井上さんは定期的にホストクラブやキャバクラ、ラウンジなどの除霊依頼を受けている方です。
本業はきちんとした僧侶の方であり、業務外として除霊などを請け負っています。
今回はホストクラブの除霊のお話をお伺いしたいのですが
井上さん
はい、よろしくお願いします
相変わらずえげつないくらいにいい声ですよね
井上さん
褒められてると、受け止めておきますねえ(笑)
ホストクラブの除霊ってどんな感じなんですか?
井上さん
なんというかねえ……立地条件とかでもそうなんだけども、すごくこう……すごく色んなものが溜まりやすいんだよね。あとは人の流れも激しいのとかもあるんだけども一番は男女どっちも負の気持ちが多いんだよね
男性もですか?イメージとしては女性の負の気持ちはなんとなくわかるんですが
井上さん
ホストクラブって縦社会と、横のつながりとか、すごいからコミュニティ築けないと厳しいんだと思うよ。俺みたいにちょっとあれな存在でも僧侶とかだと“まあそんなもんか”で受けいれてもらえるけども
私みたいにちょっとあれな性格でも、たしかに文章は書けるのでそういった場所を見つけることはすごく大事な気はしますね
井上さん
それと相手の気持ちをしっかりと理解していくことも大事だから、あの世界で生きてるっていうのは、一種の才能だと思うけどもね。だからこそ、そこに負の感情が多く生まれてしまうというか
あー……ぼんやりと理解してきました
井上さん
でまあ、定期的に失踪とか行方不明とかもでるし、借金や売掛回収できなくて生きてるほうがつらいような人もでてくるし。ああいったところで生きるには、できれば霊的なものを遠ざける才能持ってるほうが良い気はするけども、下手に見えちゃうとやめちゃうかなとも思うねえ
なんか色々いそうですね
井上さん
極小の地獄みたいな店もあるけどもね。まあそういう所は定期的に仕事の依頼もくるんだけども
極小の地獄
井上さん
そう、極小の地獄。そういったところを普通の平地に戻すのも請け負ってるけども一回じゃ何ともならないことも多いねえ
そういった場合は何度か行かれるんですか?
井上さん
あちらがこちらの提示を飲めるならば、という条件ですけどもね。俺らもそういう場所は割と危険なことが多いんですよ
なるほど……危険……
井上さん
男女の情の念というものはそう簡単に割り切れるものでもないし、そう簡単に決着がつくものでもないからね。だからこそ、気持ちを扱う仕事ってのはすごく大変なんだけれども
それはすごくわかりやすいですね
井上さん
そういった場所は何回か打ち合わせに行く必要があるんだけども
打ち合わせも、聞かせていただきたいです
打ち合わせ
営業時間外ですよね?
井上さん
営業内にも2~3回お邪魔することが多いかな。どこに何がたまってるのかを確認したり人の流れを見たいっていうのがあるからね。そのうえで何をどうしていくのかをそこの責任者の人やオーナーと話をしていくのが必要になってくるからね
ご依頼ってどなたから、くる感じですか?
井上さん
基本的には責任者の人かな。経営者やオーナーとも話をすることにはなるけどもまずはそのお店をまとめてる責任者、役職としては支配人とかそういう感じの人かな。そのお店のナンバーワンとかではないね
総支配人とかそういうなんか難しそうな肩書のかたですよね
井上さん
大体そんな感じかな。その人にいろんな相談がまず来るからね。ああいう仕事の人ってなんだかんだ俺らみたいな仕事ができる人間につてもあるからね。科学や物理的なものじゃ何もできないものってあるから
納得というか重みのある言葉ですね
井上さん
それだけ人っていうのは様々なものを背負ってるからね
今回はどんな打ち合わせだったんですか?
井上さん
キャストからの霊的な体験が続くという相談からだね。それが数人続いて
はい
井上さん
そこから親父に話が来て、俺に回ってきたというやつだね
なるほど
井上さん
まあ、歌舞伎町には俺もそういう依頼以外であんまりいかないからあれなんだけども
といいますと?
井上さん
なんというかね、浄化させてあげたいけども、しないほうが本人の為だったり、強制でなら何とかなることはあっても、本人が強い意志で残ってることもあるんだよね。そうなってくるとこっちもそこまでしたくないというか……
私もそこまで行ったことのある場所ではないですが、なんかあまり空気がよくない気がします。ほこりっぽいところとかも苦手ですので……
井上さん
まあ空気は確かに良くないねえ。俺も飲みに行くときは違う所、選らんじゃうからねえ。普通に死んでる女の子も歩いてるし、死んでる男もナンパとかしてるし、死んでるのか生きてるのかボーダーな子も多いからね。そういうのをみてるといやな気持になる人は少なくないから
ボーダー
井上さん
そうやって生きては、いるけども死にたいって悪戯に言ってる子なんかはね、体がほしくて仕方ない霊的な存在に狙われやすいし、実際にもう、とられちゃってる子とかもみてるからね。そういうものって、いくら本人が自分の体を取り戻したいって思っても霊的な存在からすればそれは”契約違反“なんだよね。死にたいって言ってる人間と体がほしい霊的な存在。そこで一種の取引が形としてできちゃうんだもん
あー……こうかまって系メンヘラってやつですね
井上さん
そうなるねえ。実際に人が変わったみたいに真面目になったとか、性格が全然違う子になったとか、笑いながらあの界隈の子なんかは言ってるのがたまに聞えるけども実際に人が変わってるからね。そのあたりは俺にはどうにもできないというか、なにもしたくない部分だね
?
井上さん
自分でそうやって自分を粗雑にあつかったんだそれは仕方ねえってことだね
ですねえ……
井上さん
二回目の人生は上手にやってやるってのもいれば、二度目は普通に生きていくとか色々だねえ
そういうのがいっぱい、いる所と考えるとなんというか、立地条件が悪いですよね
井上さん
だねえ。打ち合わせに行くまでにも嫌なもの結構みるし、まあ簡単に消えるのとかきっけかがほしくて、そこにいるとかだと俺が通るだけでも、上にいっちゃうこともあるからね。そういうのだといいけども、そうじゃないならそのままにしてた方がいいかもねえ
打ち合わせまでに気が滅入る感じですね
井上さん
本当にねえ。で、お店に行ってそこからまず該当者との顔合わせをするんだけども
はい
井上さん
大体半分は本当のこと言わないんだよねえ(苦笑)
あらあ
井上さん
まあ俺がね、男だからってのもあるんだろうけども。でも恵美くんみたいに女性が行くような案件でもないんだよね
恵美さんは大丈夫な気もしますが
井上さん
危ないことは、しないに越したことないでしょ
ですね。それで、顔合わせをして
井上さん
その時点でまあ、ある程度は霊視できるけども本人が正直に言うかどうかは見てるよ。言うような人なら流れ弾かもしれないから、そこは何とかしようと思うし、言わないならそれは自分で個人的に他の誰かに案件としてもっていってもらうしかできないし
慈善事業ではないですものね
井上さん
そういうことですね。そこを分かってもらわないとこっちもやっていけないというかね。ただ、ホストクラブやキャバクラの案件を受けてくれる霊能者がまずいない。攻撃的な人間や攻撃的な霊的存在が多いってのもあるけどもね
攻撃的
井上さん
見下げてくる人も多いね。打ち合わせ中にホストの体験と間違えられて水かけられたり灰皿投げられたりとか(笑)
ひいいいいいいいいいい
井上さん
笑ってお断りして、帰っちゃうけどもね(笑)オーナーが血相変えて追いかけてくるのと、すげー罵声が聞こえてくるのが大体一緒かな(笑)
いやですねえ
井上さん
そういうやんちゃな部分は他で発揮してほしいよねえ。なので俺も売れるホスト売れないホストとかは大体見分けがつくよ。で、打ち合わせ中に何事もないようにしてもらってすべて正直に話してもらう。こちらもある程度は透視と霊視を使ってさらっと個人でしかわからないものを伝えると、大体俺が言ってることが嘘ではないって理解はしてくれるけども
恨まれることの多いお仕事は怖いですねえ……
井上さん
まあねえ。で、今回の打ち合わせで話になったのが営業中の物音とか、人数が合わない瞬間があってというやつで
人数があわない
井上さん
そうそう。テーブルの数とホストの数が合わないってやつだね
わああああ、わあああああ
井上さん
で、俺が見た感じでも日中でも、まあそこそこ霊的なものというか、恨みは溜まってたから営業中にも見てみないとって話にはなって
営業中とかは井上さんはどこにいる感じですか?
井上さん
俺は基本的にスタッフルームとかかな。で、人のいない所から回っていく感じ
ああいう所のスタッフルームってどんな感じなんですか?
井上さん
お店によって違うけども、軽いものとか取れたり、少し休めるようにはなってるね。ある意味スタッフの一番素になれる場所というか
なるほど
井上さん
で、その時はまず営業中の空気や異臭がないか、俺単独で大丈夫かどうかとかもそこで見てくる感じで
ええ
井上さん
それで原因の大まかなものをまず特定しようとしたわけね
原因は分かった感じなんですか?
井上さん
まあ、偏見にもなってしまうんだけども、ああいった場所って色恋商売だからそれのもつれ位だといいかなっては思うくらいで。このそれくらいだと、良いなは“生きてればいいな”ではあるんだけども。生きてないことも多いわけで。生きてるけども人ではない何かになりかけてるとかもあるわけでね。そうなってくるともう本当にやっかいなんだよね。ただねえ……歌舞伎町って街自体がなんというか、そういう人を人ではないものに変えてしまう力はあるというかね……だからあの街を出て人に戻ることもあればあの街で人を保ったまま生きてる人もいる。いずれにしてもあの街で生きていけるっていうのはよくも悪くも強い人なんだよね
今回はどれだったんですか?
井上さん
ありきたりではあるけども、生きてるけども片足、人やめてる方向に突っ込んでる子と生きてない子だったねえ
ありきたりの範囲が広いですね
井上さん
そう思わないとやってられない部分があるんだよねえ
ですよねえ……
井上さん
それで、まずは一番そういったものをつけてるホストと、あとはもうお店自体を恨んでいる部分もあったから、店の浄化をどうするか。一度やったらしばらくは大丈夫というものでもないこと。またそういったものを寄せやすいスタッフを集めてしまう可能性も高いこと、このあたりを経営者の人と話をするために場を作ってもらうことになる
やっぱりそういう人が多いんですか?
井上さん
誰でも入れるところは割と危ない子もきやすいかなあ。でもまあ、最終的にはその人の人間性で恨まれたり恨まれなかったりなわけだから
お店の浄化もやっぱり必要なんですか?
井上さん
臭いって表現になっちゃうんだけどもそういう臭いに引き寄せらレるっていうのはあるんだよね。その臭いは人でも、人ではないものでも特定の体質にとってはものすごくいい匂いであって、そこに行きたくて仕方なくなるんだよ。色恋や話術だけじゃなくもう本能がこの臭いが好きだっていう感じかな
恵美さんのいうところの“夜中であってもどうしてもマクドナルドが食べたくて車飛ばして買いに行った”みたいな感じですか?
井上さん
感覚的には近いね。こう“どうしてもここじゃなきゃだめ、ここにしかない臭い”ってやつだから他じゃ満たされないこともあるんだよね。その匂いを作ってるのは一人じゃなくそこに来るスタッフ全員ということになっちゃうんだけども
体臭みたいですねえ。私にとって不快な臭いであっても、好きな人には本当に好きだって臭いになるってききますからね
井上さん
それに近いもしれないね。そうやって同じようにあまりよくないものを持った人がいっぱい集まってその臭いがしみついてしまってるというのは一回じゃ落としきれないからね。だと、大なり小なり同じことを繰り返していくというか
数回することになったんですか?
井上さん
まずは一回の浄化と除霊とかって感じかね。まあ、長くやっていくなら遠からずお得意さんになってしまうからねえ
お得意さん
井上さん
まあねえ。慈善事業ではないし、そういう場合にはちゃんと僧侶として参加していくけれども。人の業の後始末みたいな部分はね
人の業の後始末ってすごくわかりやすい感じがしますね
井上さん
まあねえ。仏さまになれない存在を仏さまにするというかねえ……不用意に恨まれたり恨んだりとかはそういったものから遠くなってしまうからさ
だと、お店の浄化とホストの人の除霊ですか?
井上さん
一回目はね。今後どうなっていくかはわからないけども、今回の一件はそれで一回区切ることにしたかな。強めに恨まれてるのも一人に絞れたからその人と、あとは店全体の除霊というか消毒というかね
原因が特定できているからこそですよね
井上さん
まあねえ。特定できていてもどうにもならないときもあるわけだし
難しい部分もですね
井上さん
まあ、普通の霊的なものと般若の手前みたいのを、なんとかしてみるっていうのをまずやって、その後にどうなるのかを考えるみたいなね
だと結構、大仕事ですよね
井上さん
そうでもないかな。本当にまずかったら浄化マシーンを導入するけどもまだ単騎で行けるものは俺の中では割と安全圏あつかいにしてる(笑)
安全圏の範囲がめちゃくちゃ広いですね(笑)
井上さん
学生時代は安全圏の範囲が狂ってるとは確かに言われたらなあ、講師陣にも。何かあればそれは俺の修行不足であり、判断ミスなわけであって。そうならないようにするのも修行の一環なわけだし
そのあたりも今度いろいろと聞かせていただきたいです
井上さん
人によってやり方って全然違うからね。まあそんな感じで俺も一応仕事として受けることにしたんだけども、こう、集中砲火されてる状態のホスト本人はすげえ態度悪かったのは気にはなったのね。男だからどうっていうよりも自分よりも下だと思えば見下してくるっていうのがね。まあ、胡散臭い坊主だからそれはしかたないんだけども
胡散臭い坊主ってすごい表現ですよね
井上さん
大体俺は自分でそう説明しちゃう。そこで少しでも警戒しないでもらえればそれでいいし
胡散臭いが離れないです(笑)
井上さん
その生臭坊主に頼むしかなくなったということを理解してるかどうかなんだけどもね
それが読み取れるって人はあまりいないんじゃないですかね
井上さん
あんまりいないねえ
恵美さんなんかも言葉が理解できない相手も多いって言ってますね
井上さん
なんというかね、ホラーサイトやシャレにならない怖い話っていわゆるアングラとかマイナーな存在だったものがいまじゃメジャーになってしまってるし、それにでてくるお坊さんって存在はそういう魔除けをしてくれるみたいなイメージを持たれてるんだよね。実際には僧侶よりも神職のほうがそういったものへの対応はできたりもするし、それこそ退魔や霊媒除霊をしてる人のほうがプロフェッショナルなんだけどもね。僧侶はそこまで見えることも少ないよ、実際に。お寺に行けば何とかなる、神社に行けば何とかなるは捨ててもらったほうが良いかな
たしかにああいったサイトを見ると神社やお寺にいってなんとかしてもらったり、なんともならないといわれるのが多いですね
井上さん
なんというかね、歓楽街っていうのは本当に色んな人がいるから俺みたいのにも話が来るけどもそれは本当に人づてとかだからね。そういうものがすくない地方部の歓楽街からの仕事なんかは切羽詰まって探してきたんだなってのも感じることもあるよ
井上さんも行ける範囲では地方にもいかれますものね
井上さん
本当にどうしようもない時だね。話してるとだいたい中身や今の状態が見えてくるから。でも人間なんてものはどこに住んでいても同じだから原因も結果も大体同じではあるんだよね
ですよねえ
井上さん
まあ、今の時代ってのは僧侶だけで食っていくのも大変なのはあるからね(笑)
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