執筆者:ゆい
副住職である恵美さんは、幼少期から霊的な存在を感知でき、いわゆる「呪物」などの判断もできることから、定期的に鑑定なども頼まれることがあるそうです。
そんな呪物の中でも今回は、ある「お守り」の修復についてお話を伺ってきました。
こんにちは、今日は呪物の話でマイルドなものを聞かせてもらえるということで
恵美さん
割と緩やかというか、怖いものではない感じですね
どんな感じだったんです?
恵美さん
お守りの中に何か入ってるみたいだけども、怖いから変わりに見てほしいってやつだったんだけどもね
ふむん……入ってたんです?
恵美さん
結果から言えば入ってた。まあ……そこまで危ないものでもないのと、安全だから持ち主にそのままお返ししたんだけども
どうやって持ち込まれたんですか?
恵美さん
私に直接ではなく、父親が法事に行った際に話をされて、それならば自分よりも娘のほうが適任なので副住職を改めてうかがわせます、って話をしてきたんだよね
お父さんは見えないんでしたっけ
恵美さん
まったくってわけではないけども、私のほうがこれ系は強いからね。父親はどっちかというと読経とかに力があるほうだからよくあるオカルトのネタにでてくる寺生まれのTさん(有名な都市伝説のネタの一つ)な感じだね。あの人におかしなのが来ないのは間違いなくあの人本体がパワーの塊だからそういうのがこないというか
お母さん普通の人だしね
恵美さん
うん。向き不向きの判断がうまいから私に回ってきたから何かに備えて正装していったのよ。寺の者だってのもわかるからね
そういうものがありそうなおうちでした?
恵美さん
普通の家で、これといって悪いものもなかったから何かあったのかな?って感じだったんだけども
ふむ
恵美さん
それで、客間というかリビングに通されて問題の品を見せてもらうことになって
それがお守りだった、と
恵美さん
うん。見た目は少し古いけども、手入れをすればいいだけで、物自体はすごく良いもので作られていたんだよね
お守りの中身
少し古いけれども、よいものだった。これは恵美さんの認識だと呪物としてもよいものであり、何らかの霊的な加護を持っているという場合が多いです。
今回のお守りの中身とは……?
お守りの中身はどうだったんです?
恵美さん
中に入ってたのは加工した石というか。まあ、普通の石ではないんだけれども。ただ、お守りを作ってもらった……元々の作者がしっかりとした念を込めてそれを受けてより強くなってた感じ。悪いものではないけど、年月をそれなりに経過しているから割と力をもってしまったというか。人の気持ちってすごく力を生む時があるから、その効果だと思う。これが骨とか肉とか使ってたとかなら私もあずかろうと思ったんだけども、石に対して特殊加工してるみたいなもんだから
法律の範囲内でよかった感じですね
恵美さん
それね。まあ、即身仏とかもあるからその辺はグレーなんだろうけども人の部品でないならまあ、安全度は高いからね。それでお守りの中身をちょっと見てて、どうも末代への呪いが無いようにという感じのものだったんだよね。今まではお守り自体がお仏壇の中にあって見つからなかったんだけども
見つからずにいたんですね
恵美さん
うん。で、何代かに一人そういう能力が高い人が生まれる家でね。その特殊な人になるのかな?が、生後数か月の赤ちゃんがそうだったんだけども、その日はいなかったからね
だと、誰と話をつけてきたの?
恵美さん
当代の当主であるばーさまだね。ばーさまが、たぶんこのお守りは孫が持つんですよね?と聞いてくるから“確実にそうですね”っては答えたけども。ただその場合にはこのお守りは非常に手助けになるものであり、お孫さんの道を守るものにもなりますともいって来たよ。お守り自体は良いものに寄ってるし、もし、お守りを担当する子供であればお守りだって光ある所、人の温かさのある所にでれるのはうれしいからね
仏壇の中で担当になる存在が出てくるまで待ってた感じとかです?
恵美さん
それはどうなんだろうね。必要だったら出てくるのが呪物だからなあって私は思ってしまうから。お仏壇の中なら劣化もしにくいし、捨てられることもない。お仏壇や御位牌の移動には基本的に神職系が一回は来るからその時に見つかることもあるだろうし
呪物全般が悪いものじゃないけども、一般的に呪って言葉が入るといい印象はないだろうからねえ
恵美さん
うん。その部分も説明した。お守りのほつれとかは着物から外した糸で補修できるから一回お預かりして私が直したんだけど
はい
恵美さん
ついでに中身をちゃんと見ておこうと思って
やっぱり(笑)
恵美さん
中身は一族の繁栄、一族にこのお守りを管理できるものが出たら、できるだけ身に着けるようにすること、は分かったんだよね。お守り自体は中身はずっと一緒なんだけども、外装は何度か変わっていて私が思うよりも中身は古い年代物だったわ
二百年くらい?
恵美さん
江戸あたりかなあ。この辺は当時も農村だし色んな飢饉とかもなんとかしてみんなで乗り越えてきているから、そのような思いをさせないようにとあの家の人がその当時のこの土地にいた霊能者に頼んだんだろうね。もっと見える人ならもっと詳細にわかるんだろうけど私の判断は“悪いものではない”“持っていればそれなりに効果をだす”“今代の持ち主は赤ちゃん”ってところだったのよ
それだけでも十分って言ったら十分だけどもね
恵美さん
ただ、どんな効果があるのかがいまいち私にもわからなくてね。親父に見せたらこの家紋だと○○さんちだなあ、ってのは分かったけども。作った当初はきっと家紋とかは入ってないはずだし、後年の人が外装を交換する際に自分の家のものだという印を入れたんだと思ったんだよね
それはすごく納得できるねえ
恵美さん
で、中身のほうも一応お清めだけしておいて、日を改めて返しに行くことにしたのね。ちょうど法事とかもあって立て込んでいたからすぐにっていうのは難しかったし。お守りもその間はうちの仏さまのところで祀らせてもらってた感じ。お守りが不満を感じれば預かっている私に不満をぶつけてくるだろうし
そんなに強いお守りなんだ
恵美さん
だねえ。お守りというよりも本当に意思を持つ呪物だからね。なのでちゃんとした管理を覚えればとてもいい効果をもたらしてくれる。半面、手入れを怠ればそれに対する不満をだして手入れを促す。だからお守りの効果を受けることができる人もそれなりの人にはなってくるというかね
いろんな意味でストレートな“おまもり”だよねえ
恵美さん
対価もなしに報酬はでないからねえ。ましてここまでしっかりしたものなら“敬う”“祀る”“しっかりと扱う”が対価だね。座敷童みたいなもんだというとわかりやすいかも
確かにわかりやすい。座敷童もしっかりと扱わないとだめって聞いたことがある
恵美さん
うん。だから預かってる間もできるだけおかしなものが来ない場所に置くのが礼儀だとおもってそうしてたのね
ええ
恵美さん
で、お返しに行く前の夜に、夢なのか夢枕なのかはわからないけどもお礼を言われたんだよね。だいぶゆっくりできた、気分がいい、感謝してるって感じで。目を開けるのもあれだったからそのまま聞いてたのね。見られたくない可能性があるかなって
恵美さんにしては配慮してる
恵美さん
相手は仏さんの仲間みたいなもんだからね。まだまだそこの域には行けないものが失礼を働くわけにはいかない。私みたいな存在はそこをしっかりと理解しなきゃいけないからね
お守りの返却
恵美さんは翌日の良い時間(方位や時間で、ものを持ち込むに効果の高い時間を指すようです)にお守りを持ち主のおたくに返却に行きました。
そこには先日にはいなかった、今代の主になる赤ちゃんとそのお母さんも待っていました。
恵美さん
で、方位と時間の良い時にお守りを返しにいったのね。修復も大体終わったし、手入れ方法を伝えればあとはまた同じようにほつれてもどうにかなるくらいだったから。そしたらね、今代の持ち主になる赤ちゃんとお母さんもいたのよ。だから、まずお母さんにこのお守りは力のあるものであり、とても古く歴史のあるもの、悪いものではないが呪物であり手入れや扱える人が少ないことも伝えたのね
お母さんはなんと?
恵美さん
もともとお母さんの家系がわりと霊能系の人が出るらしく、タイミングが良かったみたいでね。お母さんもしっかりと話を聞いてくれたからお守りをお返ししてすこし与太話して帰ってきたのね。一応実家の電話番号(お寺の番号になります)を渡してきたから何かあれば連絡も来るだろうし、名刺も置いてきたのよ。お守り自体はうち(お寺)の範囲外だけどもまあ、私が在職してる間くらいなら対応もできるだろうし。そんな大したこともないに越したことはないんだけども
恵美さん何でも屋でもいいんじゃないかな
恵美さん
いやいや。寺の雑務してるとそんなに時間もあるようでないからね。できる部分ではやらせてもらうけども。これをメインにとかは考えてないし無理だね
その後は何もなかったの?
恵美さん
一回お母さんから電話いただいたよ。お出かけ用の赤ちゃんバッグの内ポケットにお守りを入れてるらしく、たまに集団で赤ちゃんをあやしてる夢を見るって言ってた。まあ、あのお守りを引き継いできた人たちが久々の守り人ができてうれしいんだろうね。お母さんもお茶とお菓子は一人分多く準備してお供えしてくれてるみたいだし。そうやって感謝の形を作れるから、うまくいくと思うよ。実際にそうやってお母さんに伝えてる部分もあるからね
赤ちゃんだから管理できるまでは結構時間が必要じゃないの?
恵美さん
うん。その間はたぶんお母さんに要求とかは伝えると思うよ。でも、聞いてる限りお守りの中の人たちはすごく喜んでるのと同時に、久々の赤ちゃんからの守護で張り切ってるみたいだね。家の前を通ったときの空気が凄かった!!
えっ!?そんなに違うの?
恵美さん
家が発光してた
発光!?
恵美さん
空気もなんというかキラキラしてた
空気まで!?そこまで歓迎ムードだったんですか!?
恵美さん
話にはそういうことが起きるって聞いたことあるんだけども、守護系の人たちであそこまでフィーバーしてるって初めて見たからびっくりしたね。すごく貴重な体験というか
発光ってどんな感じなんですの?
恵美さん
んー……窓から外に向かって光が映画みたいにばーん!って出ていて、ちょっとしたフラッシュ現象に見えるというか
想像できました。それは……すごい
恵美さん
あの感じだとお家の方もしっかりと守ってくれるだろうし、赤ちゃんも元気に育つと思うよ。小さいうちに慣れ親しんでおくと私みたいになるけど(笑)
あー……恵美さんもそうだもんねえ
恵美さん
幸いお母さんが理解があるから大丈夫だよ。良いものを見たというか、珍しいくらいの歓迎だったねえ。手入れした甲斐があったよ
私までなんか笑ってしまうというか、いい話だよね
恵美さん
霊とかそういう関係ってあまりいい結末がないけども、こういうのはうれしいよね。活性化することでいろんなところで福がおきるからね
なかなか貴重な話と貴重な結末で私もびっくりしてます
恵美さん
毎回こういうのだと私もうれしいんだけどもね
聞いてる側もこれだとなんか嬉しい気はします。凄惨な話も多いですし
恵美さん
みなさん本来は善であり仏になるものなんでしょう。私はそう思ってるけどもね。まあ、あまり難しく考えるよりもいい縁がいいように結ばれたって思ってる。発光するほど喜ぶってあと人生で見れるかなあって
そんなレアなんだ
恵美さん
見に行く?
いや、見えない見えない(笑)
恵美さん
残念だなあ。すごい光ってるのに
またそういう話を聞かせてください(笑)
恵美さん
はい~
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