子さんにお会いしたときにはもうイタコでしたものね
恵子さん
そうねえ。息子が結婚する前にはもうイタコだったからイタコとして一人立ちしてからはパートもやめたのよね。迷惑になっちゃうから
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霊能者恵子さんの修行場 翁のいる禁測地

恵子さんは十数年のプロのイタコです。ですが、イタコの中では歴だけでみればまだまだ中堅だということでした。
恵子さんは払うことに特化していることから依頼件数が多く、それによって口コミで評判が広がったいわゆる野生のプロになります。
そんな恵子さんは今でも自分がそんなに強いものではないということを振り返るために向かう場所があるそうです。

恵子さん
自分は強い力がるなんて思わないし、そう思わないために私は定期的にあの翁のいる禁測地にいってるのよ

翁は恵子さんで払うことのできない恐怖の塊であり、修行時代の恵子さんが最も禍々しくそれでいて純粋な恐怖を感じる存在の人の集合体の存在でした。
人を押し詰めて球体にして、手足がはみ出た丸いものの中央に浮かぶ翁のかお。
それは払うことのできない産物であり、結界の中から出ることができないようにされた禁測地の中で飼われてる状態になります。
その異物と向かい合って正気でいられるようになることがイタコや霊能者には求めらえるということでした。

あの翁ですよね……
恵子さん
その場所に行くと、あの翁はいつだって私を簡単につぶせることを見せてくるのよ。それを体験して私はまだまだこの化け物に勝つことができないって思うの。そうすることで危ない橋は渡らなくて済むからね。翁も私をみて、からかうからねえ……お酒は置いてくるけども。あくまで自分の反省のための場所ではあるんだけどもね
そこまでして自分を抑えることもあるんですね
恵子さん
あれ以上に怖いものっていまだに知らないわね。あれは今からまだ数百年あの中で飼われるのよ。そうしてもまだ多分消えないんだと思う。いつか時間が来てあれが消えてもいいと思う時が来るか、もっと膨大な時間をつかうか……あれが自主的にきえることなんてないだろうし……

普段の恵子さんからは見えない表情であり、その場所が自分を無理させないための気づきの場所であることを理解している、覚悟とあきらめの二つを感じました。

恵子さん
でもね、陽子さんたちもたまに同じようなことしてるみたいね。この年になると力量を見誤ればそのまま大事故につながってしまうからね。ああいう自分が絶対に勝てない存在って必要だと思うわね
なんとなくわかります。まだまだだなあって思うことで安心できるときが自分にもあります
恵子さん
無理しないことも大事だし、無理なものは無理だって理解するのも大事なのよ。私だって命をかけて他人の除霊はできないわ。家族や本当に親しい人ならするだろうけども、お金じゃどうにもならないことってあるからね
恵子さんが対応できないとかになると、もうどこも無理なのではないですかね?
恵子さん
もしかしたらほかの県にもっとつよい霊能者がいるかもしれない。その人なら何とかできるかもだけど、そこまでの責任は私にはないからね。だから断ることもあるし
なんというか……私はそういう力がないので思いますが……そこまで取り返しのつかない状態になる人って、自分でそういうルートに行ってる気がするんです
恵子さん
そうなのよ。引き返す道はあったはずでもそれをしないで悪いほうにかじ取りをしてしまった。そういう人を助けて自分が危険な状態になるとかは私は無理ね。そこまで善人でもないし菩薩みたいな心は持ってないわ。ある程度自分で割り切らないとイタコって出来ないのよ。その報いが本人に来るならいいけど家族や子供さんにでたりすることだって多々あるのよ。その時に、何とかしてほしいといってもどうにもならないことのほうが多いのよね……幼い子が犠牲になるのはいつ見ても本当に嫌なものよ

イタコは割りきらないとできないと恵子さんはたびたびおっしゃいます。
これは正義感や感情だけで除霊をすることは自分の命の危機にもつながるからになります。
出来ないものはできないと割り切ることは安全を保つことにもなります。
優しいイタコほど最初につぶれていくということもよく聞きます。
ある程度の割り切りがなければ除霊はできないということも。

恵子さん
どんな理由があっても、もう生きていない存在はそこにあってはいけないことがほとんどなのよ。例えば、子供から離れたくないとお母さんの霊がそこにいればいずれ子供にも影響が出てしまう。まして、連れて行きたいとなれば大変なことになるでしょ?そこの割り切りをして、感情だけではイタコはできないし、優しいイタコほど最初につぶされちゃうのよ。救えなかった、と。救いの定義を広げて成仏もそこにはいればいいんだけども、質の悪い霊的な者ほどそういう優しい人には漬け込むのよね。なので一発殴ればこいつには情で訴えられないというのを先に叩き込んで交渉するのよね
恵子さんなりの優しさですね
恵子さん
うーん、そうでもないかなあ……まあ、交渉できないなら消し去ることも優しさの一つだというのかしらねえ……
恵子さんの一発って本当にきれいに入りますよね。除霊に立ち会った時に、恵子さんに殴られた人にあとから“痛くなかったですか?”ってきいたら“痛いのかもしれないけど、俺が痛いんじゃないのはわかってた”て言ってましたね
恵子さん
基本的に霊的なものがダメージを受けるからね。だと、霊体とだけの会話もできるからね
殴ってなんとかできるというのはある意味強いですよね
恵子さん
まあ、そんな風に修行をして、今に至るし。今でもあの禁測地にいって自分の小ささを知ることにもなるし。私が怖いと思うように、私に相談する人も同じように怖い思いをしているという共感もできる。だからこそ、しっかりと除霊しなければいけないという気持ちになるわね
恵子さんの修行というか、いまでも修行してくるとはたまに言いますものね
恵子さん
翁のところに行って対面すると自分の小ささがわかるし翁も私に対して一種の情があるみたいね。“まだ悩んでいるのか”“恐怖は恐怖だそれは事実だ”っていってくるのよ。翁は悪意の塊だから、情でどうにかなるものではないからね。私がいつかこの仕事を辞める時にどんなこと言われるのかとも考えてるわ。最近では“土地神を使役するとは生意気だな”“お前はイタコとしても人間としても未熟だ。だが、読経と判断力は悪くない”そんなことを言ってくるわね。禁測地を出るときにもたまにぎりぎりの所までついてくるわね。”また来るがいい“っていわれるわ
そういうものと話ができるってすごいですね
恵子さん
翁もある意味では私の師匠ではあるんだと思う。悩んだらあの場所で己の力をしっかりと理解できる。絶対に勝てない存在。なんであのイタコさんが私をあの場所に送ったのかも解ったというかね
恵子さんの力を理解していたからなんですかね?
恵子さん
イタコをきっと長くするだろうから、悩んだ時に自分よりも強い恐怖を感じることでイタコを続けられるようになる。感情ではどうにもならないこと、優しさだけではどうにもならないことを禁測地では何度も理解することができるっていう部分よね。その方はもう鬼籍に入られたけども、本当にいい方に師事してたと思うわ
ちょっと泣きそうです
恵子さん
私の昔話なんて面白みがないでしょ(笑)
恵子さんにもいろんなバックボーンがあるというか……すごいなあったらためて思います
恵子さん
これからも無理なくイタコとしての仕事をやっていこうと思うだけよ。自分にできることをできるだけ、それだけ
いつも本当にいろんなお話をありがとございます
恵子さん
これからも手伝ってもらうことになるからね
その辺はできるだけ少なめでお願いします
恵子さん
車も出してもらいたいし、なによりもあなたがいるとスムーズに除霊も進むのよね。これからもよろしくね
マイルドにお願いします
恵子さん
なるべくマイルドを目指すようにはするわね

この記事を書いた人

小さいころから占いに興味があって、色々と勉強しているうちにどんどん好きになり、皆さんにも占いの良さを知ってほしくて記事を書いています。

知り合いに占い師や霊能力者、お寺の住職がたくさんいるので、その方たちにインタビューして記事を書いています。

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